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第1章 早くチートになりた~い
004 身分証の無い田舎から来た
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作戦はなんとか成功した。
熊も戦った後だし、取りやすい獲物を狙いたかったのだろう。
頑張って追いかけてくれた。
しかし、味はどうなんだろうか? 美味しかったのかな?
鉛筆でスケジュール帳に描いたから、鉛筆の味とか紙の味だったらガッカリじゃない?
魔力に余裕が出来たら、一度食べ物を描いて実食してみよう。
周囲の警戒をしながら、川沿いを下ってると橋発見!
木製の橋だけど、これで少なくとも橋が作れる程の文明と種族が居る事が判明した!
橋から伸びる道は、川沿いに伸びていて、このまま進めばどこかの街か村に着くだろう。
道には轍もあるので、乗り物もあるようだ。
出来れば線路もあればいいな。それくらいまで文明が発達してて欲しい。
まぁ、ラノベの挿絵を描いてた経験からすると、中世ヨーロッパだろうけど。
もう周囲が暗くて見えなくなる頃、やっと街に到着した。
……うん。想像してたよ。塀で囲まれていて、門が閉まってる事ってさ!
門番も居るし、よく見れば塀の上にも人が立ってる。
松明も焚かれていて、近づいたらすぐにバレるだろうなぁ。
どうしたものか。
描いてたラノベでは「身分証の無い田舎から来た」とか言えば入れてもらえるんだけど。
通用するか? 服装も明らかに怪しいし。武器防具も持ってない。
商売で来たとしても、商品を持ってない。
「商隊で来たけど、獣に襲われて逃げてきた」ってのはどうだ?
……ダメだ。どの辺だ案内しろと言われたら詰む。
熊の時のようにウサギ作戦は?
……1日の使用量オーバーだったわ。
それに増援されたら侵入不可能だ。
買収?
その金は? 現金無しで異世界に送るのは止めてもらいたいよね。
現状、金無し・武器無し・防具無し・商品無し・身分を証明するもの無し。無し無しですよ。
万が一クソ優しい人で、入れてくれるとしても、もし鑑定されたら終わる。
大人でGだらけなんて、怪しさMAX!
実は考えないようにしてたけど、成功率が高い方法はある。
単純な事で、朝を待つだけ。
門は開くだろうし、人も出入りするだろう。
では何故その方法を選ばないか。
これも単純で、、、貴方は見ず知らずの場所で、暗闇の森の中で一晩過ごせますか?って事。
キャンプもした事無い、都会暮らしの引きこもりナメんなよ。無理!
はい。だから入りたいんです。人里サイコー。
う~む……手持ちの物で何か方法を考えなくちゃ。
これまた悩む事、30分。
1つだけ成功しそうな方法を思いついた。
成功する確率は30%くらいだろ思う。
いやね、もうね、失敗して牢屋に入れられても良いかなって思い出してる。
だって牢屋でも街の中じゃん。自由は無いけど、現在既に不自由だし、あまり変わらないかな~と。
俺は油性マジックを手に、作戦を実行した。
「た、たすけて……」
「何者だ! 両手を上げろ!」
良かった。言葉が通じた。第一関門突破だ。
俺はそのまま、その場で倒れる。
バレないようにチラ見をすると、門番の一人がこちらに近寄ってくるのが見えた。第二関門突破。
「変な格好をしているな……。おい、大丈夫か?」
「み、水……」
「……ほら、これ飲め」
腰から革袋のような物を外して差し出してくれた。第三関門突破。
俺は差し出された手を左手で握り、右手に持ってた油性マジックで○Cを相手の手の甲に描いた。
「友達ですよね?」
「ああ、俺とお前は友達だ」
まさかの成功です! レベルアップしないかな。
種明かし。
遠くからこの門番の絵を描いておいたんだ。
そこに注釈で「林響也とは昔からの友人。悪ガキ仲間だった。あだ名はボブ」と書いた。
門番になるくらいだから、ある程度は信用されてるだろう。
それの友達なら、捕まっても悪いようにはしないだろうという、打算的な考え。
俺はそのままボブ(仮)に肩を借りて、門の所まで連れて行ってもらった。
「こいつはキョウヤ。俺の昔からのダチだ」
「おいおい、だからって勝手に連れてきて良いのかよ?」
「大丈夫だ、俺が保証するって」
「……まぁ良いけどよぉ」
すげーな具現化。
言っても無いのに俺の名前を知っている。
こんな事なら、もっと沢山注釈を書いておけば良かった。
「しかし……キョウヤだっけか? 変な格好してるなぁ」
「こいつは昔からこんなんだぞ。人と違う事をしたがるんだ」
「……あぁ中二病な。今でもかよ。ある意味尊敬するわ」
すげーな具現化。
自動的にディスられたぞ。
言い訳を考えなくて済むけどさ。可哀想な者を見るような目はやめて下さい。
「しかし、何でこんな夜に?」
「目覚めたら川辺りに寝てたんだよ。頭も痛いし……」
「……誘拐か? 何か盗られた物は無いか?」
「一文無しになってる……」
「マジか?! こりゃ近くに盗賊が居るかもな」
「可能性はあるな。ちょっと警戒レベルを上げるように言ってくるわ」
「頼んだ。俺はキョウヤを詰め所まで運ぶわ」
適当な言い訳が通ってしまった。
ボブ(仮)、いいヤツだなぁ。出来れば食事もお願いします。
熊も戦った後だし、取りやすい獲物を狙いたかったのだろう。
頑張って追いかけてくれた。
しかし、味はどうなんだろうか? 美味しかったのかな?
鉛筆でスケジュール帳に描いたから、鉛筆の味とか紙の味だったらガッカリじゃない?
魔力に余裕が出来たら、一度食べ物を描いて実食してみよう。
周囲の警戒をしながら、川沿いを下ってると橋発見!
木製の橋だけど、これで少なくとも橋が作れる程の文明と種族が居る事が判明した!
橋から伸びる道は、川沿いに伸びていて、このまま進めばどこかの街か村に着くだろう。
道には轍もあるので、乗り物もあるようだ。
出来れば線路もあればいいな。それくらいまで文明が発達してて欲しい。
まぁ、ラノベの挿絵を描いてた経験からすると、中世ヨーロッパだろうけど。
もう周囲が暗くて見えなくなる頃、やっと街に到着した。
……うん。想像してたよ。塀で囲まれていて、門が閉まってる事ってさ!
門番も居るし、よく見れば塀の上にも人が立ってる。
松明も焚かれていて、近づいたらすぐにバレるだろうなぁ。
どうしたものか。
描いてたラノベでは「身分証の無い田舎から来た」とか言えば入れてもらえるんだけど。
通用するか? 服装も明らかに怪しいし。武器防具も持ってない。
商売で来たとしても、商品を持ってない。
「商隊で来たけど、獣に襲われて逃げてきた」ってのはどうだ?
……ダメだ。どの辺だ案内しろと言われたら詰む。
熊の時のようにウサギ作戦は?
……1日の使用量オーバーだったわ。
それに増援されたら侵入不可能だ。
買収?
その金は? 現金無しで異世界に送るのは止めてもらいたいよね。
現状、金無し・武器無し・防具無し・商品無し・身分を証明するもの無し。無し無しですよ。
万が一クソ優しい人で、入れてくれるとしても、もし鑑定されたら終わる。
大人でGだらけなんて、怪しさMAX!
実は考えないようにしてたけど、成功率が高い方法はある。
単純な事で、朝を待つだけ。
門は開くだろうし、人も出入りするだろう。
では何故その方法を選ばないか。
これも単純で、、、貴方は見ず知らずの場所で、暗闇の森の中で一晩過ごせますか?って事。
キャンプもした事無い、都会暮らしの引きこもりナメんなよ。無理!
はい。だから入りたいんです。人里サイコー。
う~む……手持ちの物で何か方法を考えなくちゃ。
これまた悩む事、30分。
1つだけ成功しそうな方法を思いついた。
成功する確率は30%くらいだろ思う。
いやね、もうね、失敗して牢屋に入れられても良いかなって思い出してる。
だって牢屋でも街の中じゃん。自由は無いけど、現在既に不自由だし、あまり変わらないかな~と。
俺は油性マジックを手に、作戦を実行した。
「た、たすけて……」
「何者だ! 両手を上げろ!」
良かった。言葉が通じた。第一関門突破だ。
俺はそのまま、その場で倒れる。
バレないようにチラ見をすると、門番の一人がこちらに近寄ってくるのが見えた。第二関門突破。
「変な格好をしているな……。おい、大丈夫か?」
「み、水……」
「……ほら、これ飲め」
腰から革袋のような物を外して差し出してくれた。第三関門突破。
俺は差し出された手を左手で握り、右手に持ってた油性マジックで○Cを相手の手の甲に描いた。
「友達ですよね?」
「ああ、俺とお前は友達だ」
まさかの成功です! レベルアップしないかな。
種明かし。
遠くからこの門番の絵を描いておいたんだ。
そこに注釈で「林響也とは昔からの友人。悪ガキ仲間だった。あだ名はボブ」と書いた。
門番になるくらいだから、ある程度は信用されてるだろう。
それの友達なら、捕まっても悪いようにはしないだろうという、打算的な考え。
俺はそのままボブ(仮)に肩を借りて、門の所まで連れて行ってもらった。
「こいつはキョウヤ。俺の昔からのダチだ」
「おいおい、だからって勝手に連れてきて良いのかよ?」
「大丈夫だ、俺が保証するって」
「……まぁ良いけどよぉ」
すげーな具現化。
言っても無いのに俺の名前を知っている。
こんな事なら、もっと沢山注釈を書いておけば良かった。
「しかし……キョウヤだっけか? 変な格好してるなぁ」
「こいつは昔からこんなんだぞ。人と違う事をしたがるんだ」
「……あぁ中二病な。今でもかよ。ある意味尊敬するわ」
すげーな具現化。
自動的にディスられたぞ。
言い訳を考えなくて済むけどさ。可哀想な者を見るような目はやめて下さい。
「しかし、何でこんな夜に?」
「目覚めたら川辺りに寝てたんだよ。頭も痛いし……」
「……誘拐か? 何か盗られた物は無いか?」
「一文無しになってる……」
「マジか?! こりゃ近くに盗賊が居るかもな」
「可能性はあるな。ちょっと警戒レベルを上げるように言ってくるわ」
「頼んだ。俺はキョウヤを詰め所まで運ぶわ」
適当な言い訳が通ってしまった。
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