レディース異世界満喫禄

あたしの事まで気にししてくれるなんて！！

「あのぉ・・・」



あたし達のやり取りを見ていた騎士さんが躊躇いながら声をかけて来た。



「あ！ごめんね！ハスラーから話は聞いてるんだよね？」



あたしがそう聞くと騎士さんが真剣な顔で頷く。



「そこに転がってるのがそうなんだけど連れて行ってくれるかな？このまま放置すると周りの人達に迷惑を掛けると思うんだ」



あたしがそう言うと騎士さんが頷き一緒に来ていた衛兵さんに視線を向けて頷くと、衛兵さん達が転がってる男共を抱え始めた。



「では我々はこれで帰らせていただきます、ご苦労様でした」



いやいや！！それはあたしのセリフだべ！！！わざわざ厄介者を引き取りに来てもらえて助かったんだからね}！！



「こっちこそ助かったよ」



あたしがそう言うと騎士さんは１度最敬礼をした後に衛兵さん達を追いかけるように戻ってい行った。



あたし達は騎士さん達を見送った後ルシーラさんに視線を向けて口を開く。



「あいつ等も引き取ってもらえたから、あたし達はこれで帰らせてもらうね」



あたしがそう言うとルシーラさんが微笑みながら頷き口を開く。



「気を付けて帰ってね、また呑みましょう」



その誘いは喜んで！！と思い笑顔で頷く。



「今度は客として来い」



ハリアーの言葉にも頷く。



「勿論だよ、今度はアンタお勧めの煮物を食べに来るよ」



本当に楽しみなんだよ！！もつ煮なんてこっち来てから食べてなかったし！！



あたし達は２人に見送られて王都の自宅へ向かい歩き出した。









「ただいまー！！」



あたし達は何処にも寄らず家に戻ってそう声を掛けて家に入った。



「お帰りなさいませレン様」



家に入って３０秒もせずにシンがやって来てあたし達を見て微笑みながらそう言ってくれた。



「今日は悪かったね」



あたしが申し訳ない気持ちでそう言うとシンが微笑みながら口を開く。



「お気になさらずに、あの後子供達も楽しんで街を見て回っておりましたので」



それを聞いてほっとした！と思いながらシンとリビングに行くと子供達が笑顔であたし達を出迎えてくれた。



「「「「「「「「「「「お帰りレンお姉ちゃん！！」」」」」」」」」」」」



やっぱり子供達の笑顔ってホッとするよね！！ってそうじゃない！！



「皆ごめんね？せっかく皆で街を見て回ろうって言ったのに」



あたしがそう言って謝るとキリカが笑顔で首を左右に振り口を開く。



「いいんだよレンお姉ちゃん！！レンお姉ちゃんは私達が楽しめるようにしてくれてるけど私達だってレンお姉ちゃんに楽しんでもらいたいもん！！」



キリカの言葉に他の子達も笑顔で頷く。



うううううううう！！！なんて良い子達なんだ！！あたしの事まで気にししてくれるなんて！！



「ちょ！！レンお姉ちゃん！！少し痛いよ！！」



「あ！ごめんね！！」



キリカの言葉を聞き思わず抱きしめてしまった！！しかも力加減を少し誤った！！

そう思いながらキリカを解放し、他の子達も抱きしめる。



「それじゃあ皆でご飯を食べようか」



あたしはやっぱり幸せだと思った一日だった。



「そうね！！お腹が空いたわ！！！」



間違えました！！あたしが過ごす日常全てが幸せだとアリーヌさんの言葉でそう思った！！





子供達が寝静まった後大人組で集まり呑みながら過ごしていると玄関からノック音が聞こえた。



「私が行きます」



シンがそう言って玄関に向かい戻ってきた時にはプレシアとエルミアが一緒に来た。



「今日も来てくれたんだね」



やっぱり友達が訊ねて来てくれるのは嬉しいよね。