104 / 200
第4章 色々解決したい
104 ホムラはゆっくりと俺の方を見る
しおりを挟む
翌日。
ホムラを説得して、一緒に元商会の地へ。
既にボガスさんが待っていた。職人を沢山連れて。
掘る気マンマンですね?
「なぁ。ヤバい雰囲気じゃないか?」
「そうだね。だが大丈夫! ホムラが『無理ッス。無いッス』って言えば皆意気消沈するけど収まるから!」
「それって俺が悪者っぽく見えないか?」
「気のせいだ!」
ホムラが嫌そうな顔をしている。
何だよ、文句言うなよ。
昨日の夜、上手いザリガニ料理で手を打ったろ?
「やあやあキョウヤさん。お待ちしていましたよ!
穴掘り職人も手配済みです! さあ、どこを掘りましょうか!」
「い、いえ、掘る前にホムラによる下調べが……」
「ああ、そうでしたね! 敷地内ではなくても出る場所が判れば教えて下さいね! 即買収しますから!」
ボガスさんのやる気が怖い。
そしてホムラの視線が痛い。
頑張れ! 負けるな! 応援してるぞ!
すごーくイヤそうな顔をしながら、ホムラが俺の腕から飛び降りた。
そのまま地面をクンカクンカしながらウロウロする。
その時、俺は気づくべきだったのだ。
ホムラの隠された顔に。
「んんっ?!」
ホムラが変な声をあげる。
いいよ~、そのまま「どこにも源泉は無い」と言ってしまえ!
そのままホムラはゆっくりと俺の方を見る。
その顔は悪巧みをしている顔だった。
口の端を持ち上げ、ニヤリと笑っている。
こ、これは危険な雰囲気!
止めなければ!
俺の静止よりも先にホムラが言葉を放った。
「ここを掘れば良い。キョウヤが言った事が実現するだろう」
シット! オーマイガッ!
こいつ裏切りやがった!
しかも俺が言ったから、みたいな言葉まで付け加えて!
否定したいが、そうすると「何故出ないと分かるのか?」という問いに答えなくてはならない。
更にホムラなら発見出来ると言ったのも俺。
……退路が塞がれている、だと…………?!
「やりましたね、ホムラさん! ありがとうございます!
特別報酬として、貴方には好きな食べ物を差し上げますよ!」
「本当か! 俺は、海の魚が好きなんだ!」
「判りました! 早速昼にでもご馳走致しますよ!」
「やったぜ!」
ホムラは「出る」とウソをつき報酬を貰った。
俺はウソをついたせいで退路を絶たれた。
何だこの差は。差別だ! ズルいぞ! 抗議デモしようか!
俺が何と言って良いか悩んでいる間にも状況は変化していく。
既にその場所を職人が掘り始めているのだ。
手動でまっすぐに掘って降りていって、縄梯子で上がるらしい。
横には手動で空気を送る“ふいご”のような物と布で作ったパイプのような物が用意されてる。
穴の直径は2mくらい。穴の中には2人が入っている。
掘るのは1人のようで、もう1人は掘った土を出す係のようだ。
紐のついた籠のような物も用意されている。深くなったらそれに入れて引き上げるのだろうか。
おっと! のんびり施工状況を見ている場合ではない! 止めなくては!
……わ~、すご~い。もう1mくらい掘ってるよ。
こりゃあ、もう止められないわ。
源泉があって、ぶち当たる事を期待しよう。
ご都合主義、来い! 今こそ発揮する時だぞ!
異世界だろ! 転移だろ! となればご都合主義だろ!
ホムラを説得して、一緒に元商会の地へ。
既にボガスさんが待っていた。職人を沢山連れて。
掘る気マンマンですね?
「なぁ。ヤバい雰囲気じゃないか?」
「そうだね。だが大丈夫! ホムラが『無理ッス。無いッス』って言えば皆意気消沈するけど収まるから!」
「それって俺が悪者っぽく見えないか?」
「気のせいだ!」
ホムラが嫌そうな顔をしている。
何だよ、文句言うなよ。
昨日の夜、上手いザリガニ料理で手を打ったろ?
「やあやあキョウヤさん。お待ちしていましたよ!
穴掘り職人も手配済みです! さあ、どこを掘りましょうか!」
「い、いえ、掘る前にホムラによる下調べが……」
「ああ、そうでしたね! 敷地内ではなくても出る場所が判れば教えて下さいね! 即買収しますから!」
ボガスさんのやる気が怖い。
そしてホムラの視線が痛い。
頑張れ! 負けるな! 応援してるぞ!
すごーくイヤそうな顔をしながら、ホムラが俺の腕から飛び降りた。
そのまま地面をクンカクンカしながらウロウロする。
その時、俺は気づくべきだったのだ。
ホムラの隠された顔に。
「んんっ?!」
ホムラが変な声をあげる。
いいよ~、そのまま「どこにも源泉は無い」と言ってしまえ!
そのままホムラはゆっくりと俺の方を見る。
その顔は悪巧みをしている顔だった。
口の端を持ち上げ、ニヤリと笑っている。
こ、これは危険な雰囲気!
止めなければ!
俺の静止よりも先にホムラが言葉を放った。
「ここを掘れば良い。キョウヤが言った事が実現するだろう」
シット! オーマイガッ!
こいつ裏切りやがった!
しかも俺が言ったから、みたいな言葉まで付け加えて!
否定したいが、そうすると「何故出ないと分かるのか?」という問いに答えなくてはならない。
更にホムラなら発見出来ると言ったのも俺。
……退路が塞がれている、だと…………?!
「やりましたね、ホムラさん! ありがとうございます!
特別報酬として、貴方には好きな食べ物を差し上げますよ!」
「本当か! 俺は、海の魚が好きなんだ!」
「判りました! 早速昼にでもご馳走致しますよ!」
「やったぜ!」
ホムラは「出る」とウソをつき報酬を貰った。
俺はウソをついたせいで退路を絶たれた。
何だこの差は。差別だ! ズルいぞ! 抗議デモしようか!
俺が何と言って良いか悩んでいる間にも状況は変化していく。
既にその場所を職人が掘り始めているのだ。
手動でまっすぐに掘って降りていって、縄梯子で上がるらしい。
横には手動で空気を送る“ふいご”のような物と布で作ったパイプのような物が用意されてる。
穴の直径は2mくらい。穴の中には2人が入っている。
掘るのは1人のようで、もう1人は掘った土を出す係のようだ。
紐のついた籠のような物も用意されている。深くなったらそれに入れて引き上げるのだろうか。
おっと! のんびり施工状況を見ている場合ではない! 止めなくては!
……わ~、すご~い。もう1mくらい掘ってるよ。
こりゃあ、もう止められないわ。
源泉があって、ぶち当たる事を期待しよう。
ご都合主義、来い! 今こそ発揮する時だぞ!
異世界だろ! 転移だろ! となればご都合主義だろ!
32
お気に入りに追加
339
あなたにおすすめの小説

5歳で前世の記憶が混入してきた --スキルや知識を手に入れましたが、なんで中身入ってるんですか?--
ばふぉりん
ファンタジー
「啞"?!@#&〆々☆¥$€%????」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
五歳の誕生日を迎えた男の子は家族から捨てられた。理由は
「お前は我が家の恥だ!占星の儀で訳の分からないスキルを貰って、しかも使い方がわからない?これ以上お前を育てる義務も義理もないわ!」
この世界では五歳の誕生日に教会で『占星の儀』というスキルを授かることができ、そのスキルによってその後の人生が決まるといっても過言では無い。
剣聖 聖女 影朧といった上位スキルから、剣士 闘士 弓手といった一般的なスキル、そして家事 農耕 牧畜といったもうそれスキルじゃないよね?といったものまで。
そんな中、この五歳児が得たスキルは
□□□□
もはや文字ですら無かった
~~~~~~~~~~~~~~~~~
本文中に顔文字を使用しますので、できれば横読み推奨します。
本作中のいかなる個人・団体名は実在するものとは一切関係ありません。

修学旅行に行くはずが異世界に着いた。〜三種のお買い物スキルで仲間と共に〜
長船凪
ファンタジー
修学旅行へ行く為に荷物を持って、バスの来る学校のグラウンドへ向かう途中、三人の高校生はコンビニに寄った。
コンビニから出た先は、見知らぬ場所、森の中だった。
ここから生き残る為、サバイバルと旅が始まる。
実際の所、そこは異世界だった。
勇者召喚の余波を受けて、異世界へ転移してしまった彼等は、お買い物スキルを得た。
奏が食品。コウタが金物。紗耶香が化粧品。という、三人種類の違うショップスキルを得た。
特殊なお買い物スキルを使い商品を仕入れ、料理を作り、現地の人達と交流し、商人や狩りなどをしながら、少しずつ、異世界に順応しつつ生きていく、三人の物語。
実は時間差クラス転移で、他のクラスメイトも勇者召喚により、異世界に転移していた。
主人公 高校2年 高遠 奏 呼び名 カナデっち。奏。
クラスメイトのギャル 水木 紗耶香 呼び名 サヤ。 紗耶香ちゃん。水木さん。
主人公の幼馴染 片桐 浩太 呼び名 コウタ コータ君
(なろうでも別名義で公開)
タイトル微妙に変更しました。
転生したら死んだことにされました〜女神の使徒なんて聞いてないよ!〜
家具屋ふふみに
ファンタジー
大学生として普通の生活を送っていた望水 静香はある日、信号無視したトラックに轢かれてそうになっていた女性を助けたことで死んでしまった。が、なんか助けた人は神だったらしく、異世界転生することに。
そして、転生したら...「女には荷が重い」という父親の一言で死んだことにされました。なので、自由に生きさせてください...なのに職業が女神の使徒?!そんなの聞いてないよ?!
しっかりしているように見えてたまにミスをする女神から面倒なことを度々押し付けられ、それを与えられた力でなんとか解決していくけど、次から次に問題が起きたり、なにか不穏な動きがあったり...?
ローブ男たちの目的とは?そして、その黒幕とは一体...?
不定期なので、楽しみにお待ち頂ければ嬉しいです。
拙い文章なので、誤字脱字がありましたらすいません。報告して頂ければその都度訂正させていただきます。
小説家になろう様でも公開しております。

劣悪だと言われたハズレ加護の『空間魔法』を、便利だと思っているのは僕だけなのだろうか?
はらくろ
ファンタジー
海と交易で栄えた国を支える貴族家のひとつに、
強くて聡明な父と、優しくて活動的な母の間に生まれ育った少年がいた。
母親似に育った賢く可愛らしい少年は優秀で、将来が楽しみだと言われていたが、
その少年に、突然の困難が立ちはだかる。
理由は、貴族の跡取りとしては公言できないほどの、劣悪な加護を洗礼で授かってしまったから。
一生外へ出られないかもしれない幽閉のような生活を続けるよりも、少年は屋敷を出て行く選択をする。
それでも持ち前の強く非常識なほどの魔力の多さと、負けず嫌いな性格でその困難を乗り越えていく。
そんな少年の物語。

異世界転移しましたが、面倒事に巻き込まれそうな予感しかしないので早めに逃げ出す事にします。
sou
ファンタジー
蕪木高等学校3年1組の生徒40名は突如眩い光に包まれた。
目が覚めた彼らは異世界転移し見知らぬ国、リスランダ王国へと転移していたのだ。
「勇者たちよ…この国を救ってくれ…えっ!一人いなくなった?どこに?」
これは、面倒事を予感した主人公がいち早く逃げ出し、平穏な暮らしを目指す物語。
なろう、カクヨムにも同作を投稿しています。

元勇者パーティーの雑用係だけど、実は最強だった〜無能と罵られ追放されたので、真の実力を隠してスローライフします〜
一ノ瀬 彩音
ファンタジー
元勇者パーティーで雑用係をしていたが、追放されてしまった。
しかし彼は本当は最強でしかも、真の実力を隠していた!
今は辺境の小さな村でひっそりと暮らしている。
そうしていると……?
※第3回HJ小説大賞一次通過作品です!

うっかり『野良犬』を手懐けてしまった底辺男の逆転人生
野良 乃人
ファンタジー
辺境の田舎街に住むエリオは落ちこぼれの底辺冒険者。
普段から無能だの底辺だのと馬鹿にされ、薬草拾いと揶揄されている。
そんなエリオだが、ふとした事がきっかけで『野良犬』を手懐けてしまう。
そこから始まる底辺落ちこぼれエリオの成り上がりストーリー。
そしてこの世界に存在する宝玉がエリオに力を与えてくれる。
うっかり野良犬を手懐けた底辺男。冒険者という枠を超え乱世での逆転人生が始まります。
いずれは王となるのも夢ではないかも!?
◇世界観的に命の価値は軽いです◇
カクヨムでも同タイトルで掲載しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる