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辻家の妻
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◇
離れの屋敷に戻ると、清貞は屋敷の奥へと歩み進んだ。奥へ隠された座敷牢には、夜更け前に運び込んだ襤褸袋が無造作に転がされている。
清貞が襤褸袋を引き抜くと、猿轡をかけられた若い女が視線をもたげてきた。
「ここは」
と、女。
「伊賀の病葉領ですよ」
清貞は冷ややかに答えた。
この女は昨晩に清貞が討ち取った甲賀の地侍・辻陽左衛門の妻女である。
陽佐衛門を殺害した後、屋敷の寝室らしき所を漁ったが妻が見当たらず、ダメで元々のつもりで土間に行ってみれば、深夜にも関わらず辻家の妻が雑巾をかけていた。
事前に聞いていた話の通り、赤みの強い茶髪を伸ばした女であったため、妻で間違いないと確信した。清貞は女に猿轡を噛ませると、瞬く間に袋をかぶせて誘拐したのである。
「我が夫が……陽佐衛門さまと甲賀衆が見逃しませんよ」
「もう夫ではありません。亡くなっていますからね」
清貞は上体を起こせずにいる女の前にかがみ、女の腕を緊縛する縄を切った。
「徳川に仇成した豊臣が、甲賀衆を懇意にしていたのはご存知ですね。そして、豊臣がかつて徳川家を監視させていた甲賀衆を迫害するよう、伊賀衆が徳川より命を受けていることも」
淡々と話す清貞を上目遣いに見ながら、女は顎をふたつ引いた。
「あなたが嫁いだ辻家も、かつては徳川家の監視を任ぜられた御家でしたでしょう。あなたがたの首級を徳川へ売れば、徳川家家臣からの信頼を得られる。伊賀十二人衆にすら加盟できなかった病葉家としては、のし上がる絶好の機会ということです」
「つ、辻家は病葉家と協力の関係にあったはずでございます」
女が言い返す。
「そんな道理など、伊賀衆には通じません」
清貞が即座に跳ね除けた。
辻家の妻が言う通り、伊賀衆と甲賀衆はそもそもお互いに助けあう関係にあった。どちらかの国が有事となれば忍びを派遣し、国防のために尽くすよう協定を結んでおり、伊賀者とて雇い主に金を積まれぬ限りは、積極的に甲賀と争うなど有り得なかった。
伊賀が甲賀を追い討たねばならなくなったのは、かつて徳川家を甲賀者たちに監視させていた豊臣家に対する禍根ゆえである。
温厚な印象のある徳川家康だが、敵対分子の殲滅にはぬかりがなく、豊臣に下った甲賀とて例外でなかった。
いかに家同士が結びついていようと、目先の利益を重んじる伊賀衆が、いつでも奪い取れる宝を目の前に黙っているはずがない。忠義を重んじる甲賀衆の辻家は、協力関係にある病葉家が寝返るなど、夢にも思わなかったはずだ。
「あなたの元夫が殺されたのはそういうわけなのです。もっとも、これは私の叔父の命ゆえ、私を恨まないでほしいのですが」
「……私をどうするおつもりで」
女の目は怯えているものの、命乞いをする気配はない。自らの身を守る素振りすら見せず、無抵抗に清貞と向き合っている。
犯されるも殺されるも覚悟は出来ている、と、言わんばかりである。
「私の妻になっていただきます」
愛想笑いひとつせず、清貞は事務的に言った。
「元はこの病葉領は私たち本家のものでしたが、訳あって、後見人の叔父もとい、分家にほとんど乗っ取られております。その叔父も、もうじき私を消そうとするでしょう。ですから、叔父を殺して地位を奪います」
辻家の妻は目を見開いていた。
「いまはの土地を徳川家のご家臣が治められていますが、そのうちの一人、保田さまのやり方に反対をなさっているのが我が叔父です。私は叔父の首を手土産に、保田さまへ取り入るつもりです」
戦国時代は伊賀の地侍たちが国を治めていたが、織田信長が伊賀を攻めたことによる天正伊賀の乱により、伊賀は武士の管理下に落ちた。
徳川家が天下を治めてからは、徳川家家臣である藤堂高虎が伊賀を任されており、そのまた家臣にあたる保田元則が、現時点で伊賀上野城城代の有力候補に上がっている。
が、伊賀衆を武士の支配下に置くべく政策を進める保田元則が、一部の伊賀衆には気に入らぬ。病葉晴継もそのひとりであった。
「なぜ私を妻にせねばならぬのですか」
「人質ですよ。甲賀者は忠義に厚いと聞きます。辻陽佐衛門を殺されたとて、甲賀の姫を人質にされていれば、私の所へ報復は来ないでしょうからね」
あまりにも情の籠らぬ声色で話す傍ら、清貞の脳裏には保田元則の屋敷を訪れたひと月前の場面が過ぎっていた。
すでに叔父の殺意に気がついていた清貞だが、例えば叔父を殺したとしても、弱い当主と思われれば再び下克上を企てる者がいるやもしれぬ。自分が当主となった後で、強力な後ろ盾が必要だった。
そこで目をつけたのが、城代の有力候補でかつ、叔父を始めとした一部の伊賀衆の反感を買っている保田元則である。
伊賀衆が反対しているとはいえ、保田元則は主である藤堂高虎からの信頼も厚い。
清白は保田屋敷の庭に跪き、元則に頭を垂れた。
保田氏に反対する叔父を討ち取り、自分が当主となった暁には、かならず保田家に忠義を尽くすと、己を売り込んだのであった。
が、保田元則からは笑い飛ばされてしまった。
『伊賀者の口先は信用ならぬ。信用が欲しくば、実を持ってまいれ』
謀略を得意とする伊賀者は、武士からとことん信用されていない。まずは忠義の証として、叔父の首級を挙げよというのだ。
悔しいが、すごすごと退散するしか、その時の清貞に術はなかった。
辻家の妻は清貞の足元へ視線を落とすと、何を思ったか、
「申し訳ございません」
その場で詫びた。
「私は子が残せぬ体。あなたさまのお役には立てませぬ。殺すならどうぞ、お好きになさいませ」
首を斬れとばかりに頭を差し出した辻家の妻に、清貞はむっと唇を力ませた。
「私を蛮族と勘違いなさっていらっしゃるようですね」
言ってやると、辻家の妻が顔を上げる。
蛮族でしょう、と言いたげである。
「私は故あって、子孫を残したくありません。私の亡き後は、私が選んだ者に領地を任せるつもりです。ですから、甲賀の出自で子の残せぬ女は、私にとって都合がいい」
生意気な女の顎を掴んでやりながら、清貞は目と鼻の先へ顔を近づけた。
「くれぐれも、逃げようなどとは思わないように。妻とはいえ貴方は傀儡の妻です。殺さず、生きながら手酷い折檻を与えても、私は心は痛みません」
脅したが、女の表情は動じない。怯えてはいるが、すでに諦めのついた面差しだった。
――煮るなり焼くなり、好きにすればいいじゃない。
女の表情がそう言っている。
見覚えのある表情が、清貞の気分を悪くさせた。
しばらく睨んでいると、座敷牢の小窓から陽光が差し込んでくる。それがほんのわずかに、清貞の肌に差しかかった所で、ようやく女の顎にかけた手を離した。
清貞はしきりに陽光の当たったと手元を掻きながら、
「また夜に来ます」
去り際に一汁一菜のみ置いていくと、座敷牢の鍵を閉めた。
◇
離れの屋敷に戻ると、清貞は屋敷の奥へと歩み進んだ。奥へ隠された座敷牢には、夜更け前に運び込んだ襤褸袋が無造作に転がされている。
清貞が襤褸袋を引き抜くと、猿轡をかけられた若い女が視線をもたげてきた。
「ここは」
と、女。
「伊賀の病葉領ですよ」
清貞は冷ややかに答えた。
この女は昨晩に清貞が討ち取った甲賀の地侍・辻陽左衛門の妻女である。
陽佐衛門を殺害した後、屋敷の寝室らしき所を漁ったが妻が見当たらず、ダメで元々のつもりで土間に行ってみれば、深夜にも関わらず辻家の妻が雑巾をかけていた。
事前に聞いていた話の通り、赤みの強い茶髪を伸ばした女であったため、妻で間違いないと確信した。清貞は女に猿轡を噛ませると、瞬く間に袋をかぶせて誘拐したのである。
「我が夫が……陽佐衛門さまと甲賀衆が見逃しませんよ」
「もう夫ではありません。亡くなっていますからね」
清貞は上体を起こせずにいる女の前にかがみ、女の腕を緊縛する縄を切った。
「徳川に仇成した豊臣が、甲賀衆を懇意にしていたのはご存知ですね。そして、豊臣がかつて徳川家を監視させていた甲賀衆を迫害するよう、伊賀衆が徳川より命を受けていることも」
淡々と話す清貞を上目遣いに見ながら、女は顎をふたつ引いた。
「あなたが嫁いだ辻家も、かつては徳川家の監視を任ぜられた御家でしたでしょう。あなたがたの首級を徳川へ売れば、徳川家家臣からの信頼を得られる。伊賀十二人衆にすら加盟できなかった病葉家としては、のし上がる絶好の機会ということです」
「つ、辻家は病葉家と協力の関係にあったはずでございます」
女が言い返す。
「そんな道理など、伊賀衆には通じません」
清貞が即座に跳ね除けた。
辻家の妻が言う通り、伊賀衆と甲賀衆はそもそもお互いに助けあう関係にあった。どちらかの国が有事となれば忍びを派遣し、国防のために尽くすよう協定を結んでおり、伊賀者とて雇い主に金を積まれぬ限りは、積極的に甲賀と争うなど有り得なかった。
伊賀が甲賀を追い討たねばならなくなったのは、かつて徳川家を甲賀者たちに監視させていた豊臣家に対する禍根ゆえである。
温厚な印象のある徳川家康だが、敵対分子の殲滅にはぬかりがなく、豊臣に下った甲賀とて例外でなかった。
いかに家同士が結びついていようと、目先の利益を重んじる伊賀衆が、いつでも奪い取れる宝を目の前に黙っているはずがない。忠義を重んじる甲賀衆の辻家は、協力関係にある病葉家が寝返るなど、夢にも思わなかったはずだ。
「あなたの元夫が殺されたのはそういうわけなのです。もっとも、これは私の叔父の命ゆえ、私を恨まないでほしいのですが」
「……私をどうするおつもりで」
女の目は怯えているものの、命乞いをする気配はない。自らの身を守る素振りすら見せず、無抵抗に清貞と向き合っている。
犯されるも殺されるも覚悟は出来ている、と、言わんばかりである。
「私の妻になっていただきます」
愛想笑いひとつせず、清貞は事務的に言った。
「元はこの病葉領は私たち本家のものでしたが、訳あって、後見人の叔父もとい、分家にほとんど乗っ取られております。その叔父も、もうじき私を消そうとするでしょう。ですから、叔父を殺して地位を奪います」
辻家の妻は目を見開いていた。
「いまはの土地を徳川家のご家臣が治められていますが、そのうちの一人、保田さまのやり方に反対をなさっているのが我が叔父です。私は叔父の首を手土産に、保田さまへ取り入るつもりです」
戦国時代は伊賀の地侍たちが国を治めていたが、織田信長が伊賀を攻めたことによる天正伊賀の乱により、伊賀は武士の管理下に落ちた。
徳川家が天下を治めてからは、徳川家家臣である藤堂高虎が伊賀を任されており、そのまた家臣にあたる保田元則が、現時点で伊賀上野城城代の有力候補に上がっている。
が、伊賀衆を武士の支配下に置くべく政策を進める保田元則が、一部の伊賀衆には気に入らぬ。病葉晴継もそのひとりであった。
「なぜ私を妻にせねばならぬのですか」
「人質ですよ。甲賀者は忠義に厚いと聞きます。辻陽佐衛門を殺されたとて、甲賀の姫を人質にされていれば、私の所へ報復は来ないでしょうからね」
あまりにも情の籠らぬ声色で話す傍ら、清貞の脳裏には保田元則の屋敷を訪れたひと月前の場面が過ぎっていた。
すでに叔父の殺意に気がついていた清貞だが、例えば叔父を殺したとしても、弱い当主と思われれば再び下克上を企てる者がいるやもしれぬ。自分が当主となった後で、強力な後ろ盾が必要だった。
そこで目をつけたのが、城代の有力候補でかつ、叔父を始めとした一部の伊賀衆の反感を買っている保田元則である。
伊賀衆が反対しているとはいえ、保田元則は主である藤堂高虎からの信頼も厚い。
清白は保田屋敷の庭に跪き、元則に頭を垂れた。
保田氏に反対する叔父を討ち取り、自分が当主となった暁には、かならず保田家に忠義を尽くすと、己を売り込んだのであった。
が、保田元則からは笑い飛ばされてしまった。
『伊賀者の口先は信用ならぬ。信用が欲しくば、実を持ってまいれ』
謀略を得意とする伊賀者は、武士からとことん信用されていない。まずは忠義の証として、叔父の首級を挙げよというのだ。
悔しいが、すごすごと退散するしか、その時の清貞に術はなかった。
辻家の妻は清貞の足元へ視線を落とすと、何を思ったか、
「申し訳ございません」
その場で詫びた。
「私は子が残せぬ体。あなたさまのお役には立てませぬ。殺すならどうぞ、お好きになさいませ」
首を斬れとばかりに頭を差し出した辻家の妻に、清貞はむっと唇を力ませた。
「私を蛮族と勘違いなさっていらっしゃるようですね」
言ってやると、辻家の妻が顔を上げる。
蛮族でしょう、と言いたげである。
「私は故あって、子孫を残したくありません。私の亡き後は、私が選んだ者に領地を任せるつもりです。ですから、甲賀の出自で子の残せぬ女は、私にとって都合がいい」
生意気な女の顎を掴んでやりながら、清貞は目と鼻の先へ顔を近づけた。
「くれぐれも、逃げようなどとは思わないように。妻とはいえ貴方は傀儡の妻です。殺さず、生きながら手酷い折檻を与えても、私は心は痛みません」
脅したが、女の表情は動じない。怯えてはいるが、すでに諦めのついた面差しだった。
――煮るなり焼くなり、好きにすればいいじゃない。
女の表情がそう言っている。
見覚えのある表情が、清貞の気分を悪くさせた。
しばらく睨んでいると、座敷牢の小窓から陽光が差し込んでくる。それがほんのわずかに、清貞の肌に差しかかった所で、ようやく女の顎にかけた手を離した。
清貞はしきりに陽光の当たったと手元を掻きながら、
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