レディース異世界満喫禄

日の丸

文字の大きさ
上 下
1,125 / 1,656

本当にやめてリュージュ!!

しおりを挟む
あたしは王都を出る為に外へ向かい歩き出して・・・・5分後にリュージュの店に戻った。



「忘れ物でもしたの?」



戻って来たあたしを見て驚くリュージュと何かを忘れたと思ったフィルミナがそう聞いてきたのであたしは2人に真剣な視線を向けて口を開く。



「【ウルステア】はどっちに行けばいいの?」



国境に行かないといけないってのは知ってるけど、どっちの方向に進むのかを知らないんだよね!!

・・・・・・・・・・・・・・・やめて!!そんな『何言ってんのコイツ?』って視線であたしを見ないで!!



「・・・・・・・・・・【迷いの谷】を覚えてる?その方角に進めば【ウルステア】とウォルムの国境にいけるわ、普通に歩いて行けば一月はかかるけどギンガ達に頼めばかなり早く着くと思うわ」



止めてフィルミナ!!溜息をつきながら説明しないで!!



「私は貴女が凄い人間か抜けた人間なのか考える時があるわ」



ため息をつきながらしみじみと言うのは本当にやめてリュージュ!!あたしだって『やらかした!!』って思ってるんだから!!



「・・・助かったよ、今度こそ行くね」





恥ずかしい!!この言葉めっちゃ恥ずかしい!!何が『・・・助かったよ、今度こそ行くね』だよ!!

その前に『んじゃね!』とか言ったのに!!



「レン、さっきも言ったけど気をつけなさいよ?貴女は偶にやらかすんだから」



「あうっ」



にっこりと笑いながらそう言うフィルミナにあたしは呻く事しかできなかった。



「ぷっ!!本当に気を付けてね」



へこむあたしを見て吹き出しながらリュージュがそう言ってあたしの背中を叩きながらそう言って来たのであたしは苦笑しながら口を開く。



「気を付けるよ、んじゃね!」



今度こそ外に出る為にあたし達は歩き出した。





あたし達は王都を出て王都近くの森に向かって歩いて行った。

森に入り誰も見てない所でドラゴンズに乗せてもらう為だ、誰かに見られたら大騒ぎになるからね。



「ここなら大丈夫かな?」





あたしはドラゴンズの元の大きさに戻ってもらいその背に乗せてもらい空へと舞い上がる。



「オレオあっちに向かって飛んでくれる?」



あたしは【迷いの谷】のある方向を指さしながらオレオにお願いをする。



「グラァァァァ」



オレオが返事かわりにそう吠えると他の子達も吠えオレオの後ろからついてくる。



「空を飛ぶって気持ちいいねぇ」



アラビータ事件の時はそんな事を感じる余裕がなかったのでしみじみと呟いてしまう。



「レン様、確か【迷いの谷】までギンガさんに乗せてもらって2時間位でしたから国境まで一日くらいかかると見ておいた方がいいでしょう」



あたしの隣でタウラの背に乗ったシンがそう言って来た。

たしか歩いて4時間かかった所をギンガ達のおかげで2時間で済んだんだったね。



「まあ空を進んでるからね、早くもなるよね」



障害物や魔物も襲ってこないのだから早くもなるよね。



「速く着くのはいい事だからね、でも国境から離れた場所で下に降りるよ」



流石にドラゴンズに乗ったまま国境にある通行所に行ったらかなりの騒ぎになる事があたしにも容易に想像できるからね!!

あたしの言葉に皆が頷く、皆もわかっているんだね。

そして出発した時は朝でもう少しで夕方となる頃にカナデがあたしに声を掛けてきた。



「レン様!!あそこを!!」



ミズキが指差す方向を見ると立派な砦と国境線を主張するように石壁が左右に伸びていた。



「あれだね、少し開けた場所を探して降りよう、んでもって今日あそこで休む」



夜に国境を通りたくないからね。



「「「「「「「畏まりました」」」」」



ドラゴンズ達は少し開けた場所へと舞い降りた。



しおりを挟む
感想 1,343

あなたにおすすめの小説

キャラ交換で大商人を目指します

杵築しゅん
ファンタジー
捨て子のアコルは、元Aランク冒険者の両親にスパルタ式で育てられ、少しばかり常識外れに育ってしまった。9歳で父を亡くし商団で働くことになり、早く商売を覚えて一人前になろうと頑張る。母親の言い付けで、自分の本当の力を隠し、別人格のキャラで地味に生きていく。が、しかし、何故かぽろぽろと地が出てしまい苦労する。天才的頭脳と魔法の力で、こっそりのはずが大胆に、アコルは成り上がっていく。そして王立高学院で、運命の出会いをしてしまう。

異世界転移しましたが、面倒事に巻き込まれそうな予感しかしないので早めに逃げ出す事にします。

sou
ファンタジー
蕪木高等学校3年1組の生徒40名は突如眩い光に包まれた。 目が覚めた彼らは異世界転移し見知らぬ国、リスランダ王国へと転移していたのだ。 「勇者たちよ…この国を救ってくれ…えっ!一人いなくなった?どこに?」 これは、面倒事を予感した主人公がいち早く逃げ出し、平穏な暮らしを目指す物語。 なろう、カクヨムにも同作を投稿しています。

ようこそ異世界へ!うっかりから始まる異世界転生物語

Eunoi
ファンタジー
本来12人が異世界転生だったはずが、神様のうっかりで異世界転生に巻き込まれた主人公。 チート能力をもらえるかと思いきや、予定外だったため、チート能力なし。 その代わりに公爵家子息として異世界転生するも、まさかの没落→島流し。 さぁ、どん底から這い上がろうか そして、少年は流刑地より、王政が当たり前の国家の中で、民主主義国家を樹立することとなる。 少年は英雄への道を歩き始めるのだった。 ※第4章に入る前に、各話の改定作業に入りますので、ご了承ください。

【書籍化決定】俗世から離れてのんびり暮らしていたおっさんなのに、俺が書の守護者って何かの間違いじゃないですか?

歩く魚
ファンタジー
幼い頃に迫害され、一人孤独に山で暮らすようになったジオ・プライム。 それから数十年が経ち、気づけば38歳。 のんびりとした生活はこの上ない幸せで満たされていた。 しかしーー 「も、もう一度聞いて良いですか? ジオ・プライムさん、あなたはこの死の山に二十五年間も住んでいるんですか?」 突然の来訪者によると、この山は人間が住める山ではなく、彼は世間では「書の守護者」と呼ばれ都市伝説のような存在になっていた。 これは、自分のことを弱いと勘違いしているダジャレ好きのおっさんが、人々を導き、温かさを思い出す物語。 ※書籍化のため更新をストップします。

リリゼットの学園生活 〜 聖魔法?我が家では誰でも使えますよ?

あくの
ファンタジー
 15になって領地の修道院から王立ディアーヌ学園、通称『学園』に通うことになったリリゼット。 加護細工の家系のドルバック伯爵家の娘として他家の令嬢達と交流開始するも世間知らずのリリゼットは令嬢との会話についていけない。 また姉と婚約者の破天荒な行動からリリゼットも同じなのかと学園の男子生徒が近寄ってくる。 長女気質のダンテス公爵家の長女リーゼはそんなリリゼットの危うさを危惧しており…。 リリゼットは楽しい学園生活を全うできるのか?!

貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。

黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。 この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。

転生社畜、転生先でも社畜ジョブ「書記」でブラック労働し、20年。前人未到のジョブレベルカンストからの大覚醒成り上がり!

nineyu
ファンタジー
 男は絶望していた。  使い潰され、いびられ、社畜生活に疲れ、気がつけば死に場所を求めて樹海を歩いていた。  しかし、樹海の先は異世界で、転生の影響か体も若返っていた!  リスタートと思い、自由に暮らしたいと思うも、手に入れていたスキルは前世の影響らしく、気がつけば変わらない社畜生活に、、  そんな不幸な男の転機はそこから20年。  累計四十年の社畜ジョブが、遂に覚醒する!!

5歳で前世の記憶が混入してきた  --スキルや知識を手に入れましたが、なんで中身入ってるんですか?--

ばふぉりん
ファンタジー
 「啞"?!@#&〆々☆¥$€%????」   〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜  五歳の誕生日を迎えた男の子は家族から捨てられた。理由は 「お前は我が家の恥だ!占星の儀で訳の分からないスキルを貰って、しかも使い方がわからない?これ以上お前を育てる義務も義理もないわ!」    この世界では五歳の誕生日に教会で『占星の儀』というスキルを授かることができ、そのスキルによってその後の人生が決まるといっても過言では無い。  剣聖 聖女 影朧といった上位スキルから、剣士 闘士 弓手といった一般的なスキル、そして家事 農耕 牧畜といったもうそれスキルじゃないよね?といったものまで。  そんな中、この五歳児が得たスキルは  □□□□  もはや文字ですら無かった ~~~~~~~~~~~~~~~~~  本文中に顔文字を使用しますので、できれば横読み推奨します。  本作中のいかなる個人・団体名は実在するものとは一切関係ありません。  

処理中です...