異世界で快適な生活するのに自重なんかしてられないだろ?

お子様

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第3章 快適生活へ向けて頑張ろう!

084 これでは脱出出来ません

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ヒョウと猫が帰ってきた。
依頼が書かれた紙には、ちゃんとサインが入っている。
完了時に書いてもらえたようだ。
ボガス商会に行ってブラブラしてるだけで終わったよ。
ありがとう、具現化。

そのままヒョウは、ボガスさんの実家に行ってもらった。
子供が会いたいって言ってたのを思い出したので。
一緒に遊んでてくれ。

ギルドに戻り、完了証を出す。
報酬はいつものように口座に入れてもらった。

いや~、今日も働いたぜ。
ゴメン、ウソです。猫よ、そんな目で見ないで!

猫に謝りつつギルドを出ようとした時、向こうからどこかで見た事のあるヤツがやってきた。
誰だったっ……ああ、思い出した。ハーレム野郎だ。

俺は慌ててギルド内に戻る。
出会うとまた絡まれそうだからね。
隅っこで小さくなっていよう。

「……お前、何してんだ?」
「げぇ! 見つかった!」

何でベルドさんがここに?!

「見つかったって……。そんな格好のヤツはお前しかいないだろうが」
「まぁいいや。丁度良かった! 奥の部屋に入れてくれ!」
「はぁ?! 何事だ?!」
「こないだの奴らがコッチ来るの!」
「こないだ? ……ああ、あいつらか。判った」

さすがハゲマッチョ、理解が早い。

奥の部屋に通してくれたので、世間話でもして時間を潰そうと思う。

「いやぁ、助かった」
「あいつらもさすがにギルド内で絡まないだろ。それにお前なら絡まれても対処出来るだろ」
「出来ますよ? ヒョウを具現化して、全員咥えて外まで運ばせるとか」
「止めろ!」
「だから会わないようにしたんじゃないですか」
「……そうだな。だからこの部屋に通してやったんだ」
「助かります」

そうだ!
あいつらの話を聞いておこう。
出没場所や弱点とか教えてもらえれば、今後対処出来る。

「ところで、あいつらって、どういう奴らなんです?」
「最近頭角を現してきたパーティーだな。全員が若いってのも特徴だ」
「リーダーってどういうヤツなんです?」

教えてもらった内容は、まさにラノベ、いや、マンガの主人公を表現したようなヤツだった。

顔はそこそこ良く、お人好しで女に甘く正義感が強く、自身の思った行動を取れば上手くいく。
彼を慕った者がパーティーに加入するので、女ばかり増えているらしい。
きっとラッキースケベも発動しているだろう。しかも許される。
ギルド内の噂で「受付の女性も彼に気を許しているらしく、贔屓したように良い依頼を回す」とまで言われている。

世の中に喧嘩を売っているような人間だ。
ありえないタイプ。
悪く言えば、優柔不断で八方美人で、自身の倫理観しか信じて無く、何でも上手く行くので世の中をナメてるっぽい。
良い仕事を回されているので、クリア率も高くなるし金持ちにもなっていく好循環を、実力と勘違いしてそう。

マンガとかでは居そうな人物だが、実際に居るとウザいな。
関わるとコッチが損するタイプだね。

「アレは俺が、ギルドにちゃんと提出したから安心しろ」
「受付は?」
「通してない。直接ギルドマスターに出した」
「それなら安心です」

そんな噂がある受付に渡したら握りつぶされる可能性もあるからね。

「話が聞けて安心しました。じゃあ帰ります」
「……そう言いながら窓に向かうのは何故だ」
「だってこの部屋、扉がそこしか無いじゃないですか。
 その扉開けると、ギルド内が丸見えじゃないですか。じゃあ窓から帰るしかないでしょ」
「窓にハマってる鉄格子をどうするつもりだ?」
「えっ?! ああっ! 本当だ! ヒドい!」

なんという事でしょう。
これでは脱出出来ません。

「鉄格子を壊すのと、壁をぶち抜くのと、どっちが良いですか?」
「アホか! 正面から帰れ!」
「えー、だってー、アレがー、居るからー、面倒だしー」
「鬱陶しい喋り方も止めろ! 俺が一緒に出てやるから、それで我慢しろ」

付き添われるほど、年寄りじゃないんですけどね。
まぁ、ここは好意に甘えておこう。
見つかった場合、ちゃんと防波堤になってくださいよ?
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