異世界で快適な生活するのに自重なんかしてられないだろ?

お子様

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第1章 早くチートになりた~い

018 ピョンちゃんとは二度と会えなくても良いと

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無理矢理ビーゼルさんを部屋から追い出した翌日。

俺は脅迫をする事にした。

「ビーゼルさん、ウサギ、いやピョンちゃんに会いたいですか?」
「もももももも勿論だとも!」
「では経験値が稼げる獣やモンスターを連れてきて、俺にとどめを刺させてください。大量に」
「危険じゃないですか?」
「そうですか。ピョンちゃんとは二度と会えなくても良いと」
「任せたまえ!!」

やったぜ!
そのままチラッとエイさんを見る。

「ん~、まぁ、いいか。俺も協力してやるよ。何か企んでんだろ?」
「まぁ、そうです」
「面白そうだからな。後でちゃんと説明しろよ?」
「了解です」

エイさんの協力も取り付けた。
これで危険度も減ったね!


さて、徹夜で描いた俺の自画像。
役に立ってくれよ~。
スケジュール帳の1ページの中央に俺の全身自画像を描き、空いたスペースに注釈を書きまくったんだから。
後は著作権マークを書くだけにしてある。

まだ書いてないのには理由があって。
これだけ沢山付与したら、効果時間が短いんじゃないかな?と思ったからだ。
なのでとどめを刺す前に書き込もうと考えている。


俺はデフォルメイノシシに乗って移動したが、エイさんが並走してた。
レベル上がるとそんな事も出来るのだろうか?
肝心のビーゼルさんだが、既に姿は無い。
凄い勢いで街に走って戻り、その後森の方へ走り去ったからだ。
エイさん曰く、どうやら経験値が多いと噂になっている獣を捕まえに行ったらしい。
メタルでバブルなスライムかな?
街に戻ったのは、それを捕まえる為の装備を取りに行ったようだ。



待機中の俺とエイさんは、川の上流にやってきた。
今日は川に居る物を描けば良いとの事。
目当ての獣も川沿いの森に居る事が多いので、一石二鳥という事らしい。

「捕れたぞ。この魚がイワ。喉に赤色があるのが特徴だ。塩焼きがうめーぞ」
「こういう石の下に居るのが……ほらコイツ。これがササムシ。釣り餌になる」
「アレは石に見えるけど、ロックカメっていうモンスターな。六角形だからわかりやすい」

エイさんの捕まえてくる物を描いてから殺す。
エイさんの説明って、大雑把だけど分かりやすいんだよね。

簡易なかまどを作り、火を炊いて昼飯の準備をしていると、ビーゼルさんが戻ってきた。
手には木で作られた50cm角くらいの箱。ガタガタ言ってんですけど?

「捕獲しましたよ! なんと3匹も!!」
「3匹もかよ! どうやったんだ?」
「こいつらは血の匂いが好きですからね。自分を切って血を撒き散らしました。
 あっ、目的外の獣は瀕死にして木に縛ってありますから、後で倒しに行きましょうね?」

血を流しながらにこやかに放すビーゼルさん。
…………怖いよ!! 治療しようよ!!

「さ、さ、早くとどめを」
「いやいや、それよりも治療が先でしょう?!」
「ははは、これくらいかすり傷ですよ」
「かすり傷?! どちらかと言えば致命傷に見えますけど?!」

肩、腕、足、あちこちから血が流れている。
出てないのは首と額くらいだろうか?
どれだけ自分で傷つけたんだよ! それとも戦闘で傷ついたのか?!

「治療! 治療ですって!」
「これは新鮮な血に反応するんですよ。
 それでですね、反応している時は経験値が多いと言われています。
 だから治療よりも、と・ど・め。これです」

やらなきゃ治療もさせないという頑固な意思を感じる。
やります、やりますとも!
変な事、頼んでゴメンナサイ!!

俺は腕を出して、左腕に著作権マークを書き入れた。
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