上 下
40 / 200
第2章 チートになれたので自重しません

040 断る前提かよっ!

しおりを挟む
39話の万能鍵の部分が説明不足だったので修正しました。
お詫びも兼ねて、本日2話目投稿です。


以下、本編です。

※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※

俺はのそのそとテントから出る。

「何スか?」
「何だじゃないだろ! 中ではテントを張ってるし、外には変な生き物が居て入れないし!
 何なんだ、お前は!!」
「だから言ったじゃないですか。色々入る袋を持ってるって。生き物も召喚出来るって」
「言ったけども!! 信じるヤツいないだろ!!」
「信じたでしょ?」
「信じたよ! 証言も取れたしな!!」

ギルドの職員からの聞き込みも終わったようだ。
じゃあ釈放かな?

「お前を襲った奴らの証言も取れた」
「じゃあ、俺の無実も証明されましたね。出ても良いですよね?」
「いや、まだだ」

え? 何で?
俺、無実だよ?

「お前に会いたいという貴族の方がおられる。
 どこかに行かれても困るので、来られるまでは逗留してもらう」
「それって不当じゃないですか?」
「貴族には逆らえん」
「え~~~……」

これだから貴族は。

「どうせアレでしょ? 仕えろとか、沢山入る袋よこせとか、生き物召喚しろとかでしょ?」
「さあ、知らん」
「全部断るんだから、居なくても一緒ですよ?」
「断る前提かよっ!」
「断りますよ。受ける必要が無いでしょ」
「貴族に仕えるのは名誉だぞ。給料も良い。袋や生き物を売れば遊んで暮らせるかもしれんぞ」
「名誉なんて1トルにもならないので不要です。物は売らなくても自力で稼げるので」

名誉なんかあったって、何の役にも立たない。
国に仕えてれば、名誉を得られれば給料が上がるかもしれないけどね。
一般人の場合、名誉があったら年金でも貰えるのか?

「そんな事よりも、俺を襲った黒幕は判りましたか?」
「……それを聞いてどうする? 復讐でもする気か?」
「まぁ、そうですね」
「それを聞いて教えると思うか?」

そりゃそうだ。
面倒事になるのが判ってるのに言う訳が無いよな。

「ならそちらで対処してくれます?」
「帝都でもかなりの大手の商館だった。注意くらいしか出来ないだろう……」
「何もしてくれないなら、俺がやるしか無いですよね?」
「やるな、って言ってんだ!」
「いやいや、手出ししたら痛い目を見るって教えないと、今後も出てきますから」
「我々が注意する!」
「聞くようなら街中で襲って来ないでしょ。なめられてますよ?
 俺がやりますって。知らないフリをすれば良いんですよ」
「……無理だ」

う~ん、どうしたら教えてくれるだろうか?
真面目な少佐を困らせたくはないんだけどなぁ。
襲撃すれば、どっちにしろ困らせるか。じゃあいいや。俺の平穏の為だ。

「教えてくれないなら、帝都にある商館を片っ端から襲いますよ?」
「そんな事をして無事に済むと思ってるのか?」
「思ってますよ?」
「良くて投獄、悪くて死刑だぞ?」
「どちらも無理ですね」
「既に投獄されているのにか?」
「いや、いつでも出られますし」
「は?」
「出る方法なんかいくらでもありますよ。
 壁を壊すとか、その生き物を牢屋の外に召喚して鍵を持ってこさせるとか、俺が鍵を開けるとか」
「魔法封じの牢だぞ?! ……だが既に召喚してるな。鍵が開けられる??」

少佐は混乱している!

目の前でやってあげた方が良いかな?

俺は万能鍵で牢屋の鍵を開ける。
そのままサルを護衛にして外に出る。

「ほらね? 出たついでにトイレに行こうかな。あっ、場所は判ってるのでついて来ないでも良いです。
 心配しなくても戻ってきますって。テントもあるし」
「…………頭痛がしてきた」

少佐、頭痛ですか?

「薬要ります?」
「お前のせいだっつーの!!」
しおりを挟む
感想 35

あなたにおすすめの小説

修学旅行に行くはずが異世界に着いた。〜三種のお買い物スキルで仲間と共に〜

長船凪
ファンタジー
修学旅行へ行く為に荷物を持って、バスの来る学校のグラウンドへ向かう途中、三人の高校生はコンビニに寄った。 コンビニから出た先は、見知らぬ場所、森の中だった。 ここから生き残る為、サバイバルと旅が始まる。 実際の所、そこは異世界だった。 勇者召喚の余波を受けて、異世界へ転移してしまった彼等は、お買い物スキルを得た。 奏が食品。コウタが金物。紗耶香が化粧品。という、三人種類の違うショップスキルを得た。 特殊なお買い物スキルを使い商品を仕入れ、料理を作り、現地の人達と交流し、商人や狩りなどをしながら、少しずつ、異世界に順応しつつ生きていく、三人の物語。 実は時間差クラス転移で、他のクラスメイトも勇者召喚により、異世界に転移していた。 主人公 高校2年     高遠 奏    呼び名 カナデっち。奏。 クラスメイトのギャル   水木 紗耶香  呼び名 サヤ。 紗耶香ちゃん。水木さん。  主人公の幼馴染      片桐 浩太   呼び名 コウタ コータ君 (なろうでも別名義で公開) タイトル微妙に変更しました。

5歳で前世の記憶が混入してきた  --スキルや知識を手に入れましたが、なんで中身入ってるんですか?--

ばふぉりん
ファンタジー
 「啞"?!@#&〆々☆¥$€%????」   〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜  五歳の誕生日を迎えた男の子は家族から捨てられた。理由は 「お前は我が家の恥だ!占星の儀で訳の分からないスキルを貰って、しかも使い方がわからない?これ以上お前を育てる義務も義理もないわ!」    この世界では五歳の誕生日に教会で『占星の儀』というスキルを授かることができ、そのスキルによってその後の人生が決まるといっても過言では無い。  剣聖 聖女 影朧といった上位スキルから、剣士 闘士 弓手といった一般的なスキル、そして家事 農耕 牧畜といったもうそれスキルじゃないよね?といったものまで。  そんな中、この五歳児が得たスキルは  □□□□  もはや文字ですら無かった ~~~~~~~~~~~~~~~~~  本文中に顔文字を使用しますので、できれば横読み推奨します。  本作中のいかなる個人・団体名は実在するものとは一切関係ありません。  

転生先ではゆっくりと生きたい

ひつじ
ファンタジー
勉強を頑張っても、仕事を頑張っても誰からも愛されなかったし必要とされなかった藤田明彦。 事故で死んだ明彦が出会ったのは…… 転生先では愛されたいし必要とされたい。明彦改めソラはこの広い空を見ながらゆっくりと生きることを決めた 小説家になろうでも連載中です。 なろうの方が話数が多いです。 https://ncode.syosetu.com/n8964gh/

クラス転移から逃げ出したイジメられっ子、女神に頼まれ渋々異世界転移するが職業[逃亡者]が無能だと処刑される

こたろう文庫
ファンタジー
日頃からいじめにあっていた影宮 灰人は授業中に突如現れた転移陣によってクラスごと転移されそうになるが、咄嗟の機転により転移を一人だけ回避することに成功する。しかし女神の説得?により結局異世界転移するが、転移先の国王から職業[逃亡者]が無能という理由にて処刑されることになる 初執筆作品になりますので日本語などおかしい部分があるかと思いますが、温かい目で読んで頂き、少しでも面白いと思って頂ければ幸いです。 なろう・カクヨム・アルファポリスにて公開しています こちらの作品も宜しければお願いします [イラついた俺は強奪スキルで神からスキルを奪うことにしました。神の力で学園最強に・・・]

異世界あるある 転生物語  たった一つのスキルで無双する!え?【土魔法】じゃなくって【土】スキル?

よっしぃ
ファンタジー
農民が土魔法を使って何が悪い?異世界あるある?前世の謎知識で無双する! 土砂 剛史(どしゃ つよし)24歳、独身。自宅のパソコンでネットをしていた所、突然轟音がしたと思うと窓が破壊され何かがぶつかってきた。 自宅付近で高所作業車が電線付近を作業中、トラックが高所作業車に突っ込み運悪く剛史の部屋に高所作業車のアームの先端がぶつかり、そのまま窓から剛史に一直線。 『あ、やべ!』 そして・・・・ 【あれ?ここは何処だ?】 気が付けば真っ白な世界。 気を失ったのか?だがなんか聞こえた気がしたんだが何だったんだ? ・・・・ ・・・ ・・ ・ 【ふう・・・・何とか間に合ったか。たった一つのスキルか・・・・しかもあ奴の元の名からすれば土関連になりそうじゃが。済まぬが異世界あるあるのチートはない。】 こうして剛史は新た生を異世界で受けた。 そして何も思い出す事なく10歳に。 そしてこの世界は10歳でスキルを確認する。 スキルによって一生が決まるからだ。 最低1、最高でも10。平均すると概ね5。 そんな中剛史はたった1しかスキルがなかった。 しかも土木魔法と揶揄される【土魔法】のみ、と思い込んでいたが【土魔法】ですらない【土】スキルと言う謎スキルだった。 そんな中頑張って開拓を手伝っていたらどうやら領主の意に添わなかったようで ゴウツク領主によって領地を追放されてしまう。 追放先でも土魔法は土木魔法とバカにされる。 だがここで剛史は前世の記憶を徐々に取り戻す。 『土魔法を土木魔法ってバカにすんなよ?異世界あるあるな前世の謎知識で無双する!』 不屈の精神で土魔法を極めていく剛史。 そしてそんな剛史に同じような境遇の人々が集い、やがて大きなうねりとなってこの世界を席巻していく。 その中には同じく一つスキルしか得られず、公爵家や侯爵家を追放された令嬢も。 前世の記憶を活用しつつ、やがて土木魔法と揶揄されていた土魔法を世界一のスキルに押し上げていく。 但し剛史のスキルは【土魔法】ですらない【土】スキル。 転生時にチートはなかったと思われたが、努力の末にチートと言われるほどスキルを活用していく事になる。 これは所持スキルの少なさから世間から見放された人々が集い、ギルド『ワンチャンス』を結成、努力の末に世界一と言われる事となる物語・・・・だよな? 何故か追放された公爵令嬢や他の貴族の令嬢が集まってくるんだが? 俺は農家の4男だぞ?

転生したら死んだことにされました〜女神の使徒なんて聞いてないよ!〜

家具屋ふふみに
ファンタジー
大学生として普通の生活を送っていた望水 静香はある日、信号無視したトラックに轢かれてそうになっていた女性を助けたことで死んでしまった。が、なんか助けた人は神だったらしく、異世界転生することに。 そして、転生したら...「女には荷が重い」という父親の一言で死んだことにされました。なので、自由に生きさせてください...なのに職業が女神の使徒?!そんなの聞いてないよ?! しっかりしているように見えてたまにミスをする女神から面倒なことを度々押し付けられ、それを与えられた力でなんとか解決していくけど、次から次に問題が起きたり、なにか不穏な動きがあったり...? ローブ男たちの目的とは?そして、その黒幕とは一体...? 不定期なので、楽しみにお待ち頂ければ嬉しいです。 拙い文章なので、誤字脱字がありましたらすいません。報告して頂ければその都度訂正させていただきます。 小説家になろう様でも公開しております。

異世界転移しましたが、面倒事に巻き込まれそうな予感しかしないので早めに逃げ出す事にします。

sou
ファンタジー
蕪木高等学校3年1組の生徒40名は突如眩い光に包まれた。 目が覚めた彼らは異世界転移し見知らぬ国、リスランダ王国へと転移していたのだ。 「勇者たちよ…この国を救ってくれ…えっ!一人いなくなった?どこに?」 これは、面倒事を予感した主人公がいち早く逃げ出し、平穏な暮らしを目指す物語。 なろう、カクヨムにも同作を投稿しています。

加護とスキルでチートな異世界生活

どど
ファンタジー
高校1年生の新崎 玲緒(にいざき れお)が学校からの帰宅中にトラックに跳ねられる!? 目を覚ますと真っ白い世界にいた! そこにやってきた神様に転生か消滅するかの2択に迫られ転生する! そんな玲緒のチートな異世界生活が始まる 初めての作品なので誤字脱字、ストーリーぐだぐだが多々あると思いますが気に入って頂けると幸いです ノベルバ様にも公開しております。 ※キャラの名前や街の名前は基本的に私が思いついたやつなので特に意味はありません

処理中です...