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ヨハネスブルクも真っ青

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ホムンクルスの生産工場は連日フル稼働中。休むこと無く大量のホムンクルスが生まれていく。


彼らホムンクルスが生産されて何をしているのかというと、それはダンジョンへの入植だ。


ダンジョンは5層まではずっと石造りの迷宮だったが、6層からはこれまでの層とは大違い。

そこはダンジョンの中に広がるもう一つの世界。青空が広がり、辺りは広大な森が広がる大自然。

一応ダンジョン内、つまりは建物?の中なので果てしなく空が続くわけではなく天井は存在し、ダンジョンをある程度奥まで進むと壁にぶつかりそれ以上進むことはできない。

だが、それでも本当に広大な土地なのだ。日本で言えば一つの県くらいはある土地だ。

どうやらダンジョンマスターに反乱を起こした上層の司令官は全ての兵士を率いて進軍を続けているようだ。

そのおかげで特に障害もなく入植が行われている。

自動生成される魔物や、繁殖している魔物もいるが、それは狩りにより素材や食糧として消費されている。

この第6層を開拓し終えたら次は第7層だ。

さぁ、どんどん開拓するぞー!









今日のログインボーナスは店舗確定ガチャコイン。




ガタンッ




HR『ペットショップ』


ペットショップは、多種多様な愛玩動物を販売し、飼育に必要な様々な道具やサービスを提供する専門店だ。

一般的には犬や猫が扱われてきたが、最近ではトカゲや蛇といった爬虫類、熱帯魚といった水中生物、さらにはフクロウやカワウソといった珍しい動物まで、様々な種類の生き物が販売されている。

さらにペットショップでは動物の健康と快適な生活環境のために餌やケージ、水槽などの必要なアイテム、さらにトリミングや躾教室、ペットホテルなどのサービスも提供している。


大金持ちは何千万の大金をペットに費やしているらしい。人間より裕福な暮らしを送るってどうなんだ。









ペットショップはショッピングモール内ではなく、ショッピングモールの外に出現した。

そのペットショップはまるでデパート。

歴史ある雰囲気を思わせるその建物は、石造りの壁や細部まで緻密に彫刻された装飾品で飾られており、俺のような一般人は入るのを躊躇ってしまう。

デパートの入り口付近は重厚な柱とアーチが特徴的で、オレンジ色のランプ型の照明で照らされている。建物の外壁には、美しいレリーフや彫刻が施されており、尋常ではないコストがかけられていることがわかる。

入り口のドアはそれはもう立派。その扉は木製で、豪華な彫刻や金属装飾が施されています。




どんなペットを売っているんだ?血統書付きの犬とかかな?そんなわけないか。どうせ悪魔とか天使を売っているんだろう。






入店してみる。


カランカラン…


ドアを開けると、豪華なロビーが広がります。大理石の床や豪華なシャンデリアが、上品な雰囲気を醸し出しています。




「いらっしゃいませ!!!当デパートへようこそ!!!」

「うわ」


うわ。




「おお、驚かせて申し訳ありません!当店、初のお客様ということで気合が入っておりまして!」


そいつは人間ではなかった。頭部は黒い狼、しかしそいつは人型で二足歩行、全身が体毛で覆われているがきちんとしたスーツを着用している。


だがこの程度ではもう驚かんぞ。化け物の一匹二匹なんだっていうんだ。



「いやぁ、これまで苦節600年!これまで商品を売り捌いてようやく!ようやく店長となれたのです!。テンションも上がる上がる!」


というかこいつ、うるさいな。


「それにしても!まさか当デパートに人間のお客様が訪れるとは!事前に知ってはいましたが!実際に見ると色々と思うことがありますなぁ!」

「そりゃ人間だろ。人間以外何が来るっていうんだ。」

「ええ!この世界の知的生命体は基本的には人間だけです!それは疑問は尤も!」


「当デパートは上位存在に対して商品を販売しております!」

「上位存在?つまり神に売っているのか」

「はい!神だけではありません!神から人間の完全上位互換である上位種族、さらには我々でも理解できない存在まで多種多様!まさか人間の方に販売する日が来ようとは!」

「それで、お前は何を売っているんだ?」

「それは実際に見た方が早いでしょう!案内を行います!さぁさぁこちらへ!」


そう言い、狼男は俺の返事を待たずにデパートの奥へ進んでいく。

俺は狼男に着いていくのだが、その途中には多くの商品が展示されてあった。

それは特に何の違和感もない、普通のデパートのようだ。高そうなブランド物の服に、世界中から集められた美味そうな食材、一流の職人が作り出した家具。




そう、何の違和感もない、どこにでもあるような普通のデパート。

しかしここはペットショップなのだ。これではまるで…








「さぁ、着きましたよ!」


そこには、多くの商品が展示されていた。

ガラスの壁で覆われ、その中に彼らはいた。





俺はガラスに貼られた、商品説明の紙を見る。



『農民一家(四人家族)』

中小国家であるエメラルドは平和な国家でしたが、そんな平和な国に奴隷商人がやってきます。
大陸の覇権国家であるとある王国は奴隷制度が存在し、不幸なことにこの一家は奴隷として捕まり、販売されてしまいます。


彼らは怯えていた。

他にも多くの、人間がガラス張りの部屋に閉じ込められている。



「この文は本当か?」


「ええ、本物です!当店は様々な世界より合法的に!奴隷を購入して、上位存在の方々に販売しております」

ガチャ生成タイプじゃなくて、異世界召喚タイプか!


「ああところで!山田様は奴隷販売についていかがですか!」


「どうも何も、嫌に決まってるだろ!同じ人間が売られているんだぞ!」

「法律では禁止されているのですか?」

「…今はまだ無い。だが後で書記官に言ってこの山田ドラゴンガチャ王国で奴隷制度禁止法を追加する。こんな物禁止だ禁止!」

「つまり今は禁止ではないと!事前情報と同じです!よかったよかった!奴隷のことを考えるなら、禁止しない方がいいですよ!」

「はぁ?何を言って…」


「さぁ、本日ここに!奴隷オークションの開催を宣言します!」


システムウィンドウが展開される。


●告知!本日正午12時よりデパートにて奴隷オークションが開催されます!急な決定で申し訳ありません!

商品番号1 聖グラナダ騎士団 重装歩兵
商品番号2 ファルティマ宇宙軍 駆逐艦 砲撃長
商品番号3 宝石細工師  
商品番号4 Aランク冒険者
商品番号5 少女ロケットランチャー兵

以下省略!続きは下のマークを押してください! 









「お前!何を勝手なことを!」


「別に禁止してもよろしいのですよ!!!ですが、そうなったら奴隷は誰も買うことができません!」

「…もし、誰にも買われなかったらどうなる?」

「その場合は返品ですね!元の世界の奴隷商人に返品です!」



「あぁでも!元の世界では、奴隷の人権なんて存在しないかもしれませんね!」


くそっ。










元奴隷剣闘士のルーカスが、俺に土下座をして頼み込んできた。



「頼む、これが俺の全財産だ。どうか、どうか奴隷を、全員買ってくれ」

「ずっと悩んでたんだ、俺だけが奴隷として解放されてよかったのかと。俺だけがこんな幸せでいいのかと」

「頼む、どうか、どうか奴隷を。」

俺はルーカスの肩に手を乗せる。


「あぁ、任せろ。俺には莫大な税金がある。全員買い取ってやる」

俺は書記官に言い、奴隷に関する人権法案を追加した。
とりあえず、奴隷の購入者は奴隷の衣食住を保障する。
奴隷にも人権はある。
奴隷が一定額を稼いだ場合、解放する。

とりあえずはこの3つだ。詳しいことは法律系のホムンクルスに任せよう。












「商品番号50番!黄金騎士ヴァーロウ!、128番の方、落札です!」

わぁぁぁぁぁぁぁぁ!!






全商品、ホムンクルスによって落札された。オークションは大盛り上がり。大盛況だった。



なんで???




狼男は不気味そうに、

「ここまで人身売買に抵抗がないとは思わなかった!!!どんな文明でも大なり小なり心理的に抵抗はあるはずなのに!!!気持ち悪いですね!!!」


ただただドン引きしていた。俺もだよ!!!










今日の無料ガチャだ。



ガタンッ


R『医療用人体撮影カメラ』


医療において、カメラの撮影技術は多く使われる。
例えばMRI。人間の体内、脳や臓器、果てには血管に至るまで細かく撮影することができる。







だが、出現したのは、どこにでもありそうな、小さなデジタルカメラだった。

俺はカメラを手に取り、簡単に調べてみる。

うーん、子供用かと思えるくらい簡素な作りだ。カメラを操作する液晶パネルや様々な調節を行うボタンもない。

あるのは謎の黒いボタンだけだ。


俺は黒色のボタンを押す。一回使って見ないと、どんな機能があるのかわからないからな。


ぽちっ



『10秒後に撮影します。10、9、8…』


カメラから機械音声が流れる。10秒って早いな!俺はカメラを適当な場所に置き、レンズに俺が映るように適当にポーズを取る。



ピースピース。



パシャ


その音が鳴った瞬間、俺は崩れ落ちた。受け身を取ることができず、床と俺の顎が衝突する。痛い!


俺は立とうとするが何故か立てない。違和感を感じて全身をみると、俺の左足は幽霊のように透明となり、床を貫通していた。


な、何が起きたんだ!


俺はカメラを見る。

カメラの前には先ほどまでなかった謎の紙が置かれていた。俺は這いつくばりながらその紙まで移動する。


その紙は写真だった。しかし普通の写真ではない。レントゲンのように俺の骨や臓器が映し出されている。


問題なのは写真の裏面だ。裏面にはこう書かれてあった。


改変部位
●下級悪魔の心臓    魔力生産量上昇
●左足の霊体化  左足が霊体となり、あらゆる物がすり抜ける。


ど、どういうことだ!

鑑定!

●医療用カメラ

このカメラは致命的な欠陥を抱えています。その欠陥とは、カメラの質が低いことです。
カメラで人体を撮影しても画像はぼやけ、非常に荒くなってしまいます。
そして読み取れなかった部位をこのカメラは適当なデータを流用し捏造します。

このカメラを作った技術者は、カメラの技術について詳しくなかったのでカメラの質をこれ以上上げることが出来ませんでした。そこで解決策として現実改変機能をカメラに搭載し、被写体の人体を勝手に改変、捏造した写真を本物にすることにしました。
一度撮影した被写体にもう一度使えば元通りになります。安全ですね。





ば、バカじゃねぇのか!その現実改変能力で完璧なカメラに改変しろよ!

俺はすぐにカメラを使い、元に戻した。

そして有用な体になるまでカメラを使い、体を改造した。

結果として俺は魔力生産能力のある龍の心臓、龍の歯に改造した。











その後、カメラはホムンクルスに大人気となった。

なにせ写真を撮るだけで人体を改造できるのだ。

当たり外れは大きいが、当たれば簡単に体を強化できる。


だが、ここでとんでもない使い方をするホムンクルスが現れた。


アンデッドを従えたホムンクルスがカメラをアンデッドに使い、そして体を掻っ捌き内臓を全摘する。そうしてアンデッドは死亡し、その後また違うアンデッドをカメラで撮影、内臓を全摘する。これを何十回と繰り返した。

その結果何が起きたのかと言うと…










「さあ安いよ安いよ!天使の光輪が何とたったの13万GP!外部付属型だからホムンクルスじゃなくても簡単に使えるよ!」

「龍人の背骨ー、背骨はいかがですかー、錬金術や鍛治の素材に使えますよ!」

「悪魔の心臓のスープはうまいよー!食うだけで闇属性魔法の効率が段違いだ!」


ホムンクルス達の市場で、臓器が山のように売られていた。

そう、あのホムンクルスは市場で商人に臓器を売り払ったのだ。

市場では、大量の脳や肝臓などの臓器が大量に売買され、それを多くのホムンクルスが買い付けている。

臓器は飛ぶように売れる。なんでも臓器は生産の素材となるようだ。



そしてそのホムンクルス達はと言うと…

「見てよこの子。ペットショップで買ったんだけど、すごい役に立つんだ。この前ドロップした盾と相性が良くてさ、タンクとして申し分ないよ」

「その通り!私はあらゆる攻撃から、主君を守りましょう!」

「あぁー、その奴隷俺も欲しかったな。」





「なぁ来週の奴隷販売カタログ見たか?」

「あぁ、この片翼の天使が欲しいな。聖属性の攻撃はダンジョン攻略に役立ちそうだ」

「厳しいだろう。運命教会の友達が、アリス様が天使を欲しがっていると話していた。今回と同じで、聖属性系の奴隷は買い占めるつもりだ」


と、人身売買について語り合っていた。






「あ、山田様!」

一人のホムンクルスが俺に話しかけてきた。こいつこそが、臓器販売ブームを引き起こしたホムンクルスである。


「いやぁ、山田様のおかげで大儲けですよ!」

「それはよかった」

「もしよろしければ山田様も臓器移植をしてみませんか?今なら臓器移植のスキル持ちのホムンクルスが執刀するので安全にできますよ!」



こ、こいつ俺に臓器移植を提案するのか…

ホムンクルスの倫理観が終わっている!何でだ?生まれてからまだそんなに時間が経ってないから、道徳心が育ってないのか?

それとも生まれてから戦闘ばかりしているホムンクルスに倫理観を求める方がおかしいのか?


後で7号を通じて、倫理教育をホムンクルスにしなければ。







とりあえず機械天使の左羽を移植してもらった。

これで空が飛べるぞ!レッツフライ!
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