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第3章 快適生活へ向けて頑張ろう!
058 一生懸命切ります
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「勉強になりました。ありがとうございます」
「いや、問題を起こされる前に知ってもらえて良かった。
ところで、東に進んだ所にある場所へ採取をしに、依頼を受けて行くと言ってたな」
「あっ、はい。そうですけど」
「何を取りに行くのか聞いても?」
「別に秘密にしてないので良いですよ。というか、場所が判れば教えて欲しいくらいです」
「知っている場所なら教えよう」
「ありがとうございます。
東に向かうと大きな川に囲まれた森があるそうで。
そこでトリュフを採ってくるように、って依頼です」
「マジかっ?!」
めっちゃ驚かれた。
トリュフが高級品だからとしても、この驚きは変だ。
ちょっと、事情を詳しく。
「あそこは『クラップ』の生息地だぞ?!」
「あっ、それ聞きました。糸出すんですよね。その糸も持って帰ろうと思ってます」
「のんきかっ!! どうやって倒すつもりだ?!」
「へ? いや、足とか切れば動けなくなるでしょ」
「どうやって足を切るんだ? あんなに硬いのに」
蜘蛛の足なんか、簡単に切れるでしょ。
硬いの? まぁダメージ受けないんだから、時間かけて切りつけてれば、いつか切り落とせるでしょ。
「えっと、一生懸命切ります」
「……そんな切れ味の武器を持っているように見えないんだが」
「…………さっきのクマに持たせてます。街中に持ち込まない方が良いと思いまして」
「そ、そうか」
咄嗟にウソついたけど、信じてもらえたかな?
ま、沢山入るアイテムボックス袋に入れてます、って言うよりは真実味があるでしょ。
信じずに身体検査しても出てこないんだから、同じ事だ。
「そう言えば、クマを従えてたな。アレらと協力して戦えば倒せる……のか?」
「他にも従えている動物が居るので、大丈夫ですよ」
「そうなのか?! ま、まぁ、信用しよう。依頼を出されるくらいなんだからな。無茶はするなよ?」
「しませんよ」
無茶なんかしませんって。
だから街に入るにあたって、この合羽も脱ぎません。レースを上げるだけで許して下さい。
「その依頼のついでで良いから頼みがある」
「なんでしょ?」
「その森の周囲の川にワカメと呼ばれる水草が生えている。帰りに回収してきてくれないか?」
「……どんな植物です?」
特徴を聞くと、それは地球のワカメと同じだった。
ここは一緒なのかよっ!
「ワカメをどうするんです?」
「食料にもなるしスープにも使える。が、なによりも薬になる」
へ~。ワカメが薬になるのか。
「判りました。大量に採ってきますね」
「い、いや、大量には要らないぞ? 買うにも限度がある」
「余った分は、自分で使ったり帝都で売ったりします」
「そ、そうか。だが、あまり鮮度が落ちたら売れないぞ?」
「足の速い動物に運んでもらいますよ」
「なるほど、そういう手があるのか。なら頼む」
「了解で~す」
儲け話も出来たし、情報ももらった。
街には寄るべきだね。
「その森だが、この門の反対側から伸びている街道を2日程進むと見えてくる。
赤い橋がかかっている川だからすぐに判ると思う」
「赤い橋ですね。覚えました」
「橋から見て右側に森はある。その付近は危険だから村も街も無いからな。
と言うか、この街以降は橋まで無い。橋を渡っても次の街までは3日かかる」
ふむふむ。
危険と言われてる所に村とか作らんわな。
城壁でもあれば別かも知れないけど、作ってる間に襲われたら意味が無い。
逆に言えば、危険な場所だから盗賊の類も出て来ないだろう。
通る者も急いでいるだろうし、そもそも待ち伏せしようとしてたらモンスターに狙われる。
同じ戦うにしても、人間の方が面倒なんだよね。
計画的に戦ってくるし、なにより俺が傷つけられない。
異世界に行った主人公達の、思考の切り替えの速さには驚くわ。
高校生くらいまで日本で住んでたら、人を傷つけるなんて理性が邪魔して無理。
異世界に行く時にこっそり洗脳されてるのかもね。
もしそうなら、その神って怖いな~。
手違いで死んだとか言い、主人公には異世界で自由に生きていいとか言う。
そしてチートを渡すふりをして主人公に触れ、こっそり陰で洗脳……。
絶対何か企んでる!! 全部決めて行動してるわ。
その為なら土下座でも何でもやる。うん、ホラーだね。
……俺も何か仕込まれてるのだろうか?
怖いから、考えるのは止めよう。どうせ抵抗なんか出来ないし。
そんな事よりも、ワカメの事を考えよう。
和食の第一歩だね。後は、米と醤油と味噌と鰹節と……あれ?
すげぇ沢山必要じゃない? こりゃ当分無理だな。
それに、何もかも無いと勝手に思ってたけど、普通に流通してるかもしれない。
帰ったらボガスさんに聞いてみよう。
「いや、問題を起こされる前に知ってもらえて良かった。
ところで、東に進んだ所にある場所へ採取をしに、依頼を受けて行くと言ってたな」
「あっ、はい。そうですけど」
「何を取りに行くのか聞いても?」
「別に秘密にしてないので良いですよ。というか、場所が判れば教えて欲しいくらいです」
「知っている場所なら教えよう」
「ありがとうございます。
東に向かうと大きな川に囲まれた森があるそうで。
そこでトリュフを採ってくるように、って依頼です」
「マジかっ?!」
めっちゃ驚かれた。
トリュフが高級品だからとしても、この驚きは変だ。
ちょっと、事情を詳しく。
「あそこは『クラップ』の生息地だぞ?!」
「あっ、それ聞きました。糸出すんですよね。その糸も持って帰ろうと思ってます」
「のんきかっ!! どうやって倒すつもりだ?!」
「へ? いや、足とか切れば動けなくなるでしょ」
「どうやって足を切るんだ? あんなに硬いのに」
蜘蛛の足なんか、簡単に切れるでしょ。
硬いの? まぁダメージ受けないんだから、時間かけて切りつけてれば、いつか切り落とせるでしょ。
「えっと、一生懸命切ります」
「……そんな切れ味の武器を持っているように見えないんだが」
「…………さっきのクマに持たせてます。街中に持ち込まない方が良いと思いまして」
「そ、そうか」
咄嗟にウソついたけど、信じてもらえたかな?
ま、沢山入るアイテムボックス袋に入れてます、って言うよりは真実味があるでしょ。
信じずに身体検査しても出てこないんだから、同じ事だ。
「そう言えば、クマを従えてたな。アレらと協力して戦えば倒せる……のか?」
「他にも従えている動物が居るので、大丈夫ですよ」
「そうなのか?! ま、まぁ、信用しよう。依頼を出されるくらいなんだからな。無茶はするなよ?」
「しませんよ」
無茶なんかしませんって。
だから街に入るにあたって、この合羽も脱ぎません。レースを上げるだけで許して下さい。
「その依頼のついでで良いから頼みがある」
「なんでしょ?」
「その森の周囲の川にワカメと呼ばれる水草が生えている。帰りに回収してきてくれないか?」
「……どんな植物です?」
特徴を聞くと、それは地球のワカメと同じだった。
ここは一緒なのかよっ!
「ワカメをどうするんです?」
「食料にもなるしスープにも使える。が、なによりも薬になる」
へ~。ワカメが薬になるのか。
「判りました。大量に採ってきますね」
「い、いや、大量には要らないぞ? 買うにも限度がある」
「余った分は、自分で使ったり帝都で売ったりします」
「そ、そうか。だが、あまり鮮度が落ちたら売れないぞ?」
「足の速い動物に運んでもらいますよ」
「なるほど、そういう手があるのか。なら頼む」
「了解で~す」
儲け話も出来たし、情報ももらった。
街には寄るべきだね。
「その森だが、この門の反対側から伸びている街道を2日程進むと見えてくる。
赤い橋がかかっている川だからすぐに判ると思う」
「赤い橋ですね。覚えました」
「橋から見て右側に森はある。その付近は危険だから村も街も無いからな。
と言うか、この街以降は橋まで無い。橋を渡っても次の街までは3日かかる」
ふむふむ。
危険と言われてる所に村とか作らんわな。
城壁でもあれば別かも知れないけど、作ってる間に襲われたら意味が無い。
逆に言えば、危険な場所だから盗賊の類も出て来ないだろう。
通る者も急いでいるだろうし、そもそも待ち伏せしようとしてたらモンスターに狙われる。
同じ戦うにしても、人間の方が面倒なんだよね。
計画的に戦ってくるし、なにより俺が傷つけられない。
異世界に行った主人公達の、思考の切り替えの速さには驚くわ。
高校生くらいまで日本で住んでたら、人を傷つけるなんて理性が邪魔して無理。
異世界に行く時にこっそり洗脳されてるのかもね。
もしそうなら、その神って怖いな~。
手違いで死んだとか言い、主人公には異世界で自由に生きていいとか言う。
そしてチートを渡すふりをして主人公に触れ、こっそり陰で洗脳……。
絶対何か企んでる!! 全部決めて行動してるわ。
その為なら土下座でも何でもやる。うん、ホラーだね。
……俺も何か仕込まれてるのだろうか?
怖いから、考えるのは止めよう。どうせ抵抗なんか出来ないし。
そんな事よりも、ワカメの事を考えよう。
和食の第一歩だね。後は、米と醤油と味噌と鰹節と……あれ?
すげぇ沢山必要じゃない? こりゃ当分無理だな。
それに、何もかも無いと勝手に思ってたけど、普通に流通してるかもしれない。
帰ったらボガスさんに聞いてみよう。
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