レディース異世界満喫禄

かなり遠くまで飛ばされたね！！

「まだ魔物が来るかもしれん、守護隊は交代で見張りをする！ジェイド見張りの編成を、選ばれなかった奴らは詰所に戻り、休息と食事をしておけ、後自分の武器の手入れも忘れるなよ！」



ハザックは守護隊に指示を出した後あたしの方に歩いてきた。



「すまん待たせた、ギルドに案内する」



「悪いね」



「ついでだ気にするな、ギルマスとも話をせねばならないからな」



先程の『ここは何処？』宣言をした後あたしの状況を話すと、この国は【レインプトス王国】と言う国でこの街は辺境伯が治める【クライシア】と言う街だそうだ。

そして詳しく話すためにギルドに行くこととなったのだ。



案内された建物はアズエルのギルドと同じくらいの大きさだった。



「すまんギルマスに話があるのだが」



ハザックが受付嬢に話を掛けると受付嬢が立ち上がる。



「ご案内します」



受付嬢の後をついて二階に上がりしばらく歩き一つの扉の前で止まりノックをする。



「ギルマスハザック様がいらしゃいました」



「入って」



中から女性の声が聞こえ受付嬢が扉を開けた後一歩下がり頭を下げる。



「どうぞ」



最初にハザックが入りその後にあたしが入る。

そして中で待っていたのは２０代の出来ますオーラを醸しだした緑の髪をショートにした美人さんがいるに座って、あたし達を見ていた。



「アイナ一応第一陣は防いだ・・・・がこれだけとは思えんから討伐者に残ってもらえるよう通達してくれ、給金に関しては辺境伯から出るから心配はない」



「わかったわ、で？そちらのお嬢さんは？」



あたしを見る目が鋭い・・・・ん？この人耳が長い？そんな人初めて見た。



「このお嬢ちゃんは今日の功労者だ、このお嬢ちゃんがいなきゃ死人が出ていた」



ハザックが言うとギルマスが立ち上がり頭を下げる。



「そうありがとう、うちの討伐者の被害を最小限に抑えられたのは貴女のお陰なのね」



「たまたま間に合っただけだよ」



そう言って首を振るがハザックがそれを否定する。



「それでも・・・だ、しかもこのお嬢ちゃんここの討伐者じゃないらしい」



ハザックの言葉にギルマスが再び視線を鋭くする。



「ホームのは【メイシェル王国】らしい、ダンジョンに潜っていて、転移トラップでこっちに飛ばされたらしい」



「それは・・・・・」



ギルマスが奥にある戸棚に向かい何かを取って戻って来てテーブルの上で広げる。

地図のようだ。



「ここがこの国【レインプトス王国】ね、そしてこっちが【メイシェル王国】と大体陸路だと一年ちょっとかかるわ」



かなり遠くまで飛ばされたね！！まあこれで場所の把握は出来たね。



「でもそんな状況でこの街を救ってくれるなんて・・・・ありがとう」



「見えたからね、間に合ってよかったよ」



お互いに笑い合った後にギルマスがあたしにカードを見せてと言ってきたのでギルドカードを渡す。



「Ａランカーね納得よ、じゃあ貴女にも今回の緊急依頼の報酬を渡さないとね、それと泊まる場所はギルドで紹介するし、宿泊代はギルドが出す」



「いいの？」



あたしの問いにギルマスがニヤリとする。



「もちろん下心はあるわ、まだ【大災害】が終わったと思えないから、貴女にこの街に居てほしいのよ」



なるほど！ちゃっかりしてるねこのギルマス、嫌いじゃないよ！！



「分かったべ、その宿を教えて？今日は色々ありすぎてすぐ休みたいんだ」



あたしの言葉にギルマスが案内係を付けてくれたのでギルドを後にして、その案内人、さっき部屋まで案内してくれた受付嬢だった。



「ここです、もう話は通してありますからゆっくりしてください」



「ありがとう」



宿に入って部屋に案内され中に入る。

そして日光を【アイテムボックス】から取り出して壁に立てかける、これでこの部屋の目印が出来た。



「取り合えす鍵を閉めて・・・・・・」



アズエルに帰る前にチョット一休み。



「今日は怒涛の一日だった・・・・・・」



【大地の最奥】の５０階に着きべへモス相手に『さあ戦うぞ！！』って挑もうとしてここに飛ばされて、飛ばされた先で【大災害】とか・・・・・・



あたしはいきなりの眠気に抗うことが出来なくなりそのまま眠った。