レディース異世界満喫禄

閑話 従業員達の衝撃的な１日

私はとある商会に勤めている２３歳の独身女性、彼氏いない歴４年で今は仕事を生き甲斐にしている。

私の勤めるのは【カグヤ商会】と言う商会。今最も勢いのある商会と言ってもいい。

その商会に私は運よく就職できた。



「チュリア！おはよう！！」



私と同期の友達であるオリナが私に声を掛けて来た。



「おはようオリナ、確か今日って新しい服が入るんだよね？」



「そうよ、数日前にサンプルを見たけどかなりいい服だったわ、欲しくなっちゃった！」



「それほど？」



「うん！」



【カグヤ商会】は元は衣服関係とレシピを主に販売していた商会だったのだが数ヶ月前に総合商会となり様々な商品を扱う事になり更に人気が出た、その中でも女性が着る服が人気商品となっている。



私達はオープンの準備を終えてお客様の来店を各々好きな場所で待つ。

私は入口近くで待つことにして、今日より販売する服をうっとりしながら見ていていつの間にかお客様が来てその服を見ていることに気がつき慌てて姿勢を正しお客様を見て・・・・・そして驚いた。

そのお客様はうちの商品の中にある姿絵と同じ容姿に同じ服・・・・・・・【カグヤ商会】のトップであるレン様だった。



「どうも、この服可愛いね」



嬉しそうに言ってくる姿を見た時あの姿絵が誇張されていない事を理解した。



「そちらは小さなお子様に人気の商品でございます、現在７種類の着ぐるみがございましてその中からお選びいただき購入していただいております」



私は緊張しながらいつもお客様に説明しているようにレン様に説明をした、するとレン様が嬉しそうに頷いた後に口を開く。



「そうなんだ、まあ少し店の中を見てくるね」



笑うお顔がとても眩しく思い頭を深々と下げながら『ごゆるりとお楽しみください』としか言えなかった。

私はレン様が店に入った後すぐにオリナを見つけて声を掛けた。



「大変よオリナ！！オーナーが店にいらしたわ！！」



「え？レン様が？本当？」



信じられないような顔で聞いてきたので私はまがいで頷く。



「先程少し話をさせてもらったわ、お客様として来てるみたいだからしっかりと接客をするよう皆に伝えて、私も他の子達に伝えるから」



「わかったわ」



それから私達はレン様から遠くも近くのない距離に一人は控えるようにして買い物のサポートをするように心がけた。



レン様は様々な商品を一緒に来た人達と楽しそうに見ながら選び買い物を続けていき、店内を歩きとある場所・・・地下室へと行こうとしたので慌てて声を掛ける。



「お客さまそちらは在庫商品を保管してある場所となりますのでご遠慮ください」



本当は地下室は『特別購買室』となっており、レン様に関する商品を販売している所だ。

姿絵、書籍、レプリカの武器、そして衣服とかが置いてあり、総括・・・・エルス様から『見つかればすべて燃やされるから来店した時しっかりと隠蔽する事』と言われている場所だ。

まあ特別会員証が無いと入る事は出来ないけど間違って入られたら全てを燃やされるかもしれないのでしっかりと止めておいた。

ちなみに私は【お姉さまの華麗なる軌跡】を全巻読破している、名作だと思う。



「ごめんね勝手に入ろうとして」



とても申し訳なさそうにレン様が言って来たので慌ててしまった。



「こちらこそ変な事を言って申し訳ありません！お許しくださいオーナー！！」



思わず口にした後に『やってしまった』と思った、身分を隠して楽しく買い物をしていたのに私が台無しにしてしまったのだ。



「えーっともしかして気がついてた？」



気まずさそうに言って来たの私は頷いた後に口を開く。



「はい、ですがオーナーはお客様としてご来店されたのでお客様として扱わせていただきました」



それを私が台無しにしてしまった、どんなお叱りの言葉が来るのか怖くなってきた。



「うん、貴女の対応は間違ってないよ、これからもこの店をよろしくね」



お叱りの言葉ではなく『間違っていない』・・・・・と！そしてその後に『これからもこの店をよろしくね』と笑顔で言われて思わず驚いてしまい固まってしまった。

『はっ！いけない！！』と現実に戻り私は深々と頭を下げたら自然と口を開く。



「はい！頑張ります！！」



私はこの仕事が好きだったけど、この出来事があってからもっと好きになった。