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二日目
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『ログインボーナスをプレゼントボックスに追加しました』
『アップデートのお知らせ。ユーザーの方より時間の確認ができないのは不便だとのお声があり急遽時刻表示システムを追加しました。システムウィンドウを開く事でいつでも確認できます』
朝起きてシステムを確認するとそう通知があった。ログインボーナス、つまり俺がこの部屋に監禁されて二日目という事だ。
システムウィンドウを確認するといつのまにか時刻が追加されており、今が朝の午前5時半だと言うことを示している。
しかしこの通知で俺以外にも同じ状況に陥った同志がいることがわかった。これは心強い。仲間がいるというだけで孤独感が解消されていく。
さてさて。
ログインボーナスとして与えられたのは『キャンプセット』だった。
テント、寝袋、椅子、机、簡易トイレ、水、缶詰、鍋、ガスコンロ。
よかった、これでダンボールに包まれて寝る生活からもおさらばだ。
テントは深緑色のテント。ありがたいことに展開済みでこの白い部屋に実体化した。これでテントを組み立てずに済む。
椅子と机は残念ながら折り畳まれていない。
ヨッコラセと折り畳みのキャンピングチェアを開き座り込む。
そこで気づいた。
缶詰、この缶詰はツナ缶、トマトスープ缶、鯖缶、コーン缶、鶏肉缶が二つずつ、計十個。
これを開けて食べるために必要な缶切が存在しないのだ。
さらに言えばガスコンロだって動かすために必要なガスがない。
…この運営は何を考えているんだ?俺たちユーザーが落ち込んでいるのを見て笑っているのか?
ため息をつきながら、というか昨日からため息つきっぱなしだなと考えてガチャを見る。なぜかこのガチャのディスプレイが光っており、そこには『1日一回無料!』と書かれていた。
やる事もないのでガチャを引く。
ガタンッ
UC 『スキル 浮遊』とだけ書かれていた。
特に何かが実体化する気配はない。
それにしてもスキルか。スキル、ゲームとかにあるスキルか?
こういう時の用語一覧だ、スキルの項目が追加されているはず。
用語一覧
スキル
ユーザーが使用可能な超能力。基本的にМPを消費して発動できる。
使用法は使いたいと考えることで発動できる。
スキル一覧より習得スキル閲覧可能。
MP
マジックポイントの略。魔法やスキルを使うために必要。
いよいよ理解ができなくなってきた。頭が痛い。
考えても仕方がないのでシステムを確認すると先ほどまでなかったスキル一覧の項目が追加されていた。
スキル一覧
『浮遊』 1㎝浮くことができる。1秒使用ごとに1MP消費される。
また微妙なスキルだ。説明によれば使いたいと思えば使えるらしい。
そこで思いついた。これ、自分のMPの量が計測できるのではないか。
100秒浮けば俺のMPは100ということになる。計測のため、俺はスキルを使うことにした。
使用『浮遊』!
ふわっ
すっすごい!浮いてる、空に浮かぶとは未知の感覚だ。宇宙飛行士もこんな感じなのだろうか。
テンションが上がって走ろうとする。しかし不思議なことに場所を移動することができない。
あれ、何でだ。
あっそうか、床をけれないから移動できないんだ。
そう考えるとガタッという感覚と共に俺は地面に足をつけ立っていた。
計測約10秒。俺のMP10だけ?
えっ何これ。地味。
UC 『スキル 浮遊』
スキル。別名超能力。MPを1消費する事で一秒間だけ1センチ浮くことができる。
しかし俺のMPは10しかないため十秒間しか飛べず、さらに床を蹴れないため前に進む事もできない。
ドラえもんは1ミリだけ浮いているという設定があるらしいがなぜ歩けるのだろうか。
次の日にはアメリカ合衆国の大統領が選ばれたアメリカ人全員を支援すると表明した。
これに続いて各国も自国の人間に対して最大限の支援を約束、表明した。
皆未来の地球の指導者に対して友好的に振る舞い、自国の支援を受けた人間が支配者となった時に優遇してもらえるよう、媚を売り始めたのだ。
大国は自国の人間に対して支援を表明した。
しかし中には自国の人間が一人も選ばれなかった国家たちも存在した。その国家はアメリカやロシア、中国などの国家の機嫌を取るために大国の人間に対し支援を表明した。
中には自国の人間が千人の中に選ばれたにも関わらず、自国の人間の能力が微妙だとわかると切り捨て、この競争に勝ちそうな人間の支援を表明した国もあった。
日本も選ばれた日本人全員に対して最大限の支援を約束した。
そんな中、一人の記者から質問があった。
「ガチャを与えられた山田竜に対しても、他の選ばれた日本人と同等の支援をするのか」
この質問に担当者は顔を顰め、何とも言えない顔で全ての選ばれた日本人に対して平等に支援をするということはできない。どうしても偏りが出てしまう。山田氏に対しての支援は現在検討中と言った。
『アップデートのお知らせ。ユーザーの方より時間の確認ができないのは不便だとのお声があり急遽時刻表示システムを追加しました。システムウィンドウを開く事でいつでも確認できます』
朝起きてシステムを確認するとそう通知があった。ログインボーナス、つまり俺がこの部屋に監禁されて二日目という事だ。
システムウィンドウを確認するといつのまにか時刻が追加されており、今が朝の午前5時半だと言うことを示している。
しかしこの通知で俺以外にも同じ状況に陥った同志がいることがわかった。これは心強い。仲間がいるというだけで孤独感が解消されていく。
さてさて。
ログインボーナスとして与えられたのは『キャンプセット』だった。
テント、寝袋、椅子、机、簡易トイレ、水、缶詰、鍋、ガスコンロ。
よかった、これでダンボールに包まれて寝る生活からもおさらばだ。
テントは深緑色のテント。ありがたいことに展開済みでこの白い部屋に実体化した。これでテントを組み立てずに済む。
椅子と机は残念ながら折り畳まれていない。
ヨッコラセと折り畳みのキャンピングチェアを開き座り込む。
そこで気づいた。
缶詰、この缶詰はツナ缶、トマトスープ缶、鯖缶、コーン缶、鶏肉缶が二つずつ、計十個。
これを開けて食べるために必要な缶切が存在しないのだ。
さらに言えばガスコンロだって動かすために必要なガスがない。
…この運営は何を考えているんだ?俺たちユーザーが落ち込んでいるのを見て笑っているのか?
ため息をつきながら、というか昨日からため息つきっぱなしだなと考えてガチャを見る。なぜかこのガチャのディスプレイが光っており、そこには『1日一回無料!』と書かれていた。
やる事もないのでガチャを引く。
ガタンッ
UC 『スキル 浮遊』とだけ書かれていた。
特に何かが実体化する気配はない。
それにしてもスキルか。スキル、ゲームとかにあるスキルか?
こういう時の用語一覧だ、スキルの項目が追加されているはず。
用語一覧
スキル
ユーザーが使用可能な超能力。基本的にМPを消費して発動できる。
使用法は使いたいと考えることで発動できる。
スキル一覧より習得スキル閲覧可能。
MP
マジックポイントの略。魔法やスキルを使うために必要。
いよいよ理解ができなくなってきた。頭が痛い。
考えても仕方がないのでシステムを確認すると先ほどまでなかったスキル一覧の項目が追加されていた。
スキル一覧
『浮遊』 1㎝浮くことができる。1秒使用ごとに1MP消費される。
また微妙なスキルだ。説明によれば使いたいと思えば使えるらしい。
そこで思いついた。これ、自分のMPの量が計測できるのではないか。
100秒浮けば俺のMPは100ということになる。計測のため、俺はスキルを使うことにした。
使用『浮遊』!
ふわっ
すっすごい!浮いてる、空に浮かぶとは未知の感覚だ。宇宙飛行士もこんな感じなのだろうか。
テンションが上がって走ろうとする。しかし不思議なことに場所を移動することができない。
あれ、何でだ。
あっそうか、床をけれないから移動できないんだ。
そう考えるとガタッという感覚と共に俺は地面に足をつけ立っていた。
計測約10秒。俺のMP10だけ?
えっ何これ。地味。
UC 『スキル 浮遊』
スキル。別名超能力。MPを1消費する事で一秒間だけ1センチ浮くことができる。
しかし俺のMPは10しかないため十秒間しか飛べず、さらに床を蹴れないため前に進む事もできない。
ドラえもんは1ミリだけ浮いているという設定があるらしいがなぜ歩けるのだろうか。
次の日にはアメリカ合衆国の大統領が選ばれたアメリカ人全員を支援すると表明した。
これに続いて各国も自国の人間に対して最大限の支援を約束、表明した。
皆未来の地球の指導者に対して友好的に振る舞い、自国の支援を受けた人間が支配者となった時に優遇してもらえるよう、媚を売り始めたのだ。
大国は自国の人間に対して支援を表明した。
しかし中には自国の人間が一人も選ばれなかった国家たちも存在した。その国家はアメリカやロシア、中国などの国家の機嫌を取るために大国の人間に対し支援を表明した。
中には自国の人間が千人の中に選ばれたにも関わらず、自国の人間の能力が微妙だとわかると切り捨て、この競争に勝ちそうな人間の支援を表明した国もあった。
日本も選ばれた日本人全員に対して最大限の支援を約束した。
そんな中、一人の記者から質問があった。
「ガチャを与えられた山田竜に対しても、他の選ばれた日本人と同等の支援をするのか」
この質問に担当者は顔を顰め、何とも言えない顔で全ての選ばれた日本人に対して平等に支援をするということはできない。どうしても偏りが出てしまう。山田氏に対しての支援は現在検討中と言った。
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