異世界で快適な生活するのに自重なんかしてられないだろ?

お子様

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第2章 チートになれたので自重しません

042 それは言わない約束だろおとっつぁん

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稼いだ金で家を買おうかと相場を聞いてみたけど、全然足りなかった。
よく考えてみれば、日本でも土地込みで買えば田舎でも最低1千万はする。
東京のような都会の場合、3千万以上するはずだ。
ここも帝都。都会だ。安い訳が無い。

なので同じようにサルを具現化して稼ごうと思ったら、ギルドマスターに止められた。

「止めて! 少なくとも10日は待って!」
「何でですか?」
「お金が無いです」

つまり、俺が持って帰った物を販売しないと現金が無いらしい。
ギルドにだって無尽蔵に金がある訳じゃないので、ある程度の現金が無いとダメ。
依頼完了時に払う金も必要なんだから。

「判りました。じゃあ10日後に」
「……出来れば15日後でどうですか?」
「…………じゃあ15日後に」

俺の大事な販売先だ。
無理を言わないようにしよう。

それだけ話してギルドを後にする。

しかし、15日間も何もしないのはヒマだな。
素材集めも描いたらヒマだろって? それは言わない約束だろおとっつぁん。

あっ、そうだ!
あの商人の所に行ってみよう!

「俺が出会った商人さんって、何商会でしたっけ?」
「知る訳ないだろ?」

監視員の人に聞いたけど、知らないと言われた。当たり前か。
逆に知ってたら怖いわ。

え~と……思い出せない。

「結構大きい商会で、トップの人が冒険者してるんですけど。知りません?」
「ボガス商会か?」
「あっ、多分それです! 場所判ります?」
「知らない者の方が少ないだろう」

そんなにデカイ商会なのか。

「案内をお願いします」
「……俺は監視員で、案内人では無いんだがな!」
「俺が目的地が分からずウロウロするのに付いて歩きます? 面倒でしょ?
 それに商会での用事が終われば帰りますよ?」
「……」
「案内してくれたら謝礼を払うとか、賄賂みたいな事を言ってる訳じゃないですし。
 案内したって良くないですか?」
「…………判った。付いてこい」

まぁそこら辺で聞き込みしても良かったんだけどね。


10分程で到着した。
うん。ある意味知ってる人は多そうだわ。
まず、店がデカイ。貴族の屋敷かな?と思う程デカイ。地方にある平屋のホームセンター並だ。
次にドラゴンっぽい看板。東洋のドラゴンじゃなくて西洋のドラゴン。
大阪にあるカニの看板並のデカさ。目立つ。これが屋根に乗ってる。
ドラゴンに襲われてるんじゃない?って勘違いしそう。
最後に敷地。駐車場完備かよっ!って言いたくなるくらい、広い土地がある。
どうやら馬車の発着所らしいけど。屋台まで出てるくらいの敷地。

驚いててもアレなので、中に入る。
おおっ! 本当にホームセンターみたいだわ。

関心してたら、入り口に居た兵士のような格好の人に止められた。

「もしかしてキョウヤさんでしょうか?」
「は、はい。そうですけど。どこかでお会いしました?」
「いえ。私はここの警備員です。オーナーに言われていまして」
「よく俺って判りましたね」
「怪しい格好の人が来るかもしれない。その人がキョウヤさんなら入店を許可するように。と言われております」

そうだった。
自分の事だから忘れがちになるけど、怪しい格好をしてるんだった。

「少しだけここでお待ち頂けますか? 案内人を呼んできますので」
「あっ、お願いします」

お手数かけてすみませんね。
こんな怪しいヤツが店内をウロウロしてたら、間違いなく犯罪をすると思われますよね?
案内人、つけてください。お願いします。
そ、それにさ、これだけ広いと、どこに何があるか分からないし!
そう! その為につけてもらうんだよ! そうなんだよ! 悪いスライムじゃないよ!

連れて来られた案内人は、まさかのオーナーさんでした。
ボガスさん、ヒマなの?

「キョウヤさんのような、何かをしそうな人はチェックしてますから!」

嗅覚と商売根性すげぇな!
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