異世界で快適な生活するのに自重なんかしてられないだろ?

お子様

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第5章 ダンジョンに行こう

170 心残りになるじゃん?

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戦闘はサイに任せて進むと、あっけなく3層に到着。

確かに水汲み場も破壊されている。
拡張しようとして失敗した、って感じに壊れているので、本当に研究者がやったんだろうな。
そりゃ研究するのは大事だけどさ、迷惑にならない範囲でやって頂きたい。

まぁ、研究もしないラノベの世界と比べればマシなのかもしれないけど。
当たり前の現象を当たり前とせずに、調べるのが文明が発達する理由の一つだと思う。
あぁ、だからラノベの世界って発達しないのか。納得。


3層もさっさと踏破しようとしたのだが……。
突然サイがY字の分岐を左に向かった。
下に降りるには右方向なんだが。

「キョウヤ、どうした? 右だぞ?」
「判ってます。右に行くように指示したんだけど……」
「呼び戻してくれ」

呼び戻そうと左に向いサイの所に行こうとしたら、荷物持ちしてるゴリラに止められた。
どうした? えっ? 左に行けって? 何で? そういう指示があったから? 誰から? 上から?
うん、理解出来ない。もうちょっと詳しく。
危険じゃないから左に行けって? そう言われてもなぁ。
行かないと後悔する? と言うか最悪な事態になる? マジで?
判った、判った。行くよ。行けば良いんだろ?

「どうやら左に進んだ方が良いらしいです」
「呼び出している動物全部がそう言っているのかい?」
「そうです」
「理由は分かるかい?」
「いや、行った方が良いと。行かないと後悔するようです」
「ふ~ん…………じゃあ行こうか」
「えっ? 良いんですか?」
「この先は行き止まりなんだよね。だから進んでも戻ってくるだけ。大した時間ロスでも無いし。
 それよりも無視して右に進んだ場合、心残りになるじゃん?」

確かに。
何があったんだろう?とずっと考えてしまいそうだ。

「もしかしたら野生の勘で、右が危ないと言っているのかもしれんな」
「危ないとは?」
「察知しやすい危険だと、ならず者の冒険者の待ち伏せ。
 察知できん危険だと、崩落とか落盤とか。
 地震が起きる時、動物は事前に察知して逃げると聞く。そういう事かも知れん」

その手の話は日本に居た時から言われてたな。
その可能性もあるか。後悔するとまで言われたし。

「じゃあ左に進むって事で良いですか?」
「ああ」
「問題無いよ~。偵察はするけどね」

という事で、左に進む事に。


感覚で100mくらい進んだだろうか。
多少左右にうねっているので、正確な距離じゃないと思うけど。

言われていた通りに、行き止まりに。

「行き止まりですね」
「ここまで動物は何もしなかった。戻る素振りも無かったから、右が危ないという事では無かったようだな。
 ではここに何かあるのだろうか?」
「う~ん、何かがありそうな感じも無いけどなぁ。宝箱のような物も無いし。
 動物はなんて言ってんの?」
「聞いてみます」

俺はサイに近づき、質問する。
ここまで来たけどどうするんだ? え? 待ってろ? 何を待つんだ? 待ってれば分かる?

「なんか、ここで待ってろって言ってます」
「待つ? 何かあるのか? 準備が必要かね?」

再度質問する。
待つのは良いけど準備とか居る? じっとしてれば良い? 危険はあるのか? 危険は無い? 本当?

「じっとしてろって言ってます。危険は無いみたいです」
「じっとしてろ、か。…………なんとなく判った」
「えっ?! 判ったんですか?!」
「確証は無いがな。もし想像通りなら動かず静かにしていた方が良い」
「マジで?」
「ああ。疑問はあるだろうが、質問は後にしてくれ。今は言われた通り静かに待とうじゃないか」

スーズさんには心当たりがあるようだ。
セムターさんと共に、壁際に移動し、そこで待機するようだ。

俺はどうしようか。サイの近くにでも居ようかな?
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