レディース異世界満喫禄

日の丸

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閑話 とある女性に起きた事5

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「レンの家族はこっちには居ないでしょ?」



シンさんの言葉に私は声を上げてしまい慌てて他の人が寝ているテントを見てみるとおきる気配が無いのでホッとした。



「大丈夫ですよ、仲間に結界を張ってもらい話が聞こえないようにしてありますから」



私の心配をわかったようでシンさんがそう言って来た。



「なら普通に話すわね、レンの家族もこっちに来ているの?」



私の質問にシンさんが首を左右に振る。



「様々な理由で孤児となった子供達を『家族』として迎えてアズエルという街でご生活なされています」



「え?」



その言葉に驚いていると更にシンさんは言葉を続ける。



「貴女の前に来た【渡り人】はアラビータという国を【魔法】で支配してレン様が住んでいる国に宣戦布告をしたのです」



私は何も言えなくなりそのまま視線をシンさんに向け続ける。



「そして神様から事情を聴いたレン様はご家族とご友人の安全の為にアラビータに乗り込み【渡り人】を手にかけました」



私はこの世界に来て『まだ誰も殺してはいない』、風魔法を使って追い払ってるだけだ。

だからレンの気持ちがわかならない。



「そしてレン様は暫くアラビータに残りアラビータを立て直す為に尽力なされました」



残った人の為に頑張ったという事だろうか?



「私が響子様に言いたかった事は簡単な事です、レン様は決して貴女を傷つけたりはしないし、貴女の不幸を望まないのですよ、あの方は知り合いには笑って欲しいと考える方ですから」



真剣な顔でそう言って来るシンさんは信用できると思ってしまった、それにこれほどまで信用されているという事は本当に皆の為に頑張ってるという事だと思う。



「取り敢えずレン様がいかに過ごされてたかを知る為にこれをお読みください」



シンさんが【アイテムボックス】から一冊の本を取り出してテーブルの上に置く。



「これは誇張されてはいませんので」



ニッコリと笑うシンさんを見た後その本を手に取る。



「【お姉さまの華麗なる軌跡  第1章】?」



まあ寝れないから読んでみるか。







「あああああ!!ミズキを連れてくるんだった!!」



川の前でそう言いながら頭を抱えて叫ぶ姿を信じられないものを見る顔で思わず見てしまった。



「ねえシンさん?レンはなんであんなに悲しんでいるの?」



シンさんに視線を向けてそう聞くとシンさんは表情を変えずに口を開く。



「私達の仲間の中に『水』を操れる者がいるのですよ、その従者の力で魔物を狩れば簡単に肉を獲れると思っているのです」



「・・・・・・・・・・・肉?」



何を言ってるのこの人?



「はい、このダンジョンに来た理由の一つが『レオス』という魔物の肉なのです、響子様とお会いしたのは偶然でしたから」



シンさんにそう言われた後にもう一度頭を抱えているレンをもう一回見て思わず溜息をついた。



「ねえシンさん。あの本に書いてあったことは本当に起きた事なの?」



取り敢えず4章まで読んだあの本を思い出した。



「勿論です」



あの本のおかげ?あの本のせい?でレンが信じられる人間だと言うのはわかったけどね。
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