レディース異世界満喫禄

日の丸

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心が読まれてる訳じゃなかったよ!!

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「どうされましたレン様?」



あたしが冷や汗を流し始めた事に気がつきそう声を掛けてくるエルスさんにあたしは内心焦りながらも口を開く。



「ナンデモナイヨ」



・・・・・・・・・エルスさん?何でそんなに目を細めてあたしを見るの?怖いんだけど?また心を読まれた?



「レン様?」



・・・・・・・・・・怖い!!



「あのね・・・・ハスラーの店との取引の話・・・ハウダック王国の支店に持って行った方が良かったのかな・・・・・・って思ってさ・・・・・ほら・・・エルスさんの仕事を増やしてるし」



あたしがそう言うとエルスさんが思いっきり・・・・本当に思いっきり溜息をついて呆れたような顔で口を開く。



「レン様?朝にも言いましたが商人が忙しくなることは良い事なのです、ですのでその様な心配はしなくてもいいのです、それと支店にこの話を持って行っても支店では対応に困ると思いますよ?」



・・・・・・・へ?



「いきなりオーナーが来て『そこの店と取引をしてくれ』と言われれば混乱するでしょう?」



・・・・・・・・・あ!確かにハウダックの支店はあたしがオーナーだと知られてない可能性もあるんだ!買い物には行ったけど、オーナーとして顔を出した事が無いんだし!!



「レン様が持ってくる話は私達にとって重要になる話か厄介な話のどちらかであることの方が多いのですから」



・・・・・・・エルスさん?それはあたしは厄介な事しかやらないと遠回しに言ってるんですか?あたし泣いちゃうよ?



「ですので【カグヤ商会】の幹部である私達が対応すべきなのです、わかりましたか?」



真剣な顔でそう言って来るエルスさんにあたしは何度も頷き口を開く。



「わかりました!」



・・・・・・・・・・・・・ハリアー?お願いだから呆れた顔であたしを見ないで欲しいんだけど?



「ではハリアーさん、早速商談といきましよう」



開店前の時間を使って商談を始める2人をあたし達は黙って見守る事にする。

だってあたしは何も知らないから、下手をするとまたエルスさんに怒られるからね!!



「・・・・・・・という事でいいのですね?」



エルスさんがハスラーの店にどの程度の量といつ運び込むかを決めて最終確認をするとハスラーは真剣な顔で頷く。



「それで頼みます、でも最初の納品の量は少し多めに入れて欲しいんだが?少し研究をしたいので」



「わかりました」



それからエルスさんは素早く契約書を作成しお互いにサインをして頷き合う。



・・・・・・・・・・・・商人だ!エルスさんが商人をしてる!!怒ると怖いエルスさんが商人の顔で仕事をしてる!!



あたしはエルスさんの仕事をするところなんて滅多に見ないから思わず心の中でそう呟いてしまった。



「さて・・・・レン様?」



ニッコリとした笑顔であたしを見ながらそう声を掛けて来たのであたしは心を読まれたかと思い慌てて口を開く。



「はひ!!」



・・・・・・・・・・めっちゃ恥ずかしいです!!2人共お願いだからそんな顔をしないで!!



「レン様?」



あたしの態度にエルスさんが首を傾げ名前を呼ぶ。



「エルスさん、何か言いたかったんじゃないの?」



あたしが慌ててそう言うとエルスさんが苦笑しながら口を開く。



「商談が終りましたのでレン様の見い出した人材に会いに行きましよう・・・・・と言いたかったのですが」



良かった!心が読まれてる訳じゃなかったよ!!

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