異世界で快適な生活するのに自重なんかしてられないだろ?

お子様

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第4章 色々解決したい

109 現場からキョウヤがお届けしました!

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今俺は、宰相さんに紹介された犯罪組織の隠れ家に来てます。
ぐるりと強面な人達に囲まれております。
男女の割合は半々といった所でしょうか。さすがレベルという定義のある異世界、男女関係無いようです。
ラノベではやたら強い女性が出てくるのに、暴力に訴えてくる犯罪者として沢山出てこないのが不思議ですね。
以上、現場からキョウヤがお届けしました!

「キョウヤさんよ、何をボーッとしてるんだ?」
「ああ、すみません。囲まれたのでビビってました。
 ……俺も動物を出しても良いですかね?」
「ダメに決まってるだろ」
「ソウデスヨネー」

俺の真向かいに座って話している人がここのトップなのかな?
入れ墨もしてないし、筋肉隆々でもないし、普通の30代に見える。
街中ですれ違っても気づかないだろうなぁ。
分かりやすく「犯罪者です!」って格好なのは、やっぱり下っ端なのだろうか?

「話は聞いている。どこぞの組織を潰したいらしいな」
「そうです。情報をお持ちで?」
「襲って返り討ちになった事は知っている。だが、どこが指示したのかは知らん」
「捕まったヤツをご存知で?」
「ああ。傭兵にも冒険者にもなれなかったクズだ」
「その人の繋がりは?」
「わからん。相手にしてなかったからな」

どうやらザコすぎて分からないらしい。
知っててくれれば早かったのだけど。

「で、本当にその方法で行くのか?」
「ええ。片っ端から犯罪者をボコボコにします。
 自白させ、その人の上司もボコボコにします。今回の件に関係無い組織だろうとやります」
「うちの者は狙わないでくれるんだろうな?」
「俺の見てる前で犯罪行為を行わない限りは」
「……つまり収束するまでは大人しくしてろと?」
「そこはご自由に」
「ああそうかい。早く収束させたければ、身内だろうと敵対勢力だろうと売れって事だな」
「まあ、分かりやすく言えばそういう事です」

関係無い犯罪組織なら、自分の所の部下が減るのは嬉しくないだろう。
だから情報を出してくると予想してる。
しかもその組織を潰すまでやると宣言してるので、逃がすような事もしないだろう。
逃げられれば、いつまでも終わらないからだ。もしかしたら、捕まえて引き出してくれるかも。

「犯罪者ってのはどうやって見つけるつもりだ?」
「国や巡回している兵士からの情報が主ですね。
 犯罪者って知ってるのに、尻尾を出さないから捕まえられない人の情報を貰います」
「……お前さんには法律は関係無いって事か?」
「そうなりますね」
「誤情報だったらどうするんだ?」
「そこは国の仕事でしょ。俺は渡された情報で動くので。
 それが間違いかどうかは知りません」
「……こえー話だな。国が邪魔だと思った人間は、犯罪者じゃなくてもボコられるって訳だ」
「まぁ、俺もアホじゃないので、簡単には引っかかりませんけどね?」

ウソです。
そんな事は考えてませんでした。
そっかー、そういう可能性もあるのか。
身近な事で例えれば、彼氏の居る女性を好きになったので、彼氏を犯罪者と俺に嘘通報して捕まえさせて別れさせ、慰めるフリをしながら近づいて懇意になる、とか。
…………十分注意しよう。

「情報が主と言ってるが、それ以外もあるのか?」
「ええ。俺が動物を出せるのは知ってますよね?」
「ああ。帝都に住んでる者なら知らない者は居ないだろ」
「そんなに有名?! ま、まぁ、良いか。
 で、俺はその動物と意思疎通が出来るんです。
 なので、ネズミのような小動物を出して、街を徘徊させるとか、鳥を出して空から見張るとか、そんな感じですかね」

あっ、顔がひきつってる。
動物の運用方法を聞いて、驚いたようだ。
動物に見張られてるってのが恐怖なのだろう。
現代社会でもそうだよね。街中に監視カメラがあったら、犯罪しにくいし、犯罪者にとっては見張られてる感じがしてイヤだろうな。
俺は抑止になって良いとは思うけど。そのカメラが自分の部屋の窓を撮してなければ良い。

話してて思ったんだけど、今まで動物ばかりで虫は描かなかった。
虫とも意思疎通が出来るのだろうか?
まぁ、意思疎通と言っても、そう思ってるんじゃないかな~程度だけどさ。
もし可能なら、ハエや蚊を具現化したら更にバレにくくなるのでは。
もっと言えば、細菌やカビや苔でも良いかもしれない。
目に見えない、見えてても気に留めないモノだと警戒のしようがないだろう。
今度実験してみよう。
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