レディース異世界満喫禄

日の丸

文字の大きさ
上 下
963 / 1,656

お断りだべさ!!

しおりを挟む
「相変わらずだなお前は」



アストレイがケインにレスティオールであたしと王族組のやり取りを説明した後に言った言葉。



「あたしだって好きで王族に会いに行ったわけじゃないよ」



それなのに飯を食べた後にああなるとは思わなかったんだよ。



「で?アストレイはレスティオールの王族をどう見た?」



さっき聞いたけどメイシェル王国とレスティオールの付き合いはないらしい、なのでこういう機会はケインにとってもいい機会だそうだ。



「街を歩いた感じ治世は悪くないな、だが本人に会ってみたがレスティオール王は平時にはいい王だろうが緊急事には頼りなさを感じたな、それと部下や肉親に甘く見られてる節がある」



「ふむ・・・・」



「それと娘の教育に関して悔いていたようだから家庭に関してはあまり口を出していなかったのかもしれん」



「え?『色々手を尽くしたが』って言ってなかった?」



確かそんな事を王様が言っていた気がする。



「直ってないであろう?多分最初のうち言っていただけで奥方や教育係に丸投げだったのではないかな?」



・・・・・・・なるほど。



「アストレイ他に気になる事はあったか?」



考え込んでいたケインが真剣な顔でそう訊ねる。



「そうだな・・・・今の王はともかく次代の王が危ういな」



へ?あの王太子が王になると危ないって事?



「レンと王のやり取りの中で王太子がかなり王族意識がが高い感じがしたからな、このタイプは権力を得ると『俺様政権』になる事が多い」



凄く納得!



「まああたしがレコアさんの事に関してかなり言ったら『我々が王族だという事を忘れていないか?』って言ったし」



「まあ城で過ごしていればそうなるだろう、これに関しては俺の家も気をつけねばならんな」



「レオとラクスは素直な良い子じゃん」



あたしの言葉を聞きケインは苦笑しながら首を左右に振る。



「これからどうなるかわからんだろう?あの子達の年頃は様々な影響を受けるからな、もし今の王政に不満がある者が傍で要らぬことを吹き込んで考え方を変える事だってあり得るのだから」



まあそう聞くとそうなのかな?って思うけど、そんな事まで考えなきゃいけないなんて本当に王様なんてめんどくさいね。



「ケインも大変な仕事についてるね」



あたしの言葉にケインが笑い始める。



「まったくだ!皆が『王』とは何も考えず好き勝手出来るものと誰もが思っているからな、どうだレン?お前がメイシェル王国を治めるか?お前なら喜んで譲るぞ?」



ケインがニヤニヤしながらそう言って来たけどあたしは顔をしかめる。



「嫌に決まってるじゃん、好き好んでなるモノじゃないよ」



少しの間やったから尚更大変な事を分かってるのでお断りだべさ!!



「そいつは残念だ」



笑いながらそう言うと真顔に戻る。



「だが一つだけ言っておく、お前とお前の周囲の人間は確かに強い、だが今後他国の・・・・見知らぬ王族と会う場合レスティオール王とのやり取りみたいな事は止めよ、下手をすればその場で切り捨てられる、」



口調は厳しめだけどあたしを心配してくれるのがよくわかるのであたしも真顔になり頷く。



「まあそんな簡単に王族と会話するとかいう状況になるとは思えんが・・・・・・・・お前だしな」



ケインの言葉にあたしは視線を逸らす。



「あたしだって望んで王族と会う訳じゃないべさ」



そう言うとケインとアストレイが同時に笑い出した。



「まあ頑張れ、すまぬがアストレイはこのまま置いて行ってくれ、お前は家に戻り子供と過ごすといい」



「あいよ、アストレイの迎えはどうする?」

 

「エルスに頼んでくれるか?アストレイとの話は今晩中に済ませるから、まあそれにエルスに少し聞きたい事があったからな」



ケインの提案にあたしは頷く。



「わかったよ、これからエルスさんに伝えてくる」



あたしは2人に見送られながらレスティオールの拠点へと転移した。

しおりを挟む
感想 1,344

あなたにおすすめの小説

病弱が転生 ~やっぱり体力は無いけれど知識だけは豊富です~

於田縫紀
ファンタジー
 ここは魔法がある世界。ただし各人がそれぞれ遺伝で受け継いだ魔法や日常生活に使える魔法を持っている。商家の次男に生まれた俺が受け継いだのは鑑定魔法、商売で使うにはいいが今一つさえない魔法だ。  しかし流行風邪で寝込んだ俺は前世の記憶を思い出す。病弱で病院からほとんど出る事無く日々を送っていた頃の記憶と、動けないかわりにネットや読書で知識を詰め込んだ知識を。  そしてある日、白い花を見て鑑定した事で、俺は前世の知識を使ってお金を稼げそうな事に気付いた。ならば今のぱっとしない暮らしをもっと豊かにしよう。俺は親友のシンハ君と挑戦を開始した。  対人戦闘ほぼ無し、知識チート系学園ものです。

少し冷めた村人少年の冒険記

mizuno sei
ファンタジー
 辺境の村に生まれた少年トーマ。実は日本でシステムエンジニアとして働き、過労死した三十前の男の生まれ変わりだった。  トーマの家は貧しい農家で、神から授かった能力も、村の人たちからは「はずれギフト」とさげすまれるわけの分からないものだった。  優しい家族のために、自分の食い扶持を減らそうと家を出る決心をしたトーマは、唯一無二の相棒、「心の声」である〈ナビ〉とともに、未知の世界へと旅立つのであった。

スキル【僕だけの農場】はチートでした~辺境領地を世界で一番住みやすい国にします~

カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
旧題:スキル【僕だけの農場】はチートでした なのでお父様の領地を改造していきます!! 僕は異世界転生してしまう 大好きな農場ゲームで、やっと大好きな女の子と結婚まで行ったら過労で死んでしまった 仕事とゲームで過労になってしまったようだ とても可哀そうだと神様が僕だけの農場というスキル、チートを授けてくれた 転生先は貴族と恵まれていると思ったら砂漠と海の領地で作物も育たないダメな領地だった 住民はとてもいい人達で両親もいい人、僕はこの領地をチートの力で一番にしてみせる ◇ HOTランキング一位獲得! 皆さま本当にありがとうございます! 無事に書籍化となり絶賛発売中です よかったら手に取っていただけると嬉しいです これからも日々勉強していきたいと思います ◇ 僕だけの農場二巻発売ということで少しだけウィンたちが前へと進むこととなりました 毎日投稿とはいきませんが少しずつ進んでいきます

外れギフト魔石抜き取りの奇跡!〜スライムからの黄金ルート!婚約破棄されましたのでもうお貴族様は嫌です〜

KeyBow
ファンタジー
 この世界では、数千年前に突如現れた魔物が人々の生活に脅威をもたらしている。中世を舞台にした典型的なファンタジー世界で、冒険者たちは剣と魔法を駆使してこれらの魔物と戦い、生計を立てている。  人々は15歳の誕生日に神々から加護を授かり、特別なギフトを受け取る。しかし、主人公ロイは【魔石操作】という、死んだ魔物から魔石を抜き取るという外れギフトを授かる。このギフトのために、彼は婚約者に見放され、父親に家を追放される。  運命に翻弄されながらも、ロイは冒険者ギルドの解体所部門で働き始める。そこで彼は、生きている魔物から魔石を抜き取る能力を発見し、これまでの外れギフトが実は隠された力を秘めていたことを知る。  ロイはこの新たな力を使い、自分の運命を切り開くことができるのか?外れギフトを当りギフトに変え、チートスキルを手に入れた彼の物語が始まる。

フリーター転生。公爵家に転生したけど継承権が低い件。精霊の加護(チート)を得たので、努力と知識と根性で公爵家当主へと成り上がる 

SOU 5月17日10作同時連載開始❗❗
ファンタジー
400倍の魔力ってマジ!?魔力が多すぎて範囲攻撃魔法だけとか縛りでしょ 25歳子供部屋在住。彼女なし=年齢のフリーター・バンドマンはある日理不尽にも、バンドリーダでボーカルからクビを宣告され、反論を述べる間もなくガッチャ切りされそんな失意のか、理不尽に言い渡された残業中に急死してしまう。  目が覚めると俺は広大な領地を有するノーフォーク公爵家の長男の息子ユーサー・フォン・ハワードに転生していた。 ユーサーは一度目の人生の漠然とした目標であった『有名になりたい』他人から好かれ、知られる何者かになりたかった。と言う目標を再認識し、二度目の生を悔いの無いように、全力で生きる事を誓うのであった。 しかし、俺が公爵になるためには父の兄弟である次男、三男の息子。つまり従妹達と争う事になってしまい。 ユーサーは富国強兵を掲げ、先ずは小さな事から始めるのであった。 そんな主人公のゆったり成長期!!

転生先ではゆっくりと生きたい

ひつじ
ファンタジー
勉強を頑張っても、仕事を頑張っても誰からも愛されなかったし必要とされなかった藤田明彦。 事故で死んだ明彦が出会ったのは…… 転生先では愛されたいし必要とされたい。明彦改めソラはこの広い空を見ながらゆっくりと生きることを決めた 小説家になろうでも連載中です。 なろうの方が話数が多いです。 https://ncode.syosetu.com/n8964gh/

追放された引きこもり聖女は女神様の加護で快適な旅を満喫中

四馬㋟
ファンタジー
幸福をもたらす聖女として民に崇められ、何不自由のない暮らしを送るアネーシャ。19歳になった年、本物の聖女が現れたという理由で神殿を追い出されてしまう。しかし月の女神の姿を見、声を聞くことができるアネーシャは、正真正銘本物の聖女で――孤児院育ちゆえに頼るあてもなく、途方に暮れるアネーシャに、女神は告げる。『大丈夫大丈夫、あたしがついてるから』「……軽っ」かくして、女二人のぶらり旅……もとい巡礼の旅が始まる。

異世界リナトリオン〜平凡な田舎娘だと思った私、実は転生者でした?!〜

青山喜太
ファンタジー
ある日、母が死んだ 孤独に暮らす少女、エイダは今日も1人分の食器を片付ける、1人で食べる朝食も慣れたものだ。 そしてそれは母が死んでからいつもと変わらない日常だった、ドアがノックされるその時までは。 これは1人の少女が世界を巻き込む巨大な秘密に立ち向かうお話。 小説家になろう様からの転載です!

処理中です...