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第5章 ダンジョンに行こう

173 妖精女王に会わなければいけないようです

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俺は妖精2人と共に、スーズさんとセムターさんの所に行く。
そこではまだ講義を行っていた。

「ちょっと良いですか?」
「む……どうした?」
「今、忙しいんすけどね」

俺の話よりも妖精の講義の方が重要な様子。
まぁそうだろうなぁ。聞いた話を持ち帰るだけでも一生遊んで暮らせそうだもん。
でも、そんな今後の人生にも関わる話だから聞いて欲しい。

「こちらの妖精さんの話によると、俺は妖精女王に会わなければいけないようです」
「何っ?!」
「妖精の女王っすか?!」
「そ、そうらしいですね……。って落ち着いてください!!」
「おっと、すまん!」
「いや、だって凄い話だったから……」

確かに驚愕な内容だけどさ、詰め寄らないで欲しいです。
後、顔が怖いです。必死過ぎます。

「ただし、会うのは俺だけのようなんですよね」
「な、な、な、何故だ?!」
「何でですか?!」
「さ、さぁ? そこは女王に聞かないと判らないですね。妖精さんも知らないみたいですし」
「妖精に聞いてきてもらう事は出来ないだろうか?」
「そうですよね。確認は大事だよ~。ホウレンソウってね」

報告連絡相談でホウレンソウだけど、よく知ってるな。ってかそんな言葉がこの世界にもあるんだ。驚きだわ。

しかし、当然と言うか、やっぱり付いて来ようと考えてるね。
どうしたものかと考えてると、妖精が話し始めた。

「何で確認しに行かなきゃいけないの?」
「そうそう。言われた事をするだけ」
「言われたのは『この男を連れてこい』って事」
「邪魔するやつは指先一つでダウン……じゃなくて、魔法を取り上げろ、とも言われたかな?」
「二度と魔法紙を与えないとも言ってた気も?」
「えっ? 発動すると暴発する魔法を教えろじゃなかった?」
「必ず味方に当たる攻撃魔法じゃなかったっけ?」
「魔法紙が10枚集まったら爆発する仕組みにするってのは?」
「あれは10枚は多いって事で3枚に変更になったんじゃ?」

怖い言葉が次々に出てくる。
世界規模での問題になりそうな話ばかり。
しかし、途中で北斗な人が出てこなかったか?

あっ、2人が卒倒しそうな程に青い顔になってる。顔面蒼白ってこういう顔の事を言うんだな。初めて見たわ。
まぁ妖精の言う事が事実なら、無理について行けば世界レベルの犯罪者扱いになりそうだもん。

地球で言うなら、この2人が立ち入り禁止の場所に入ったせいで今後一切電気が使えなくなったような物。
世界中から恨まれるわ。
殺す事で怒りが収まるのでは?と考えて暗殺しようとする国家が居ても不思議じゃないレベル。

あっ、いかん。
妖精達がどんどんエスカレートしてる。
もう脅しは良いので、話を進めましょうよ。

「え~と……どうします? 相談してきてもらいますか?」
「いやいやっ!! そんな妖精さん、いや妖精様の手を煩わせるような事はできん!!」
「そうそう!!」
「無理やりついて来るとか、後をつけるとか……」
「する訳無い!」
「そもそも、妖精の目を盗んで行動する事が無理!」

完全に脅しが効いている。

「ところで、俺が妖精女王に会いに行った事は報告しますか?」
「3人で入って1人だけ戻らなければ、さすがに報告するしか無いが……」
「どう言ったら良いんだろぅ……」

そうだよなぁ。
変な言い訳すれば「お前達がダンジョン内で殺したんじゃね?」って疑われそうだし。
でも俺としては報告されない方が助かるんだよね。邪魔が入らないだろうって点で。

「報告すればいいわよ」
「そして『言いふらすとどうなるか』も教えれば良いの」
「『追いかけたらどうなるか』も含めてね」

報復の捏造に夢中になっていた妖精が会話に混ざってきた。
そしてまた恐ろしい事を言い出す。
最後には最悪な事を言った。

「秘密は1人で抱え込む必要は無いの。全部話してしまえば良いの。報復条件も込みでね。
 そうすれば、勝手に秘密にしてくれるから。
 その秘密はトップの人間にまで伝わった時点で止まるし。
 聞いた人間は全員同じ事を思うわ。『聞かなければ良かった……』ってね」

怖いわっ!
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