上 下
160 / 200
第5章 ダンジョンに行こう

160 その犯人は貴族

しおりを挟む
他の人は来なかったし、こっちからも行かなかったので、スーズさんとセムターさんとパーティーを組む事に話はまとまった。

ダンジョン内での事や取り分なんかも決定した。

まずは戦闘。
セムターさんが索敵をする。
警戒や戦闘は俺が出す動物が担当。
スーズさんは戦闘時のみ行動。
俺は動物に指示を出す役で、戦闘には参加しない。

次に収穫。
壁にあると思われる魔法紙の捜索は、俺・スーズさん・動物が担当。
昆虫もイケると判明したので、発見しにくいと言われているらしい天井や床を探してもらう。
発見した場合は、スーズさんに回収してもらう。
回収のやり方を知っているのはスーズさんだけだからだ。
その時にレクチャーしてもらう事になっているけど。
その間もセムターさんは索敵。動物には警戒もしてもらう。

倒した魔物から金になる部分を回収するのはセムターさんの仕事。
それをしている間は動物が警戒任務にあたる。
ちなみに、収穫した物全ては俺が回収して運搬する事になっている。
動物に持たせると思っているようだが、俺にはチートの袋があるしね。ここでは言わなかったけど。
ダンジョン内で知られるのは別に良いが、わざわざ人の多いこの場所で発表する必要は無いだろ。

聞いて驚いたのが、ダンジョン内には宝箱もあるらしい。
中には色んな物が入っているらしい。ゴミから高級品まで。
下層に行くほど高価な物が入ってる訳ではなく、完全にランダムらしい。
ただし、その階層に出る宝箱が階層の数字と同じらしいのだ。
つまり1階なら1つだけ。これが2日に1回更新される。
出現場所もランダムだそうだ。
これで一攫千金を狙って低階層に入る冒険者も多いとの事。
セムターさんは積極的に狙いたいようだ。
まぁ俺も一回くらいは見てみたいな。
ちなみに、罠というかヤバい物が入っている場合もあるよう。
例えば毒ガスとか毒を持つ動物とか。
それ、罠じゃね?と思ったけど、そういう事では無いらしい。
この世にある物で宝箱に入る物なら入っているんだとか。
それを調べている研究者まで居るくらい謎なんだってさ。
まぁ「そんなものなんだ~」で納得出来る訳無いよな。「何故だ?」とか「本当にありとあらゆる物か?」と調べる人が居るのは当然。

次に生活部分。
食と住だ。
これも俺が担当する事に。
運搬と同じ様に、動物が担当と思ってもらっといた。
セムターさんは料理も出来るそうなので、期待しよう。
寝る所はもちろん檻の中。安全です。
出せる程の広い場所を探すのが重要かな?

最後に取り分。
持って帰った物全てをまずは査定に出す。
その合計金額を3等分。
その中で欲しい物があれば、その金額を出して買い取れる事に。
ただし魔法紙の場合は、スーズさんが優先で選ぶ。
余った物の中で欲しい物があれば買い取れる。
セムターさんは魔法に興味が無い(と言うよりも金の方が良いらしい)ので、現金だけ。
ただし宝箱の中から良い物が出た時は優先で買い取る。
どうやら俺の持ってる袋のような物があるそうで、それは欲しいんだとか。
自慢の足の速さが持ち物の重さで半減したくない、というのが理由。納得だ。


ここまで決めて、全員が納得した所で横槍が入った。
その犯人は貴族。

「お前達も私のパーティーに入れてやる。ついてこい」

さすが貴族様。横柄です。

スーズさんもセムターさんも諦めたような顔をしている。
やはり逆らえないようだ。
ここは俺が言うしかないな。

「え~と、お断りします。もうこの3人でパーティーを組む事にしたので」
「そんな事は知らん。私の言う事を聞いていれば良い」
「こっちこそそんな事は知りません。断ります」

こういうとこの場の全員(勇者除く)が驚いた顔をした。
誰も貴族に逆らうという事を考えてなかったみたいだ。

ちなみに俺は貴族への反抗で言った訳ではない。
単純に「付いて行ったら自由に行動出来ないだろうな~」という考えからだ。
自由に行動出来るなら同行しても良いけど。聞いてみるか?

「取り分は等分で、他の人の邪魔にならない程度の自由を保証してくれるなら同行しますけど?」
「そんな訳が無いだろう!」
「でしょうね。だから断ります」

やっぱり無理だよね~。
なら断る一択だよ。
あ~、でも他の2人がどうするかだよなぁ。
断れなければ、結局また俺1人になっちゃう!
しおりを挟む
感想 35

あなたにおすすめの小説

修学旅行に行くはずが異世界に着いた。〜三種のお買い物スキルで仲間と共に〜

長船凪
ファンタジー
修学旅行へ行く為に荷物を持って、バスの来る学校のグラウンドへ向かう途中、三人の高校生はコンビニに寄った。 コンビニから出た先は、見知らぬ場所、森の中だった。 ここから生き残る為、サバイバルと旅が始まる。 実際の所、そこは異世界だった。 勇者召喚の余波を受けて、異世界へ転移してしまった彼等は、お買い物スキルを得た。 奏が食品。コウタが金物。紗耶香が化粧品。という、三人種類の違うショップスキルを得た。 特殊なお買い物スキルを使い商品を仕入れ、料理を作り、現地の人達と交流し、商人や狩りなどをしながら、少しずつ、異世界に順応しつつ生きていく、三人の物語。 実は時間差クラス転移で、他のクラスメイトも勇者召喚により、異世界に転移していた。 主人公 高校2年     高遠 奏    呼び名 カナデっち。奏。 クラスメイトのギャル   水木 紗耶香  呼び名 サヤ。 紗耶香ちゃん。水木さん。  主人公の幼馴染      片桐 浩太   呼び名 コウタ コータ君 (なろうでも別名義で公開) タイトル微妙に変更しました。

5歳で前世の記憶が混入してきた  --スキルや知識を手に入れましたが、なんで中身入ってるんですか?--

ばふぉりん
ファンタジー
 「啞"?!@#&〆々☆¥$€%????」   〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜  五歳の誕生日を迎えた男の子は家族から捨てられた。理由は 「お前は我が家の恥だ!占星の儀で訳の分からないスキルを貰って、しかも使い方がわからない?これ以上お前を育てる義務も義理もないわ!」    この世界では五歳の誕生日に教会で『占星の儀』というスキルを授かることができ、そのスキルによってその後の人生が決まるといっても過言では無い。  剣聖 聖女 影朧といった上位スキルから、剣士 闘士 弓手といった一般的なスキル、そして家事 農耕 牧畜といったもうそれスキルじゃないよね?といったものまで。  そんな中、この五歳児が得たスキルは  □□□□  もはや文字ですら無かった ~~~~~~~~~~~~~~~~~  本文中に顔文字を使用しますので、できれば横読み推奨します。  本作中のいかなる個人・団体名は実在するものとは一切関係ありません。  

転生先ではゆっくりと生きたい

ひつじ
ファンタジー
勉強を頑張っても、仕事を頑張っても誰からも愛されなかったし必要とされなかった藤田明彦。 事故で死んだ明彦が出会ったのは…… 転生先では愛されたいし必要とされたい。明彦改めソラはこの広い空を見ながらゆっくりと生きることを決めた 小説家になろうでも連載中です。 なろうの方が話数が多いです。 https://ncode.syosetu.com/n8964gh/

クラス転移から逃げ出したイジメられっ子、女神に頼まれ渋々異世界転移するが職業[逃亡者]が無能だと処刑される

こたろう文庫
ファンタジー
日頃からいじめにあっていた影宮 灰人は授業中に突如現れた転移陣によってクラスごと転移されそうになるが、咄嗟の機転により転移を一人だけ回避することに成功する。しかし女神の説得?により結局異世界転移するが、転移先の国王から職業[逃亡者]が無能という理由にて処刑されることになる 初執筆作品になりますので日本語などおかしい部分があるかと思いますが、温かい目で読んで頂き、少しでも面白いと思って頂ければ幸いです。 なろう・カクヨム・アルファポリスにて公開しています こちらの作品も宜しければお願いします [イラついた俺は強奪スキルで神からスキルを奪うことにしました。神の力で学園最強に・・・]

異世界あるある 転生物語  たった一つのスキルで無双する!え?【土魔法】じゃなくって【土】スキル?

よっしぃ
ファンタジー
農民が土魔法を使って何が悪い?異世界あるある?前世の謎知識で無双する! 土砂 剛史(どしゃ つよし)24歳、独身。自宅のパソコンでネットをしていた所、突然轟音がしたと思うと窓が破壊され何かがぶつかってきた。 自宅付近で高所作業車が電線付近を作業中、トラックが高所作業車に突っ込み運悪く剛史の部屋に高所作業車のアームの先端がぶつかり、そのまま窓から剛史に一直線。 『あ、やべ!』 そして・・・・ 【あれ?ここは何処だ?】 気が付けば真っ白な世界。 気を失ったのか?だがなんか聞こえた気がしたんだが何だったんだ? ・・・・ ・・・ ・・ ・ 【ふう・・・・何とか間に合ったか。たった一つのスキルか・・・・しかもあ奴の元の名からすれば土関連になりそうじゃが。済まぬが異世界あるあるのチートはない。】 こうして剛史は新た生を異世界で受けた。 そして何も思い出す事なく10歳に。 そしてこの世界は10歳でスキルを確認する。 スキルによって一生が決まるからだ。 最低1、最高でも10。平均すると概ね5。 そんな中剛史はたった1しかスキルがなかった。 しかも土木魔法と揶揄される【土魔法】のみ、と思い込んでいたが【土魔法】ですらない【土】スキルと言う謎スキルだった。 そんな中頑張って開拓を手伝っていたらどうやら領主の意に添わなかったようで ゴウツク領主によって領地を追放されてしまう。 追放先でも土魔法は土木魔法とバカにされる。 だがここで剛史は前世の記憶を徐々に取り戻す。 『土魔法を土木魔法ってバカにすんなよ?異世界あるあるな前世の謎知識で無双する!』 不屈の精神で土魔法を極めていく剛史。 そしてそんな剛史に同じような境遇の人々が集い、やがて大きなうねりとなってこの世界を席巻していく。 その中には同じく一つスキルしか得られず、公爵家や侯爵家を追放された令嬢も。 前世の記憶を活用しつつ、やがて土木魔法と揶揄されていた土魔法を世界一のスキルに押し上げていく。 但し剛史のスキルは【土魔法】ですらない【土】スキル。 転生時にチートはなかったと思われたが、努力の末にチートと言われるほどスキルを活用していく事になる。 これは所持スキルの少なさから世間から見放された人々が集い、ギルド『ワンチャンス』を結成、努力の末に世界一と言われる事となる物語・・・・だよな? 何故か追放された公爵令嬢や他の貴族の令嬢が集まってくるんだが? 俺は農家の4男だぞ?

転生したら死んだことにされました〜女神の使徒なんて聞いてないよ!〜

家具屋ふふみに
ファンタジー
大学生として普通の生活を送っていた望水 静香はある日、信号無視したトラックに轢かれてそうになっていた女性を助けたことで死んでしまった。が、なんか助けた人は神だったらしく、異世界転生することに。 そして、転生したら...「女には荷が重い」という父親の一言で死んだことにされました。なので、自由に生きさせてください...なのに職業が女神の使徒?!そんなの聞いてないよ?! しっかりしているように見えてたまにミスをする女神から面倒なことを度々押し付けられ、それを与えられた力でなんとか解決していくけど、次から次に問題が起きたり、なにか不穏な動きがあったり...? ローブ男たちの目的とは?そして、その黒幕とは一体...? 不定期なので、楽しみにお待ち頂ければ嬉しいです。 拙い文章なので、誤字脱字がありましたらすいません。報告して頂ければその都度訂正させていただきます。 小説家になろう様でも公開しております。

異世界転移しましたが、面倒事に巻き込まれそうな予感しかしないので早めに逃げ出す事にします。

sou
ファンタジー
蕪木高等学校3年1組の生徒40名は突如眩い光に包まれた。 目が覚めた彼らは異世界転移し見知らぬ国、リスランダ王国へと転移していたのだ。 「勇者たちよ…この国を救ってくれ…えっ!一人いなくなった?どこに?」 これは、面倒事を予感した主人公がいち早く逃げ出し、平穏な暮らしを目指す物語。 なろう、カクヨムにも同作を投稿しています。

異世界で家をつくります~異世界転移したサラリーマン、念動力で街をつくってスローライフ~

ヘッドホン侍
ファンタジー
◆異世界転移したサラリーマンがサンドボックスゲームのような魔法を使って、家をつくったり街をつくったりしながら、マイペースなスローライフを送っていたらいつの間にか世界を救います◆ ーーブラック企業戦士のマコトは気が付くと異世界の森にいた。しかし、使える魔法といえば念動力のような魔法だけ。戦うことにはめっぽう向いてない。なんとか森でサバイバルしているうちに第一異世界人と出会う。それもちょうどモンスターに襲われているときに、女の子に助けられて。普通逆じゃないのー!と凹むマコトであったが、彼は知らない。守るにはめっぽう強い能力であったことを。 ※「カクヨム」「小説家になろう」にも掲載しています。

処理中です...