異世界で快適な生活するのに自重なんかしてられないだろ?

お子様

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第2章 チートになれたので自重しません

049 やだな~、怖いな~

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以下から本編です。

※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※


遊び疲れたのか、3時くらいには子供達が寝てしまった。
丁度良いので、それを機会にクマとインコを連れて商会に行く。

そこには既に檻が持ち込まれていて、作成したと思われる職人さんがボガスさんと共に居た。
俺が指定した位置に穴を開けて部品を取り付けてくれた。クマにビビりながら。

完成した檻をクマに左右に開かせてみる。
簡単に開いて通れるようになるなら、使用する場所とか考えなきゃいけないからね。

だが、クマの力ではびくともしなかった。
デフォルメのクマだから力が弱いかもしれないけど。

アイテムボックス風の袋に入るか心配だったけど、スルッと入った。
内部がどうなってるか気にはなる。
自動的に整理されているのか、それとも容量計算なのか。

「これからどうなさるおつもりですか?」
「街中で食事はします。寝るのは街の外かな?
 とりあえずは狩りや採取をしてお金を稼ぐつもりです」
「なるほどなるほど。では当商会もキャラバンを出しましょうか」
「はい?」
「貴方が狩りや採取に行く日は夕方にキャラバンを出します。そこに持ち込んでください。
 キャラバンと言っても、空荷の馬車と目利きの者と護衛の者が居るだけですけど。
 勿論強制ではありませんので、他の商会や冒険者ギルドに売られるのも自由です」

つまり出張買い取り所が来るって事か。
それは便利だ。街中に具現化した動物を連れて入るなと言われたし。
ってか、今まで無かったのが不思議なくらいだね。
冒険者とかが狩った物とか街中に持ち込んでたのだろうか?

「そこまでしてもらえるなら、売らせてもらいますよ。
 なんなら、リクエストも受け付けますよ?」
「それは助かります。考えておきますね」
「じゃあ狩りに行く日は、朝、ここに来ますよ。って朝だとまだ営業時間外か……」
「それなら入り口の所に旗立を用意します。
 行かれる場合は、それに横に置いてある旗を差してもらえれば」

なるほど。
汲み取りの仕組みと一緒か。
って、今の若い人は知らないだろうな。
汲み取り便所って満タンになってきたと思ったら、家の前に旗を出すんだよ。
そうすると汲み取り屋がバキュームカーで来る仕組みになってた。
何故俺が知ってるかって? 実家が下水も来てない程の田舎だったからだよ。

こうしてボガスさんとの話し合いも終わり、俺は街の外に移動した。


その日からの俺のルーティーンはこれ。

★狩りに行く日
朝、街に入り朝飯。ボガス商会に行き、旗を立てる。
外に出てサルを具現化。狩り開始。
サルが倒してもレベルが上がらない事実が判明した。
俺のレベル上げも兼ねて、夕方までは止め刺しに専念。
夕方、ボガス商会のキャラバンにその日の成果を渡す。
その時に前回の代金を受取る。

★狩りをしない日
1.街の散策。食べ歩き。
2.ボガスさんの家に招待されて子供と遊ぶ。
3.ギルドに行って、丁度良い依頼が無いか聞く。
4.帝都の周囲をピクニック。
これらのどれかをやってる。

そしてギルドとの約束の15日が過ぎた。
ここまで襲撃等は無かったんだけど、とうとうやってきた。国が。

「お前がキョウヤだな。皇帝陛下がお呼びだ。ついて来い」

武装した兵士50人くらいを引き連れて、強そうな貴族風の人が巻物を読み上げてる。
ボガスさんの言ってた事が現実になったじゃん。やだな~、怖いな~。

断りたいのだが、面倒な事になるのは判ってる。
それにトップと話せるのは悪い事じゃない。上手く交渉すれば良い結果になるだろう。
って事で、ついて行く事にした。

行く際に手錠をかけようとしたので、断固拒否。
「抵抗するか!」と騒いでたけど、無視して城に向かって歩く。
城はちょっとした山の上にあるので、すぐに判るのだ。アレに行けば良いんでしょ?
なんか殴られてるような気もするが、痛くも痒くもないので無視して進む。

「……行く先を邪魔されたら進めませんけど?」

とうとう兵士が俺を取り囲みやがった。

「貴様が抵抗するからだ」
「抵抗してないでしょ。誰が見ても無抵抗ですよ」
「調子に乗るなよ? 庶民風情が」
「その言葉、まるっとお返ししますよ。調子に乗るなよ、貴族風情が」

貴族かどうかは知らんけどね。

俺はしゃがみこんで、合羽の中でリアルクマを具現化する。3体ほど。
注釈には「俺の行く手を遮るモノは排除せよ。殺さないようにね」と書く。

即座に兵士とクマとのバトルが始まった。
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