157 / 200
第5章 ダンジョンに行こう
157 日本で動物園に行けよ
しおりを挟む
「目的も判った所で、後は自由に会話をしてください。
時間になりましたら来ますので、その時に希望を言ってください」
そう言って、ギルドの職員は出ていった。
「後は若い人同士に任せて……」みたいだな~と思った。
さてフリータイムになったわけだが……見事に別れた。
皆が貴族の子の所に集まり、俺は孤立状態。
まさかの転移者も貴族の所に行っている。
俺も参加すべきだろうか?
いや、初志貫徹。
索敵を重要視するグラズさん、金目当てのセムターさん、この2人と話そう。
まぁその為には貴族の所に行かなきゃいけないんだけど……。
ちょっと待つか。そんなにすぐにフリータイムも終わらないだろうし。
そう思いつつ座っていると、まさかのスーズさんがこちらにやってきた。
同じ魔法紙目当てだから同行は無理だと思ったんだけど……。
「話を良いか?」
「あ、はい。大丈夫です」
「お金には興味が無く、魔法紙狙いとの事だったが」
「ええ、そうです」
「理由を聞いても?」
「良いですよ。単純に興味があるからですね」
「興味、とは?」
「最近初めて魔法紙を買って、魔法を覚えたんです。
そうやって魔法を覚えるって事を知らなかったんです。
で、覚えたら興味が出てきたんですよ。それだけです」
「それだけの為にダンジョンに行くのか?」
「はい、そうです」
「ふむ……」
素直に話したら、スーズさんは考え込んでしまった。
何か変な事を言ったかな?
いや、確かに変な事を言ったという確信はある。
だって、誰が聞いても道楽としか思えない発言だもんな。
例えるなら「アフリカにガイドもつけずに来た目的は、ゾウを見たかったから」みたいな感じ。
日本で動物園に行けよ、って誰もが思うはずだ。危険だろ、とも思うだろう。
そんな事を考えてたら、スーズさんから提案が出た。
「では、こういうのはどうだろうか?
私は結構な数の魔法を覚えている。なので、持っている魔法の魔法紙を入手した場合は君の物になる。
レアな物や所有していない物が出た場合は私の物となる。これはどちらが発見しても同じ。
ただしレアな物の場合、相場の5割で私が買い取る。どうだろうか?」
「なるほど……」
なかなかの魅力的な提案だ。
俺は手に入る魔法の種類にこだわりは無い。
入手出来るなら、何でも良いくらいだ。
「良い話だと思います。
あっ、でも、俺は『ナーデル』の魔法を覚えています。
なので、それの役に立つ魔法だった場合は欲しいですね」
「ふむ、複合だな。ではその場合は君が相場の5割で買い取る、というのはどうだろう?」
「良いですね。問題無いです」
「どうやら組めそうで安心した。
そう言えば『動物を使役出来る』と言っていたが、それはどういう?」
そうだった。簡単にしか説明してなかったわ。
「動物を呼び出せるんですよ。呼び出した動物は指示通りに動いてくれます」
「……? 聞いた事の無い能力だな。いや、魔法か?」
「能力ですね」
「それはどのような事が出来るのだ?」
「例えば筋力の強い動物を出して荷物を運ばせたり戦わせたり、隠密能力の長けた動物を出して索敵させたり」
「…………本気で言ってるのか?」
「ちょっと実践してみましょうか?」
「………………頼む」
許可が出たので、俺が前からちょっとやってみたかった事をしてみる。
俺はスケジュール帳を出して、蜂を書く。
指先程度の大きさだ。ミツバチを参考にオリジナルで書いてみた。
虫でも言う事を聞いてくれる程の知能があるのか知りたかったんだよね。
失敗ならすぐに消そう。
蜂はすぐに具現化し、俺の手のひらに乗った。
「俺の鼻の先に移動してくれ」
そう言うと蜂はちゃんと鼻に移動。
うん、理解しているようだ。すげーな具現化。
「マジかよ……」
スーズさん、言葉が崩れてますよ?
時間になりましたら来ますので、その時に希望を言ってください」
そう言って、ギルドの職員は出ていった。
「後は若い人同士に任せて……」みたいだな~と思った。
さてフリータイムになったわけだが……見事に別れた。
皆が貴族の子の所に集まり、俺は孤立状態。
まさかの転移者も貴族の所に行っている。
俺も参加すべきだろうか?
いや、初志貫徹。
索敵を重要視するグラズさん、金目当てのセムターさん、この2人と話そう。
まぁその為には貴族の所に行かなきゃいけないんだけど……。
ちょっと待つか。そんなにすぐにフリータイムも終わらないだろうし。
そう思いつつ座っていると、まさかのスーズさんがこちらにやってきた。
同じ魔法紙目当てだから同行は無理だと思ったんだけど……。
「話を良いか?」
「あ、はい。大丈夫です」
「お金には興味が無く、魔法紙狙いとの事だったが」
「ええ、そうです」
「理由を聞いても?」
「良いですよ。単純に興味があるからですね」
「興味、とは?」
「最近初めて魔法紙を買って、魔法を覚えたんです。
そうやって魔法を覚えるって事を知らなかったんです。
で、覚えたら興味が出てきたんですよ。それだけです」
「それだけの為にダンジョンに行くのか?」
「はい、そうです」
「ふむ……」
素直に話したら、スーズさんは考え込んでしまった。
何か変な事を言ったかな?
いや、確かに変な事を言ったという確信はある。
だって、誰が聞いても道楽としか思えない発言だもんな。
例えるなら「アフリカにガイドもつけずに来た目的は、ゾウを見たかったから」みたいな感じ。
日本で動物園に行けよ、って誰もが思うはずだ。危険だろ、とも思うだろう。
そんな事を考えてたら、スーズさんから提案が出た。
「では、こういうのはどうだろうか?
私は結構な数の魔法を覚えている。なので、持っている魔法の魔法紙を入手した場合は君の物になる。
レアな物や所有していない物が出た場合は私の物となる。これはどちらが発見しても同じ。
ただしレアな物の場合、相場の5割で私が買い取る。どうだろうか?」
「なるほど……」
なかなかの魅力的な提案だ。
俺は手に入る魔法の種類にこだわりは無い。
入手出来るなら、何でも良いくらいだ。
「良い話だと思います。
あっ、でも、俺は『ナーデル』の魔法を覚えています。
なので、それの役に立つ魔法だった場合は欲しいですね」
「ふむ、複合だな。ではその場合は君が相場の5割で買い取る、というのはどうだろう?」
「良いですね。問題無いです」
「どうやら組めそうで安心した。
そう言えば『動物を使役出来る』と言っていたが、それはどういう?」
そうだった。簡単にしか説明してなかったわ。
「動物を呼び出せるんですよ。呼び出した動物は指示通りに動いてくれます」
「……? 聞いた事の無い能力だな。いや、魔法か?」
「能力ですね」
「それはどのような事が出来るのだ?」
「例えば筋力の強い動物を出して荷物を運ばせたり戦わせたり、隠密能力の長けた動物を出して索敵させたり」
「…………本気で言ってるのか?」
「ちょっと実践してみましょうか?」
「………………頼む」
許可が出たので、俺が前からちょっとやってみたかった事をしてみる。
俺はスケジュール帳を出して、蜂を書く。
指先程度の大きさだ。ミツバチを参考にオリジナルで書いてみた。
虫でも言う事を聞いてくれる程の知能があるのか知りたかったんだよね。
失敗ならすぐに消そう。
蜂はすぐに具現化し、俺の手のひらに乗った。
「俺の鼻の先に移動してくれ」
そう言うと蜂はちゃんと鼻に移動。
うん、理解しているようだ。すげーな具現化。
「マジかよ……」
スーズさん、言葉が崩れてますよ?
22
お気に入りに追加
264
あなたにおすすめの小説
修学旅行に行くはずが異世界に着いた。〜三種のお買い物スキルで仲間と共に〜
長船凪
ファンタジー
修学旅行へ行く為に荷物を持って、バスの来る学校のグラウンドへ向かう途中、三人の高校生はコンビニに寄った。
コンビニから出た先は、見知らぬ場所、森の中だった。
ここから生き残る為、サバイバルと旅が始まる。
実際の所、そこは異世界だった。
勇者召喚の余波を受けて、異世界へ転移してしまった彼等は、お買い物スキルを得た。
奏が食品。コウタが金物。紗耶香が化粧品。という、三人種類の違うショップスキルを得た。
特殊なお買い物スキルを使い商品を仕入れ、料理を作り、現地の人達と交流し、商人や狩りなどをしながら、少しずつ、異世界に順応しつつ生きていく、三人の物語。
実は時間差クラス転移で、他のクラスメイトも勇者召喚により、異世界に転移していた。
主人公 高校2年 高遠 奏 呼び名 カナデっち。奏。
クラスメイトのギャル 水木 紗耶香 呼び名 サヤ。 紗耶香ちゃん。水木さん。
主人公の幼馴染 片桐 浩太 呼び名 コウタ コータ君
(なろうでも別名義で公開)
タイトル微妙に変更しました。
5歳で前世の記憶が混入してきた --スキルや知識を手に入れましたが、なんで中身入ってるんですか?--
ばふぉりん
ファンタジー
「啞"?!@#&〆々☆¥$€%????」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
五歳の誕生日を迎えた男の子は家族から捨てられた。理由は
「お前は我が家の恥だ!占星の儀で訳の分からないスキルを貰って、しかも使い方がわからない?これ以上お前を育てる義務も義理もないわ!」
この世界では五歳の誕生日に教会で『占星の儀』というスキルを授かることができ、そのスキルによってその後の人生が決まるといっても過言では無い。
剣聖 聖女 影朧といった上位スキルから、剣士 闘士 弓手といった一般的なスキル、そして家事 農耕 牧畜といったもうそれスキルじゃないよね?といったものまで。
そんな中、この五歳児が得たスキルは
□□□□
もはや文字ですら無かった
~~~~~~~~~~~~~~~~~
本文中に顔文字を使用しますので、できれば横読み推奨します。
本作中のいかなる個人・団体名は実在するものとは一切関係ありません。
転生先ではゆっくりと生きたい
ひつじ
ファンタジー
勉強を頑張っても、仕事を頑張っても誰からも愛されなかったし必要とされなかった藤田明彦。
事故で死んだ明彦が出会ったのは……
転生先では愛されたいし必要とされたい。明彦改めソラはこの広い空を見ながらゆっくりと生きることを決めた
小説家になろうでも連載中です。
なろうの方が話数が多いです。
https://ncode.syosetu.com/n8964gh/
クラス転移から逃げ出したイジメられっ子、女神に頼まれ渋々異世界転移するが職業[逃亡者]が無能だと処刑される
こたろう文庫
ファンタジー
日頃からいじめにあっていた影宮 灰人は授業中に突如現れた転移陣によってクラスごと転移されそうになるが、咄嗟の機転により転移を一人だけ回避することに成功する。しかし女神の説得?により結局異世界転移するが、転移先の国王から職業[逃亡者]が無能という理由にて処刑されることになる
初執筆作品になりますので日本語などおかしい部分があるかと思いますが、温かい目で読んで頂き、少しでも面白いと思って頂ければ幸いです。
なろう・カクヨム・アルファポリスにて公開しています
こちらの作品も宜しければお願いします
[イラついた俺は強奪スキルで神からスキルを奪うことにしました。神の力で学園最強に・・・]
異世界あるある 転生物語 たった一つのスキルで無双する!え?【土魔法】じゃなくって【土】スキル?
よっしぃ
ファンタジー
農民が土魔法を使って何が悪い?異世界あるある?前世の謎知識で無双する!
土砂 剛史(どしゃ つよし)24歳、独身。自宅のパソコンでネットをしていた所、突然轟音がしたと思うと窓が破壊され何かがぶつかってきた。
自宅付近で高所作業車が電線付近を作業中、トラックが高所作業車に突っ込み運悪く剛史の部屋に高所作業車のアームの先端がぶつかり、そのまま窓から剛史に一直線。
『あ、やべ!』
そして・・・・
【あれ?ここは何処だ?】
気が付けば真っ白な世界。
気を失ったのか?だがなんか聞こえた気がしたんだが何だったんだ?
・・・・
・・・
・・
・
【ふう・・・・何とか間に合ったか。たった一つのスキルか・・・・しかもあ奴の元の名からすれば土関連になりそうじゃが。済まぬが異世界あるあるのチートはない。】
こうして剛史は新た生を異世界で受けた。
そして何も思い出す事なく10歳に。
そしてこの世界は10歳でスキルを確認する。
スキルによって一生が決まるからだ。
最低1、最高でも10。平均すると概ね5。
そんな中剛史はたった1しかスキルがなかった。
しかも土木魔法と揶揄される【土魔法】のみ、と思い込んでいたが【土魔法】ですらない【土】スキルと言う謎スキルだった。
そんな中頑張って開拓を手伝っていたらどうやら領主の意に添わなかったようで
ゴウツク領主によって領地を追放されてしまう。
追放先でも土魔法は土木魔法とバカにされる。
だがここで剛史は前世の記憶を徐々に取り戻す。
『土魔法を土木魔法ってバカにすんなよ?異世界あるあるな前世の謎知識で無双する!』
不屈の精神で土魔法を極めていく剛史。
そしてそんな剛史に同じような境遇の人々が集い、やがて大きなうねりとなってこの世界を席巻していく。
その中には同じく一つスキルしか得られず、公爵家や侯爵家を追放された令嬢も。
前世の記憶を活用しつつ、やがて土木魔法と揶揄されていた土魔法を世界一のスキルに押し上げていく。
但し剛史のスキルは【土魔法】ですらない【土】スキル。
転生時にチートはなかったと思われたが、努力の末にチートと言われるほどスキルを活用していく事になる。
これは所持スキルの少なさから世間から見放された人々が集い、ギルド『ワンチャンス』を結成、努力の末に世界一と言われる事となる物語・・・・だよな?
何故か追放された公爵令嬢や他の貴族の令嬢が集まってくるんだが?
俺は農家の4男だぞ?
転生したら死んだことにされました〜女神の使徒なんて聞いてないよ!〜
家具屋ふふみに
ファンタジー
大学生として普通の生活を送っていた望水 静香はある日、信号無視したトラックに轢かれてそうになっていた女性を助けたことで死んでしまった。が、なんか助けた人は神だったらしく、異世界転生することに。
そして、転生したら...「女には荷が重い」という父親の一言で死んだことにされました。なので、自由に生きさせてください...なのに職業が女神の使徒?!そんなの聞いてないよ?!
しっかりしているように見えてたまにミスをする女神から面倒なことを度々押し付けられ、それを与えられた力でなんとか解決していくけど、次から次に問題が起きたり、なにか不穏な動きがあったり...?
ローブ男たちの目的とは?そして、その黒幕とは一体...?
不定期なので、楽しみにお待ち頂ければ嬉しいです。
拙い文章なので、誤字脱字がありましたらすいません。報告して頂ければその都度訂正させていただきます。
小説家になろう様でも公開しております。
加護とスキルでチートな異世界生活
どど
ファンタジー
高校1年生の新崎 玲緒(にいざき れお)が学校からの帰宅中にトラックに跳ねられる!?
目を覚ますと真っ白い世界にいた!
そこにやってきた神様に転生か消滅するかの2択に迫られ転生する!
そんな玲緒のチートな異世界生活が始まる
初めての作品なので誤字脱字、ストーリーぐだぐだが多々あると思いますが気に入って頂けると幸いです
ノベルバ様にも公開しております。
※キャラの名前や街の名前は基本的に私が思いついたやつなので特に意味はありません
大学生活を謳歌しようとしたら、女神の勝手で異世界に転送させられたので、復讐したいと思います
町島航太
ファンタジー
2022年2月20日。日本に住む善良な青年である泉幸助は大学合格と同時期に末期癌だという事が判明し、短い人生に幕を下ろした。死後、愛の女神アモーラに見初められた幸助は魔族と人間が争っている魔法の世界へと転生させられる事になる。命令が嫌いな幸助は使命そっちのけで魔法の世界を生きていたが、ひょんな事から自分の死因である末期癌はアモーラによるものであり、魔族討伐はアモーラの私情だという事が判明。自ら手を下すのは面倒だからという理由で夢のキャンパスライフを失った幸助はアモーラへの復讐を誓うのだった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる