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思いっきり撫でちゃうぞ!!
しおりを挟む紅茶を飲んで一息ついた所でまたもノック音がしてミズキが扉越しに会話をした後に扉をあけて客人を招く。
「レンお姉ちゃん久しぶり!!」
「レンさん久しぶりです」
そう言いながら入ってきた二人の男の子・・・・ケインの息子のレオと、アクスの息子のフィリッツだった。
「2人共久しぶりだね、今日は2人が参加するんだ?」
あたしがそう聞くとレオとフィリッツが頷く。
「父上から国の代表として言って来るように言われました」
レオが真剣な顔でそう言うとフィリッツも真顔で頷く。
「まあ即位式は堅苦しいけど、その後のパーティーは気楽にできるみたいだから頑張りな、あ!即位式までまだ時間があるからうちの子達と一緒に居てあげて」
そうすればうちの子達の緊張もほぐれるし、何より退屈しないで済むと思うんだ。
「レンお姉ちゃん・・・・実は僕達もそれが目的で会いに来ました」
ばつの悪そうな顔でレンがそう言って来たので思わず笑ってしまいその後にレオの頭を撫でまくる。
「別に恥ずかしくないだろ?うちの子達と友達なんだから」
レオはあたしがそう言うと笑顔になり頷く。
「あ!でもフィリッツはうちの子達と会ったこと無かったよね?皆が良い子だから仲良くしてくれると嬉しいな」
フィリッツにそう言うとフィリッツは笑顔で口を開く。
「レオから皆の話は聞いていました、会うのが本当に楽しみだったんです」
と嬉しい事を言ってくれたので今度はフィリッツの頭を思いっきり撫でまわす。
なんて良い子達なんだ!!お姉さん思いっきり撫でちゃうぞ!!
「うちの子達と友達になってあげておくれ、皆!即位式が始まるまでみんなで遊んでいなよ」
後であたしとレオのやり取りを見ていた子供達があたしの言葉を聞きレオ達に駆け寄って行った。
その後に楽しそうに話し始める子供達を見ながら紅茶を飲むという穏やかな時間を過ごすことが出来た。
暫くのんびりと過ごしたらノック音の後に騎士が入って来た。
「失礼します、お時間となりましたので即位式の行われる大聖堂へと移動してただきます、僭越ながら私がご案内いたします」
騎士がそう言って一礼した後部屋を出てあたし達を待っている。
「それじゃあ移動するよ、はぐれないようにしなよ?手をつないでいこうか」
「「「「「「はーい!!」」」」」」
あたし達は騎士さんの後について行き大聖堂とやらに移動した。
「でっかいねぇ」
城の隣にデカい建物があると思ってたけどまさかそこが大聖堂になってるとは思わなかったよ。
「此処はハウダック王国10神教の本部となります、今日の即位式にハウダック王国の神の巫女様が取り仕切りますので」
あたしの呟きに案内してくれた騎士さんが答えてくれた。
ああ!そう言えばゴスペラータでの即位式では神の巫女であるユナが取り仕切っていたね。
「即位式は神の巫女が取り仕切るのが決まりなの?」
あたしが騎士さんにそう聞くと騎士さんが頷く。
「はい新たなる王を神に認めてもらう為に神の巫女様が取り仕切り神に祈り祝福を得るのです」
まあ神様が存在する世界だからこそしきたりなんだね。
そう言えばあたしハウダック王国の神の巫女と会った事ってないんだよね、どんな子なんだろう?
普通は大聖堂って言うと皆が座れるように長い椅子が並べてあるんだけどそれが全部取り除かれていて、もうかなりの人が大聖堂に集まっていた。
「皆様は前の方に場所が用意してありますのでそちらにご案内します」
かなりの人数が集まってる中を騎士さんは前に向かい進んでいきある場所で足を止める。
「ここですね」
そう言われた場所には見知った顔である、ラッチさんやエミットさんも来ていた。
「お!来たな!!」
あたしを見てエミットさんはニヤリと笑う。
「レン様、どうぞこちらに」
ラッチさんは一歩下がりあたしを前に出そうととしている、どうやら気を利かせて顔見知りでまとめてくれているようだ。
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