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第5章 ダンジョンに行こう

175 新人に絡むバカを放置してるギルド

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妖精を連れて、俺とクマで進んでいく。
どこまで歩いてもモンスターが出てくる事が無い。
クマも全然警戒している感じが無い。

「もしかして、妖精と一緒に居るとモンスターが出てこない?」
「そうよ」
「バカは来るけどね」
「バカ? あぁ、知能の低いタイプね」
「そうそう」
「脳が足りないの」

脳が足りないまで言うか。
言いたい事は分かるけど。

要は強者を見分けられずに喧嘩を売ってくるバカでしょ?
ラノベで主人公が冒険者ギルドに入った時に絡んでくるヤツ。
まぁ、あれは見た目に騙されているんだけどな。

でも新人に絡むバカを放置してるギルドが問題だけど。
だってそんな噂が流れたら、少なくともそこのギルドで登録する人が居なくなるだろ?
命を賭けて金を稼ぐのが冒険者。新人が居なくなればドンドン人が減っていくだけ。
登録してる人が他から来るかもしれないが、評判が悪い支部のある所にまともな人は来ない。
だからクズやバカばかり集まる。そして評判は更に悪くなる。
新人を諌めたいなら、冒険者ではなく、ギルドがやるべきだ。
そもそも、誰彼構わず来る者拒まず登録するギルドに問題があるだろ。

ついでに言えば、何で冒険者登録すれば税が免除されるんだよ。
そういうラノベに限って、冒険者ギルドと国は繋がってないとか書かれているんだよ。
戦争には加担しないとかさ。
税が免除されるなら繋がりがあるに決まってるでしょ。
ギルドが後で纏めて払ってるのかもしれないけど、それを書かないなら繋がっていると思われてもしょうがない。

おっと、話が逸れた。

「10層までには居ないのかい?」
「居るよ~」
「植物系が多いかな?」
「植物系?」

植物系なんて初めて聞いた。

「スライムとかトレントとか」
「ウォークシードとか」
「スライムって植物系なの?」
「そうよ」
「水と養分と二酸化炭素で酸素を放出してるの」

そう言われると植物っぽいな。
光ではなく養分って所が違うけど。

「トレントとかも同じなの?」
「同じよ」
「そうじゃないとダンジョン内の空気が足りなくなるでしょ」

なるほど。
ダンジョン内の空気の循環にはモンスターが関わっているのか。
狩り尽くしたら空気が薄くなるのかな?

「ところで、ウォークシードって?」
「草」
「歩いてくるの」
「草?! 歩いてくる?! 踏み潰されて終わりじゃない?」
「圧力には強いの」
「足を絡めて転ばさせて、倒れた時に一斉に捕まえて捕食するの」
「怖いなっ!!」

草むらに生えてる草同士を縛って輪っかを作り、それに足を引っ掛けるような感じか。
そして倒れたら草に縛られる。そしてゆっくりと捕食……。こわ~。

「それってどうやって倒すんだ?」
「火に弱いの」
「小さい火でも怖がるわ」
「じゃあたいまつでも持ってれば寄って来ない?」
「そうよ」
「大丈夫」
「って言ったけど、持ってないんだよなぁ。どうしよう?」
「来たら分かるから大丈夫」
「すぐ殺すし」

分かるんだ。
そしてすぐ殺すんだ。

「どうやって殺すんです? あ、火か」
「そう、火魔法」
「ボーッとやって終わり」

そう言いながら妖精は火魔法を発動した。
詠唱も動作も無し。妖精の目の前から炎が噴出した。
ゲームでしか見た事無いけど、火炎放射器みたいだ。
あれ食らったらと思うとゾッとする。

…………妖精って強いんだな。
10層に居る仲間?よりも、妖精についてきてもらった方が良いんじゃないだろうか?
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