レディース異世界満喫禄

あたしは嬉しいよ！！

スフィアに関する情報を聞きたいからルーナさんに話しかけたけど、思いのほか意外な情報を知ることが出来た。



「ルーナさん、さっきも言ったように【契約魔法】を使ってる以上アンタだったら【デッドティガー】以外は契約が難しいかもしれないから忘れないでね」



【叡智の書】の情報をもう一度伝えておく。



「でもそれは絶対じゃないから偶にチャレンジしてもいいと思うよ」



【叡智の書】の説明にも『契約魔法が受け入れられなくなる場合がある』とはあるが『不可能』とは書いてない、可能性はあるという事だ。

隣を見るとアンリがガイア達とじゃれ合っていて、それを見て思わず微笑んでしまう。



「本当にその子達大人しいわよね、うちの子は結構気難しいから人に触られるのは嫌がるのよ」



隣で寝転がってるテムリアを優しい顔で見るルーナさん、本当にテムリアの事を大切にしているのが伝わってくる、この人もいい人なんだね。



「多分それは種族的なものもあると思うんだ、あたしが保護した【デッドティガー】の子供もあたし以外に触られるのを嫌がってたし」



ヴェリスは最後まで撫でさせてもらえなかったし、【デッドティガー】って気まぐれな猫って感じがしたんだよね。



それからしばらくルーナさんと話をしていい時間を過ごしたのでお店の支払いはあたしがして店を出る。



「いいの？私とテムリアで結構食べたのに」



「あたしが話を聞きたかったから声を掛けた訳だし、とても参考になったからね支払い位はさせて」



ルーナさんと話す事で色んな情報を知ることが出来た、そのお礼と思えば安い物だと思う。



「レンちゃん今日は私も面白い情報を知ることが出来たわ、ありがとうね」



「こちらこそありがとう、またどこかで会ったら声を掛けてくださいね」



「ええ！その時は新しい仲間を紹介するわ！」



そう言いながら離れていくルーナさんを見送った後、夕方となったので宿に向かう事になった。



「ごめんねアンリあたしの話が長引いちゃって、街を見て周る時間が無くなっちまった」



「大丈夫だよレンお姉ちゃん、ガイアちゃん達と遊べたから！！」



笑顔で言い切るアンリに思わず頭を撫でてしまう。

なんていい子なんだ！！うちの子達と同じくらい優しい子だよ！



「明日にはこの街を出るから次の街ではゆっくり見て周ろうね」



「はい！！」



そして今日の宿【風の宿】に着きアンリを部屋に送って自分にあてがわれた部屋に入りホット一息。



「カナデ、お茶お願いしていい？」



「畏まりました」



カナデが紅茶を用意してくれている間、ボケーっとコハクをモフモフした後用意してもらった紅茶を飲んでのんびりとしていたらノック音がしたので、カナデがドアに向かい戻って来た・・・シン達と共に。



「あれ？かなり早かったね」



「急ぎましたからね、ただいま戻りましたレン様」



「お疲れ様！ちょうどお茶してる所だったからあんた等も飲みなよ」



そう言った時にはカナデがもう人数分の紅茶を用意していた、カナデすごいね言われなくても用意するようになるなんて、色々経験して成長してるんだねあたしは嬉しいよ！！

暫く紅茶を飲みながら報告を聞いていたらシンが真顔になる。



「レン様お願いがあります、【転移の腕輪】を貸していただけませんか？エルスさんに少し用があるのでアズエルに行きたいのです」



「ん？ならあたしが送ろうか？」



ついでに子供達とギンガ達に会って来るのもいいかもしれないし。



「いいえそれはなりません、貴女はこの依頼を受けているのです、何かあった時いなければ問題となりますから」



ああ！それもそうか！！一応あたしが居ないいとまずいか！！



「わかったよ、んじゃこれね」



シンに【転移の腕輪】を渡す。



「明日までには戻ります」



シンとミズキが【転移の腕輪】を使いアズエルに戻っていった。