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第5章 ダンジョンに行こう

154 女性1人で男と組みたいヤツなんか居ないぞ

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履歴書のような紙に色々書いたけど、ぶっちゃけ「誰でも良いです」みたいな形になった。
一応「当方、荷物運搬可能、防御に自信アリ」的な事は書いておいた。
動物を出せば荷物は運搬出来るし、自身に対する防御は完璧なのでウソでは無い。

「書けたぞ。はい、これ」
「おう。……防御に自信アリ? 暗殺の間違いじゃないのか?」
「誰が暗殺者だよ!」
「10人中9人はそう言うと思うけどな」
「失礼な!」
「悪かったよ。じゃあ受け付けたから」
「よろしく。……ってこの後はどうすりゃいいの?」
「今日受け付けたから、明日に選別される。
 だから明後日の朝に来てくれ。メンバーが決まってれば会わせる。
 決まらなかった場合、もう一度この紙を書いてもらう事になるな」
「内容に問題があるから決まらなかったって事?」
「そういう事。それに会った人との相性が悪い場合も同じだ」

まぁね。
気に入らないヤツと一緒にダンジョンのような危険な所には行きたくないだろう。俺も嫌だ。
どうせなら信用出来るっぽい人と行きたい。
ラノベのように女性と組みたいものだ。ありえないだろうけど。
一応聞いてみるか。

「男女混合とかなるのか?」
「あ~、そういう期待してるヤツってたまに居るけど、ほとんど無いぞ」
「ほとんど? じゃあ稀にはあるのか?」
「ああ。夫婦で冒険者してる者は他の夫婦と組む事はある」

そう言われると、共にドラゴン退治したザクリの街所属の冒険者『ゼロから始めた巨人』も夫婦2組だった。
なるほど、あのパターンか。

「ダンジョンに行くのに、女性1人で男と組みたいヤツなんか居ないぞ。
 そういう点では信用されないのが男だからな。
 逆にそんな女は罠の可能性があるから気をつけろよ?」
「罠?」
「男が後をつけて、ダンジョン内で話をしただけで『俺の女に何してんだよ!』と因縁つけてきたり」

美人局!

「後は『手料理です』って言って毒入りのを食わせて所持品を奪ったり」

毒婦!

「注意するわ……」
「おう、そうしろ。
 じゃあ明後日の朝に来いよ。遅れればそれだけ印象が悪くなるから、早めに来る事をオススメするぞ」
「了解した」


冒険者ギルドを後にした俺は、明後日まで暇な状態に。
うん。宿探しと買い物でもするかね。

色々な店舗を回ったが、これといった物は無かった。
やはり帝都の方が色々な物が集まっている。
この街で販売している物で目に付くのは、やはりダンジョン関連。
火を使わない食料とか明かりとか、そういう物が多い。
酸素とかの概念があるのだろうね。
この辺りは1度行ってから考えようと思う。
臨時パーティーの人からオススメを聞いても良いし。

ちょっとした携帯食料だけは購入しておいた。
これはそれが目的ではなく、宿を紹介してもらおうと思ってね。
どの店でも教えてもらえなかったけど……。
怪しい格好の人を紹介して何かあったら、自分の評価も下がるから。そう言われたよ。
納得出来るけど、納得出来ない!
諦めていつものように街の外で野宿です。あ~風呂入りてぇ。

翌日もする事は無いので、檻の中のテント内でゴロゴロ。
どうやら珍しいので見物客まで居ると具現化してるサルに教えてもらった。
より一層出にくくなったわ! ふて寝だ、ふて寝。

こうして無駄に2日間を過ごし、やっと紹介してもらえる当日になった。
頑張るぞ!

最初の挨拶は「本日はお日柄も良く…」かな?
お見合いかよっ!
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