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寿司職人K

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アナスタシア王女殿下と少年Aの株価がストップ高だ。

アナスタシア殿下はその氷系能力を駆使して、みかんジュースを凍らせてシャーベット状にして俺たちに提供してくれたのだ。キンキンに冷えたみかんジュースは非常においしく、俺含めてみんなは王女殿下を崇めるようになった。


ところでアナスタシア殿下はどうして氷系能力を持っているのだろうか。

そう聞くと殿下はロシア人だからとしか答えてくれなかった。そっかーーー、ロシア人だから、氷の能力を使えるのか。ふーーん、そっか。



少年Aはその両手から発生させた紫色と黒色、青色の炎でベーコンキャベツをいい感じに焼く、茹でる、炙る、燻製にするなどして調理した物を提供してくれた。

野菜のはずなのにその香ばしい匂い、溢れる肉汁が俺たちを魅了した。

ところで、その炎かっこいいね。何か違いでもあるの?

少年Aは照れた顔で特に違いはないけど、努力したんだ、かっこいいだろ?と答えた。

俺は心からかっこいいよと答えた。でもその鎖はどうかと思ったが黙っておいた。
あと、少年Aはアナスタシア殿下に仕える炎の騎士だと名乗り、従者のように付き従っている。最近は剣闘士のルーカスから剣術を習っているようだ。


それでは、無料ガチャ!




C『空調システム』


何かが実体化することはなかった。システムを調べると、このショッピングモールの空調を調整し、室温を変えられるようになった。今まで常温だったため、暖房に変更した。俺は暖かいのが好きなんだ。




今日のログインボーナスは、店舗確定ガチャコイン。早速回そう。


R『寿司屋 鬼童丸』


寿司屋。寿司というのは、日本の伝統料理だ。寿司は最初、屋台で立ち食いとして食べられていたらしい。
酢飯を小さく握ったものの上に魚、主に海の魚の切り身を乗せたもので、醤油とワサビにつけて食べる。


最近は日本を代表する料理として有名で、海外にも多く寿司屋が展開されているが、生魚を使うため寄生虫の心配や生臭さから嫌う外国人も多い。

しかし、海外では寿司が独自の進化をし、カルフォルニアロールやマンゴー寿司といった、魔改造もされている。

現代の日本寿司業界は、庶民でも安価で食べられる100円の回転ずし、敷居が高い、技術を究めた職人が一つ一つ握る高級寿司屋という2つに分けられる。

今回出現したのは、後者の高級寿司屋である。



それはショッピングモールの2階に出現した。


鬼童丸と書かれた木製の看板が掲げられており、店の入り口には暖簾がかかっている。
和風建築であることが多く、木造の建物が多いです。

全体的に、和装のデザインで、小さいが庭園が設置されている。白い石が敷き詰められ、松の木が植えられている。

一目でわかる、高級店だ。

さあ、2号、俺に金はない。調査に行くんだ。

そう言って2号を行かせようとしたが、どうやら俺についてきて欲しいようだ。

仕方がないな、俺は金がないからおごれよ?


暖簾をくぐり、寿司屋に入る。壁や床には木材や竹、和紙などの自然素材が使用され、畳敷きの部屋もある。

店のいたるところに器や茶道具、美術品などが展示されている。どれも一目でわかる高級品だ。そのほかにもシンプルな飾り物や植物などが置かれ、落ち着いた雰囲気を演出している。

そしてカウンター席の前には、グラサンをつけた男が立っていた。


ぐ、グラサン⁉なんでグラサンなんかつけてるんだこのおっさん⁉

体格が良く、顔もいかつい。やくざのような圧の強い顔だ。


か、鑑定!



●鬼の血を引く和の国出身の寿司職人、稲森鬼童丸は寿司の道を究めるため単身、山の奥地へと向かった。
山奥に存在する湖には数多くの魚が住み着いていたが、ある日現れた魚人によって乱獲、絶滅の危機に瀕していた。そこに稲森が現れ、魚人をたった一人で殲滅し、魚の捌き方を究めたのだ。


お客さん、今鑑定したね?


す、すみません!


まあいいけどね。自己紹介だ、私の名は稲森鬼童丸。Kと呼んでくれ。ご注文は?


俺と2号はビビりながら、なんでKなんだと思いながら、座り、カウンターの上にあるメニューをみる。


全部値段が時価だった。ひえええええええ。


「し、シメサバで…」


お、おまえもいいよなっ、な⁈


2号もぶんぶんと頷いた。こいつもビビってやがる。

稲盛が魚をさばいていく。手際がいい。あっという間に、寿司ができた。


どうぞ。


圧がすごい。

醤油をつけ、口に入れる。美味かった。それしか考えられなかった。


お、お会計お願いします。


稲盛、Kがレジに立ち、会計を始める。


ま、まずい!金よ足りてくれ!


400円になります。


えっ、400円?



や、安い!まさか200円寿司なのか⁈あの美味しさで⁈


本日は全品200円となっております。

俺と2号はお会計を中止し、マグロや大トロ、サーモンにいくら、海老などを食べた。




寿司屋営業終了後、Kはベーコンキャベツを捌いてくれた。芸術のように薄いベーコンは未知の触感で美味だった。





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