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第5章 ダンジョンに行こう
190 俺でも可能なのではないか?という疑問
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休んでいる最中も、ちょくちょくキメラが再登場してくる。
その度にマグロドラゴンに殺されるのだけども。
マグロドラゴンも賢くなり、大体の出現位置に待機するようになった。
そして現れた瞬間に噛み付いてしまうのだ。
どういう仕組みで登場しているのか、キメラには知能があるのか、何も分からないけど少し同情してしまう。
ほら、ラノベで異世界人によって召喚される話ってあるじゃん?
あれで出た瞬間に攻撃されているのと同じようなものだ。何も理解出来ないまま殺される。
まぁ、こちらとしては、キメラの攻撃が来ないまま倒されるので助かっている。
なので不平不満を言う気は無い。助かってます。
唯一の問題点は、姿を詳しく見る事が出来ないことだけ。
ドラゴンで圧勝出来ているので、描かなくても良いのかもしれないけど。
寝る前に少し気になったので、クロさんに聞いてみた。
「キメラみたいなモンスターが居ますよね?」
「それがどうかしましたか?」
「俺は描いたモノが具現化出来る能力です」
「話が飛ぶのは止めてください」
「いや、繋がってるんですよ、聞いてください。キメラも描く事が出来れば具現化出来ますよね?」
「そうですね」
「あれって、言うならば合成された生物ですよね?」
「そうでしょうね」
「わざわざ合成するのですから、その生物の良い所を集めて作りますよね?」
「大体、言いたい事が分かりました」
「理解してもらえましたか。
そうです。俺はキメラを作れないんですかね?」
キメラを見た時から気になってた事だ。
合成生物が居るって事は、誰かが合成しているという事だ。
これが合成した生物で無いのなら、キメラなんて呼び名にはなっていないはずだ。固有名詞があるのが普通。
冬山でイエティを見たとしよう。
それをゴリラと言う人も居れば、伝承にあるイエティだと言う人も居る。
どちらも見た目から判別している訳だが、どちらもある程度認知されているからこそ、固有名詞が出てくる。
別の地域で家畜小屋でチュパカブラを見たとしよう。
こちらも伝承で固有名詞が付いている。
だが、それを知らない人は「痩せた狼のようで、背中には棘が生えていた」とか言う。未知の生物だ。
でもそれをキメラとは言わない。合成されているような見た目なのに。
じゃあどうすれば合成生物(キメラ)と言われるのか。
それはチュパカブラを生物研究所や、米軍施設で見た場合だと思う。
誰かが作り上げたんじゃないか?という疑問が生まれた時だ。
話が逸れた感じもするけど、つまりはそういう事。
誰かが作ったからキメラと言われる、という事が言いたいんだ。
そこから考えると、俺でも可能なのではないか?という疑問。
下地はある。
誰かに合成された生物が居る。
キメラと呼ばれるモノが居る。
それはダンジョン内だが、生息している。
多分だが、描ければ具現化出来る。
これらを合わせて考えれば「ダンジョン内なら俺が考えて生み出したキメラも描ければ具現化出来るのではないか?」という結論にたどり着く。
「私の考えですが、多分無理でしょうね」
「それは何故です?」
「この世界にあるモノ、もしくは貴方の居た世界にあるモノ、その2点しか具現化出来ないと思います」
「だから理由は? 無いモノを作った事もありますよ?」
「無いモノを作る時に何をしましたか? 注釈を詳しく書いたりしたでしょう?
もしくは細かい内部構造まで描いたのではないですか?」
「その通りです。そこも見てたんですか?」
「はい、そうです。
つまりそれくらいの労力があって、初めて生み出せるのです。
なんならキメラ対策の為に戦車でも具現化しますか? どれだけ詳しく描かないといけないのか分かりませんけど」
戦車か……。
多分外見だけ詳しく描いてもダメだろうな。
具現化するには図面レベルで描かないとダメな気がする。
それが出来たとしても使用されている燃料や火薬の成分までは分からないけど、注釈として書かないとダメな気がする。
つまりキメラを考えて具現化するには、細かく描かなければならないという事か。
内蔵から筋肉まで。うん、無理だね。
「逆に生み出すのが簡単なのもありますよ?」
「えっ?! それは何です?!」
「ゴースト系ですよ。内蔵とか筋肉とか脳みそとか、何も無いでしょう? 見た事無いでしょうけど、それでも描けるでしょう?」
「確かに! ……でも、何か役に立ちますかね?」
「さぁ? 扉の向こう側を開けなくても確認出来るとか、それくらいですかね?」
「魔法を使えるとかってのはどうでしょう?」
「貴方の世界のゴーストは魔法が使えるのですか? 創作モノでも良いですけど、広く知られている内容で」
「ポルターガイストくらいですかね。後はスライムみたいなカスを残すとか。これは映画ですけど」
「その程度で役に立ちます?」
「無理です……」
創作は諦めた方が無難だな。
無駄に紙を使う事も無いだろう。
寝よ寝よ。
その度にマグロドラゴンに殺されるのだけども。
マグロドラゴンも賢くなり、大体の出現位置に待機するようになった。
そして現れた瞬間に噛み付いてしまうのだ。
どういう仕組みで登場しているのか、キメラには知能があるのか、何も分からないけど少し同情してしまう。
ほら、ラノベで異世界人によって召喚される話ってあるじゃん?
あれで出た瞬間に攻撃されているのと同じようなものだ。何も理解出来ないまま殺される。
まぁ、こちらとしては、キメラの攻撃が来ないまま倒されるので助かっている。
なので不平不満を言う気は無い。助かってます。
唯一の問題点は、姿を詳しく見る事が出来ないことだけ。
ドラゴンで圧勝出来ているので、描かなくても良いのかもしれないけど。
寝る前に少し気になったので、クロさんに聞いてみた。
「キメラみたいなモンスターが居ますよね?」
「それがどうかしましたか?」
「俺は描いたモノが具現化出来る能力です」
「話が飛ぶのは止めてください」
「いや、繋がってるんですよ、聞いてください。キメラも描く事が出来れば具現化出来ますよね?」
「そうですね」
「あれって、言うならば合成された生物ですよね?」
「そうでしょうね」
「わざわざ合成するのですから、その生物の良い所を集めて作りますよね?」
「大体、言いたい事が分かりました」
「理解してもらえましたか。
そうです。俺はキメラを作れないんですかね?」
キメラを見た時から気になってた事だ。
合成生物が居るって事は、誰かが合成しているという事だ。
これが合成した生物で無いのなら、キメラなんて呼び名にはなっていないはずだ。固有名詞があるのが普通。
冬山でイエティを見たとしよう。
それをゴリラと言う人も居れば、伝承にあるイエティだと言う人も居る。
どちらも見た目から判別している訳だが、どちらもある程度認知されているからこそ、固有名詞が出てくる。
別の地域で家畜小屋でチュパカブラを見たとしよう。
こちらも伝承で固有名詞が付いている。
だが、それを知らない人は「痩せた狼のようで、背中には棘が生えていた」とか言う。未知の生物だ。
でもそれをキメラとは言わない。合成されているような見た目なのに。
じゃあどうすれば合成生物(キメラ)と言われるのか。
それはチュパカブラを生物研究所や、米軍施設で見た場合だと思う。
誰かが作り上げたんじゃないか?という疑問が生まれた時だ。
話が逸れた感じもするけど、つまりはそういう事。
誰かが作ったからキメラと言われる、という事が言いたいんだ。
そこから考えると、俺でも可能なのではないか?という疑問。
下地はある。
誰かに合成された生物が居る。
キメラと呼ばれるモノが居る。
それはダンジョン内だが、生息している。
多分だが、描ければ具現化出来る。
これらを合わせて考えれば「ダンジョン内なら俺が考えて生み出したキメラも描ければ具現化出来るのではないか?」という結論にたどり着く。
「私の考えですが、多分無理でしょうね」
「それは何故です?」
「この世界にあるモノ、もしくは貴方の居た世界にあるモノ、その2点しか具現化出来ないと思います」
「だから理由は? 無いモノを作った事もありますよ?」
「無いモノを作る時に何をしましたか? 注釈を詳しく書いたりしたでしょう?
もしくは細かい内部構造まで描いたのではないですか?」
「その通りです。そこも見てたんですか?」
「はい、そうです。
つまりそれくらいの労力があって、初めて生み出せるのです。
なんならキメラ対策の為に戦車でも具現化しますか? どれだけ詳しく描かないといけないのか分かりませんけど」
戦車か……。
多分外見だけ詳しく描いてもダメだろうな。
具現化するには図面レベルで描かないとダメな気がする。
それが出来たとしても使用されている燃料や火薬の成分までは分からないけど、注釈として書かないとダメな気がする。
つまりキメラを考えて具現化するには、細かく描かなければならないという事か。
内蔵から筋肉まで。うん、無理だね。
「逆に生み出すのが簡単なのもありますよ?」
「えっ?! それは何です?!」
「ゴースト系ですよ。内蔵とか筋肉とか脳みそとか、何も無いでしょう? 見た事無いでしょうけど、それでも描けるでしょう?」
「確かに! ……でも、何か役に立ちますかね?」
「さぁ? 扉の向こう側を開けなくても確認出来るとか、それくらいですかね?」
「魔法を使えるとかってのはどうでしょう?」
「貴方の世界のゴーストは魔法が使えるのですか? 創作モノでも良いですけど、広く知られている内容で」
「ポルターガイストくらいですかね。後はスライムみたいなカスを残すとか。これは映画ですけど」
「その程度で役に立ちます?」
「無理です……」
創作は諦めた方が無難だな。
無駄に紙を使う事も無いだろう。
寝よ寝よ。
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