1,024 / 1,656
まともな巫女様だ!!
しおりを挟む「これより即位式を始める!」
ハウダック王国の宰相であるフカムさんがそう言い放つとざわついていた会場が静粛に包まれる。
そしてフカムさんの隣にいる女性が口を開く。
「女王エミリア様がご入場されます、礼をもってお迎えください」
会場中の人々が頭を下げた状態でエミリアさんが入ってくるのを待っているとフカムさんが『ありがとうございました』と言ったので頭をあげると大聖堂の中央に用意されている玉座にエミリアさんが座っていた。
そしてその後フカムさんの隣にいる女性がエミリアさんの隣に移動した後口を開く。
「本日は神の巫女様である私・・・・リオーネがこの式を取り仕切らせていただきます」
目を引くのは黒髪をポニーテールにしてその頭には犬の耳・・・・獣人族の巫女さんでかなりの美人だった。
しかも親近感がわくような事が一つ・・・とてもスレンダー!!あたしの仲間だ!!
巫女様がそう言った後大聖堂内を見渡した後に口を開く。
「新たなる女王となるプレシァーナ・モーリッツ、お入りください」
その言葉と共に大聖堂の出入り口の扉が開き一人の女性が出入り口に姿を現した。
その女性は薄い緑色のドレスを纏い赤いマントを羽織って立っている。
そしてそのマントにはハウダック王国の紋章がしっかりと縫い付けられており、ドレスとマントの色がマッチしていて一枚の姿絵のようだった。
会場中の人間がその姿を忘れないように目に焼き付けるがごとく目を見開いてその姿を見ていると、その女性・・・プレシアは大聖堂に居るエミリアの所へと歩き始める。
「今日ここに新たなる女王が誕生します、それは新しい時代の始まりではありますが今までの治政が失われる訳ではありません、エルミア女王の治政を引き続きながらも更なる発展を齎す事が出来るでしょう」
プレシアがエミリアさんの下に歩いている最中、神の巫女が誰に話す訳でもなく言葉を紡ぐ。
「そしてここにいる皆様は新しい時代となる瞬間に立ち会う事に事となりました、皆様はこの場に居ることを神に感謝しそして祈りましょう」
・・・・・・・・・・・まともな巫女様だ!!ユナのように怠け者でもないし、アルナーのように脳筋でもない!!あ!でもエルフィはまともな巫女様だったね!!
そんな事を考えていたらプレシアがエミリアさんの前に跪く。
「これより王位の譲渡を始めます」
リオーネさんはそう言って玉座に座るエミリアさんの前に立ちエミリアさんに一礼した後にエルミアさんの頭に乗っている王冠をそっと持ち上げて大事そうに抱える。
そして玉座に座ってるエミリアさんが立ち上がり玉座から離れた場所まで移動して立ち止まる。
そしてリオーネさんは大事に抱えていた王冠を跪いたままのプレシアの前に立ち王冠をプレシアの頭に乗せた後に跪き、両手をあわせ祈りを始める。
「神よ新たなる女王へ慈悲と加護をお与えください」
そう言った後暫く祈り続けた後立ち上がる。
「プレシア―ナ女王、玉座にお座りください」
プレシア―ナが玉座に座るとあたし達ゲスト組以外は一斉に跪く。
「これより新たなる女王プレシア―ナ様が国を治めます、皆様は国の為・・・そして女王様の為に己が役目を全うしてください」
リオーネさんの言葉にゲスト組以外の人達がそのままの体勢で声をそろえて『はっ!!』ッと言って動かなくなった所でプレシアが口を開く。
「私は若く未だ知らぬこともある、だが私はこの国を良くするためにこの命全てを使うと此処に誓う、だから皆も私にその力を貸してほしい、共に国の為に」
そう言った後プレシアは大きく深呼吸して口を開く。
「共に幸せになろうではないか!!」
プレシアが望んだ事が今から始まるんだね、頑張れプレシア!!
112
お気に入りに追加
1,279
あなたにおすすめの小説

魔法が使えない令嬢は住んでいた小屋が燃えたので家出します
怠惰るウェイブ
ファンタジー
グレイの世界は狭く暗く何よりも灰色だった。
本来なら領主令嬢となるはずの彼女は領主邸で住むことを許されず、ボロ小屋で暮らしていた。
彼女はある日、棚から落ちてきた一冊の本によって人生が変わることになる。
世界が色づき始めた頃、ある事件をきっかけに少女は旅をすることにした。
喋ることのできないグレイは旅を通して自身の世界を色付けていく。

異世界リナトリオン〜平凡な田舎娘だと思った私、実は転生者でした?!〜
青山喜太
ファンタジー
ある日、母が死んだ
孤独に暮らす少女、エイダは今日も1人分の食器を片付ける、1人で食べる朝食も慣れたものだ。
そしてそれは母が死んでからいつもと変わらない日常だった、ドアがノックされるその時までは。
これは1人の少女が世界を巻き込む巨大な秘密に立ち向かうお話。
小説家になろう様からの転載です!

聖女の力を隠して塩対応していたら追放されたので冒険者になろうと思います
登龍乃月
ファンタジー
「フィリア! お前のような卑怯な女はいらん! 即刻国から出てゆくがいい!」
「え? いいんですか?」
聖女候補の一人である私、フィリアは王国の皇太子の嫁候補の一人でもあった。
聖女となった者が皇太子の妻となる。
そんな話が持ち上がり、私が嫁兼聖女候補に入ったと知らされた時は絶望だった。
皇太子はデブだし臭いし歯磨きもしない見てくれ最悪のニキビ顔、性格は傲慢でわがまま厚顔無恥の最悪を極める、そのくせプライド高いナルシスト。
私の一番嫌いなタイプだった。
ある日聖女の力に目覚めてしまった私、しかし皇太子の嫁になるなんて死んでも嫌だったので一生懸命その力を隠し、皇太子から嫌われるよう塩対応を続けていた。
そんなある日、冤罪をかけられた私はなんと国外追放。
やった!
これで最悪な責務から解放された!
隣の国に流れ着いた私はたまたま出会った冒険者バルトにスカウトされ、冒険者として新たな人生のスタートを切る事になった。
そして真の聖女たるフィリアが消えたことにより、彼女が無自覚に張っていた退魔の結界が消え、皇太子や城に様々な災厄が降りかかっていくのであった。

婚約破棄された上に国外追放された聖女はチート級冒険者として生きていきます~私を追放した王国が大変なことになっている?へぇ、そうですか~
夏芽空
ファンタジー
無茶な仕事量を押し付けられる日々に、聖女マリアはすっかり嫌気が指していた。
「聖女なんてやってられないわよ!」
勢いで聖女の杖を叩きつけるが、跳ね返ってきた杖の先端がマリアの顎にクリーンヒット。
そのまま意識を失う。
意識を失ったマリアは、暗闇の中で前世の記憶を思い出した。
そのことがきっかけで、マリアは強い相手との戦いを望むようになる。
そしてさらには、チート級の力を手に入れる。
目を覚ましたマリアは、婚約者である第一王子から婚約破棄&国外追放を命じられた。
その言葉に、マリアは大歓喜。
(国外追放されれば、聖女という辛いだけの役目から解放されるわ!)
そんな訳で、大はしゃぎで国を出ていくのだった。
外の世界で冒険者という存在を知ったマリアは、『強い相手と戦いたい』という前世の自分の願いを叶えるべく自らも冒険者となり、チート級の力を使って、順調にのし上がっていく。
一方、マリアを追放した王国は、その軽率な行いのせいで異常事態が発生していた……。

【完結】公爵家の末っ子娘は嘲笑う
たくみ
ファンタジー
圧倒的な力を持つ公爵家に生まれたアリスには優秀を通り越して天才といわれる6人の兄と姉、ちやほやされる同い年の腹違いの姉がいた。
アリスは彼らと比べられ、蔑まれていた。しかし、彼女は公爵家にふさわしい美貌、頭脳、魔力を持っていた。
ではなぜ周囲は彼女を蔑むのか?
それは彼女がそう振る舞っていたからに他ならない。そう…彼女は見る目のない人たちを陰で嘲笑うのが趣味だった。
自国の皇太子に婚約破棄され、隣国の王子に嫁ぐことになったアリス。王妃の息子たちは彼女を拒否した為、側室の息子に嫁ぐことになった。
このあつかいに笑みがこぼれるアリス。彼女の行動、趣味は国が変わろうと何も変わらない。
それにしても……なぜ人は見せかけの行動でこうも勘違いできるのだろう。
※小説家になろうさんで投稿始めました

病弱が転生 ~やっぱり体力は無いけれど知識だけは豊富です~
於田縫紀
ファンタジー
ここは魔法がある世界。ただし各人がそれぞれ遺伝で受け継いだ魔法や日常生活に使える魔法を持っている。商家の次男に生まれた俺が受け継いだのは鑑定魔法、商売で使うにはいいが今一つさえない魔法だ。
しかし流行風邪で寝込んだ俺は前世の記憶を思い出す。病弱で病院からほとんど出る事無く日々を送っていた頃の記憶と、動けないかわりにネットや読書で知識を詰め込んだ知識を。
そしてある日、白い花を見て鑑定した事で、俺は前世の知識を使ってお金を稼げそうな事に気付いた。ならば今のぱっとしない暮らしをもっと豊かにしよう。俺は親友のシンハ君と挑戦を開始した。
対人戦闘ほぼ無し、知識チート系学園ものです。

フリーター転生。公爵家に転生したけど継承権が低い件。精霊の加護(チート)を得たので、努力と知識と根性で公爵家当主へと成り上がる
SOU 5月17日10作同時連載開始❗❗
ファンタジー
400倍の魔力ってマジ!?魔力が多すぎて範囲攻撃魔法だけとか縛りでしょ
25歳子供部屋在住。彼女なし=年齢のフリーター・バンドマンはある日理不尽にも、バンドリーダでボーカルからクビを宣告され、反論を述べる間もなくガッチャ切りされそんな失意のか、理不尽に言い渡された残業中に急死してしまう。
目が覚めると俺は広大な領地を有するノーフォーク公爵家の長男の息子ユーサー・フォン・ハワードに転生していた。
ユーサーは一度目の人生の漠然とした目標であった『有名になりたい』他人から好かれ、知られる何者かになりたかった。と言う目標を再認識し、二度目の生を悔いの無いように、全力で生きる事を誓うのであった。
しかし、俺が公爵になるためには父の兄弟である次男、三男の息子。つまり従妹達と争う事になってしまい。
ユーサーは富国強兵を掲げ、先ずは小さな事から始めるのであった。
そんな主人公のゆったり成長期!!

こちらの異世界で頑張ります
kotaro
ファンタジー
原 雪は、初出勤で事故にあい死亡する。神様に第二の人生を授かり幼女の姿で
魔の森に降り立つ 其処で獣魔となるフェンリルと出合い後の保護者となる冒険者と出合う。
様々の事が起こり解決していく
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる