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第4章 色々解決したい
117 勝てる要素があったから?
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ロリット男爵と共に部屋に入ると、既に全員座って待っていた。
ハーレム組はイライラしている様子。
今にも遅いとか言い出しそうだ。
「遅いじゃないの!」
あっ、本当に言ったわ。俺、予知能力開花?
「交渉人を連れてきました」
「ロリットと言います。よろしく」
男爵って言わないんだね。
貴族だと大人しくなる可能性があるからかな?
そんな事を考えてると、ベルドさんがおもむろに話しだした。
「これで全員揃ったな。で、話ってのは何だ? さっさと話せ」
「何よ、偉そうに!」
「残念だったな。俺は冒険者ギルドの職員だから偉いんだよ。
ついでに言えば、俺が間に入ったから話せるんだぞ? そこを理解しろ。
そして、お前は話す事は無いだろ。黙ってろ」
「何よ、もう! クルナ! 言ってやって!」
「……何でドラゴンを倒せたんだ?」
予想外の事を聞いてきたぞ。
何で? どう答えれば? 絶対防御だから? 俺が強いから? 動物を具現化出来るから?
う~ん、意外に難しい質問だな。
「……勝てる要素があったから?」
総合するとこんな感じだよね。
でも、そんな答えでは納得出来ないらしく……。
「それは俺達にもあった! 十分勝てる相手だったんだ!!」
「え~と、ベルドさん、そうなんですか?」
「極論を言えばそうなるな」
「どういう事です?」
「たられば、の話だ。
ドラゴンが他の獲物に気を取られていれば。
弱点の腹を見せて寝ていれば。
自分の壊した立木が偶然腹に刺されば。
変な物を食べて具合が悪ければ。
弱点の氷魔法を目や鼻に食らってれば。こんな感じで何とでも言える」
確かに。
俺だってそうだ。
たまたま合羽を脱いでた時に蜂とかに刺されればコロっと死ぬだろう。
「それで、この人達にはどこに勝てる要素が?」
「そうだな……まず氷魔法を使える者がパーティーに居た。
クルナの持っていた剣ならドラゴンの鱗にも通用した。
回復魔法を使える者が居た。こんな所か?」
「なるほど。
では、ぶっちゃけ、勝てたと思いますか?」
「勝てたに決まってるじゃない!」
「誰か知りませんが、貴方には聞いてません。ちょっと静かにしててもらえますか?
さっきから会話の邪魔してますよ?」
「私はキアヤよっ! 邪魔なんかしてないわ! 貴方が変な事ばかり言うからでしょ!」
うん、うるさい。
よし、無視しよう。
「ベルドさん、どうです? 勝てる確率でも良いですけど」
「正直1割も無いな。
森の中でドラゴンの速さに対抗出来ないだろう。
生い茂ってるなかで魔法をピンポイントで当てるのも難しい。
剣が優秀でも、クルナの腕では鱗を貫通させるのも難しいだろう」
「なんだってさ。まだ言いたい事はあるかな、クルナ君とやら」
「……じゃあ、なんでアンタは勝てたんだ! どうやって勝った?!」
「え~と、ベルドさん、話さないとダメですか?」
「手短に話してやれ」
「そうですか。鼻を剣(笑)で攻撃して、その後に脳を剣で貫いて勝った。以上!」
「……そうか、あの呼び出した動物をオトリに使ったんだな?」
「そんな事、する訳ないだろ」
そもそも出来ないっつーの。
そんな命令を聞いてくれるような従順なやつらじゃないわ!
どっちかと言うと「貴方の方が頑丈でしょ?」と俺をオトリに使うね! 間違いない!
「……じゃあどうやって近づいたんだ」
「素早く」
あの速さ、見せてあげたかったね。
ドラゴンの舌の戻る早さときたら。驚きだよ?
何もする間も無かった。そもそも、気づいたら舌が巻き付いてたし。
あっ、やっぱり見せません。恥ずかしいので。
「……その早さと強さ、証明してくれ」
「イヤです」
「何故だ!」
「それはこっちのセリフですよ。何故証明しないといけないんです?
貴方が納得する為? 知るか、そんなもん」
「見せるくらい良いじゃない! それとも嘘を言ってるから見せられないの?!」
「あ~、はいはい。嘘です。嘘ですよ~。嘘ぴょ~ん」
「!! バカにして!!」
いい加減、相手をするのに疲れてきた。
こっちは敬語使ってるのにタメ口で喋ってくるし。
「まぁまぁ、キョウヤさん。落ち着いて」
ここでロリット男爵が口を挟んできた。
ちょっとどうにかしてくださいよ、こいつら。
話が通じないんです~。
ハーレム組はイライラしている様子。
今にも遅いとか言い出しそうだ。
「遅いじゃないの!」
あっ、本当に言ったわ。俺、予知能力開花?
「交渉人を連れてきました」
「ロリットと言います。よろしく」
男爵って言わないんだね。
貴族だと大人しくなる可能性があるからかな?
そんな事を考えてると、ベルドさんがおもむろに話しだした。
「これで全員揃ったな。で、話ってのは何だ? さっさと話せ」
「何よ、偉そうに!」
「残念だったな。俺は冒険者ギルドの職員だから偉いんだよ。
ついでに言えば、俺が間に入ったから話せるんだぞ? そこを理解しろ。
そして、お前は話す事は無いだろ。黙ってろ」
「何よ、もう! クルナ! 言ってやって!」
「……何でドラゴンを倒せたんだ?」
予想外の事を聞いてきたぞ。
何で? どう答えれば? 絶対防御だから? 俺が強いから? 動物を具現化出来るから?
う~ん、意外に難しい質問だな。
「……勝てる要素があったから?」
総合するとこんな感じだよね。
でも、そんな答えでは納得出来ないらしく……。
「それは俺達にもあった! 十分勝てる相手だったんだ!!」
「え~と、ベルドさん、そうなんですか?」
「極論を言えばそうなるな」
「どういう事です?」
「たられば、の話だ。
ドラゴンが他の獲物に気を取られていれば。
弱点の腹を見せて寝ていれば。
自分の壊した立木が偶然腹に刺されば。
変な物を食べて具合が悪ければ。
弱点の氷魔法を目や鼻に食らってれば。こんな感じで何とでも言える」
確かに。
俺だってそうだ。
たまたま合羽を脱いでた時に蜂とかに刺されればコロっと死ぬだろう。
「それで、この人達にはどこに勝てる要素が?」
「そうだな……まず氷魔法を使える者がパーティーに居た。
クルナの持っていた剣ならドラゴンの鱗にも通用した。
回復魔法を使える者が居た。こんな所か?」
「なるほど。
では、ぶっちゃけ、勝てたと思いますか?」
「勝てたに決まってるじゃない!」
「誰か知りませんが、貴方には聞いてません。ちょっと静かにしててもらえますか?
さっきから会話の邪魔してますよ?」
「私はキアヤよっ! 邪魔なんかしてないわ! 貴方が変な事ばかり言うからでしょ!」
うん、うるさい。
よし、無視しよう。
「ベルドさん、どうです? 勝てる確率でも良いですけど」
「正直1割も無いな。
森の中でドラゴンの速さに対抗出来ないだろう。
生い茂ってるなかで魔法をピンポイントで当てるのも難しい。
剣が優秀でも、クルナの腕では鱗を貫通させるのも難しいだろう」
「なんだってさ。まだ言いたい事はあるかな、クルナ君とやら」
「……じゃあ、なんでアンタは勝てたんだ! どうやって勝った?!」
「え~と、ベルドさん、話さないとダメですか?」
「手短に話してやれ」
「そうですか。鼻を剣(笑)で攻撃して、その後に脳を剣で貫いて勝った。以上!」
「……そうか、あの呼び出した動物をオトリに使ったんだな?」
「そんな事、する訳ないだろ」
そもそも出来ないっつーの。
そんな命令を聞いてくれるような従順なやつらじゃないわ!
どっちかと言うと「貴方の方が頑丈でしょ?」と俺をオトリに使うね! 間違いない!
「……じゃあどうやって近づいたんだ」
「素早く」
あの速さ、見せてあげたかったね。
ドラゴンの舌の戻る早さときたら。驚きだよ?
何もする間も無かった。そもそも、気づいたら舌が巻き付いてたし。
あっ、やっぱり見せません。恥ずかしいので。
「……その早さと強さ、証明してくれ」
「イヤです」
「何故だ!」
「それはこっちのセリフですよ。何故証明しないといけないんです?
貴方が納得する為? 知るか、そんなもん」
「見せるくらい良いじゃない! それとも嘘を言ってるから見せられないの?!」
「あ~、はいはい。嘘です。嘘ですよ~。嘘ぴょ~ん」
「!! バカにして!!」
いい加減、相手をするのに疲れてきた。
こっちは敬語使ってるのにタメ口で喋ってくるし。
「まぁまぁ、キョウヤさん。落ち着いて」
ここでロリット男爵が口を挟んできた。
ちょっとどうにかしてくださいよ、こいつら。
話が通じないんです~。
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