異世界で快適な生活するのに自重なんかしてられないだろ?

お子様

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第4章 色々解決したい

127 空飛ぶバウムクーヘン?

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「おいホムラ。美味しそうじゃわからん。
 どんな形状だったとかそういうのを教えてくれよ」
「生まれて間もない虎の子に何を期待してるのだ? 知っている訳が無いだろう?
 覚えた事はキョウヤに比べてかなり少ないに決まっているだろ?」

ぐっ! 正論だ。
だが開き直ったように言われるとムカつく。
そして、だったら何故見に行ったんだよ、とも思う。

「それでも説明のしようはあるだろ? ~~に似てたとか、例えても良いし」
「えっとな……長細い」
「蛇みたいな感じか?」
「もっと太いし短い」
「わかりにくいな……」
「その木を10本くらい束ねたくらいの太さ。長さもその木くらい」

ヤシの木10本くらいの太さで、長さは……6~10mくらいか?

「形は?」
「え~と、家のトイレみたい」

トイレ? ああ、楕円形って事か。

楕円形で太さが直径1mくらいで長さが6~10mくらい?
なんだそれ? 飛んでるんだろ?
UFOかな? 円盤型とか葉巻型とかあるし。

この世界、UFOまで飛んでるのか?
あっ、でもUFOだと美味しそうってのに該当しないな。
そうなると……空飛ぶバウムクーヘン?

待て待て。発想が飛躍している。
落ち着いて考えよう。
そう、ラノベを思い出すのだ。
そんな形のモンスターで空を飛んでたのは?
…………検索結果0件、と出た。知らんわ、そんなの。描いた事も無い。

あっ! もしかしてクラゲか?!
それなら何かで読んだような気がする!

「ってか、よく考えたらホムラから聞かなくても、コウモリから聞けば良いのか。
 いや、ここには冒険者の皆さんが居るじゃないか。該当するモンスターを知ってます?」
「……判らないな」
「そうですか」

冒険者の人も知らないようだ。
まぁ俺も冒険者だけど。
新種なのかな? それとも滅多に現れないタイプ?


話してる内に、コウモリが帰ってきた。
何だった?と聞いたら、目で訴えられた。
その目は何だ! ……判らん!!
あっ、その目は判るぞ! 「何で判らないんですか? バカなの?」って思ってるだろ!

コウモリは爪を使って、地面に簡単な絵を描いてくれた。
………………この絵に近い生物って、魚?

俺が色んな魚を絵を描くと、その内の1つを指差した。
こ、これは……マグロ!

マグロかよっ!
しかもそれが空を飛んでるのかよっ! いや泳いでいるのか?

それをリーダーに見せる。

「こ、これはっ! スカイドラゴン!!」

衝撃の事実が発覚。
マグロはドラゴンでした。
異世界ってさすが異世界ですね。何を言ってるんだ、俺は。
どうやら混乱しているようだ。

まぁしかし、マグロなら美味しそうと言った理由も理解出来る。
確かに美味い。寿司作りたい。

でも、確かマグロって神経締めしないといけないと何かで読んだ気がする。
そうしないと美味しくなくなるとか。しかも腐りやすいんじゃなかったっけ?
だから昔はマグロは鮪と書いてシビって読んでたはず。死日とかなんとか。
しかも「猫またぎ」とも呼ばれてたような。

う~ん、中途半端な知識だからダメだな。
まぁ、モンスターだから大丈夫だと思おう!
きっとご都合主義で、美味しく食べられるよ!

さ、冒険者の方達に、倒し方と血抜きの方法を聞かないとね。

「どうやって倒すのか、聞いても良いですか?」
「た、倒す?! これはもう軍の出番ですよ?!」
「え?! マグロですよね?!」
「マ、マグロ?」
「あっ、違った。デカいだけの魚ですよね?」
「違いますよ! 皮膚は固いし、凄い早さで移動するし、口からは火を吐くし、体にある尖った部分で刺してくるし!
 危険しかありません!! 倒せません!!」

え~、倒せないの?
しかしドラゴンと呼ばれると、火を吐くんだな。ワンパターンだぞ。
魚なんだから水でも吐け。テッポウウオみたいにさ。
そもそも、魚なのにヤシの実とか食うなよ。小魚食ってろ。

……よし、魚なんだから釣ろう。
倒す方法は考えるとして、まずは捕獲だ。
逃さんぞ、高級食材!!
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