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第4章 色々解決したい

119 公開しているのだ。後悔はない

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「……キョウヤさんだっけ? ちょっといい?」
「えっと、どちらさん?」
「私はナオ。どうして見せないの?」
「ナオさんね。丁寧に話してくれる人は好感が持てます。話し合いが出来るので。
 それで、何を見せるのです?」
「貴方が動物を出せる所」
「う~ん……例え話になりますけど。
 貴方がもし『逆転』という能力を持ってたとします。
 効力は『戦闘中に、自身の魔力量と敵の魔力量を交換できる』だとします。
 魔法使う敵が相手なら得な能力ですよね? 最初に魔法をバンバン使って、枯渇しそうになったら交換すればある意味回復と同じ事になる」
「そんな能力があるんですか?!」
「知りませんよ。例えばの話ですって。
 有効な能力なのは納得してもらえます?」
「ええ」
「では、それを誰彼構わず公表しますか? そして見せてくれと言われたら実践してみます?」
「……それと同じ事だと言いたいんですね?」

察してくれたようだ。
切り札のような能力。これを簡単に公表するかね?
知られてたら対策を取られるに決まってるのに?
もし知られたとしても、見せたりしないだろう。どうやって発動させるのかバレるから。

さて、こんな言い訳をしたんだけども。
俺の場合とは違うんだよね。
なんせ俺、ほぼ公開してるから。
フルオープンですよ。誤魔化しようがない。

そして、沢山の人が見ている。
具現化する所をはっきり見た人は少ないが、ちょっと聞いて回れば判明する事。

自分から進んで公開しているのだ。後悔はない。
おっとダジャレじゃないよ?

でも、じゃあ見せろと言われると、反抗したくなる。
だって人間だもの、キョウヲ

だからこの人達は、街中で俺について聞いて回れば良いだけなのだよ。
まぁ、実践した上で見せろって言ってるのかもしれないけど。

「……私達はキョウヤさんと絶対に敵対しません、と言っても無理ですか?」
「はい? そんなもん無理に決まってるでしょ」
「ギルドを通して契約してもですか?」
「国が法律として制定しても無理ですね」
「なんでよ!!」

またこの女が出てきたよ。キアヤだったっけ?
キャンキャン声でうるさいんだよねぇ。

「敵対しなくても喋れるでしょ?
 最悪な場面を想定するとね、暗殺者を雇い、見た事を話してしまえば、敵対しなくても俺を殺せる可能性もある」
「そんな事しないわよっ!」
「するしないじゃなくてね?
 現実的な所で仮定すると、俺と敵対してる人が居たとしよう。その事を貴方達は知らない。
 そんな状況で、ポロッと話す可能性もある。
 もっと言えばクルナ君?が人質になり、俺の秘密を話せと言われたら喋るでしょ」
「クルナは強いから人質になんかならない!」
「論点がズレてますよ。じゃあ貴方の家族が人質だったら? 将来生まれた貴方の子供だったら?
 話せば開放されるとなれば話すでしょ」
「じゃあどうやって解決するのよ!」
「だから論点が……。まぁいいや。
 解決策は簡単。知らなきゃ良い。知ってるから話したくなる、脅されれば話す。
 何も見てない、何も知らない。これが一番の解決策」

こういう人の話を聞かないキャラ?
こういう人って論点をズラすよね~。
お前も論点をズラしてるって? 意図的にだから良いんですよ。
相手は気づいてないし。

「キョウヤさん」

おっとロリット男爵からお呼びがかかった。

「何でしょう?」
「彼がギルドに依頼を出しました。今、ベルドさんが正式な書類にしています」
「あっ、そうですか」

ご苦労様です。
こっちの女性陣からの追求がうるさかったので助かりました。

ちらっとベルドさんを見る。
面倒くさそうに書類を作っている。大変ですね。

「……ほれ、完成したぞ。クルナ、内容に納得したならここに署名しろ」
「……はい。もう少し読みやすい字で書けませんでしたか?」
「うるせぇ」

本当だ。書きなぐったと言われてもおかしくない。

ハーレム君は、なんとか読むとサインした。

「よし。ギルドへの依頼は受けた。後は金だ。現金か? 口座から出すか?」
「……口座からで」
「判った。そのように手続きをしておく」

正式にギルドが受理したようだ。

「さて、キョウヤ。これがお前への依頼だ」

そう言って渡された紙。
俺はそれを読まずにその場で破り捨てた。

「だろうな」

ベルドさんは予想してたようだ。
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