レディース異世界満喫禄

日の丸

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あたしは別にいい人じゃないからね!!

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「な?俺の言った通りだろう?」



ケインが疲れたような顔でアクス、エルミア、プレシアを見て言い放っていた。

何の事さ!しかも皆がため息をつきながら頷いてるし!!



「レンよ、俺は『国宝級』と言ったんだぞ?それを簡単に作れるとか外で言う事ではないぞ?お前はともかく子供達を人質に取りお前を拉致・魔道具作りをさせられる可能性だってあるのだ、気を付けろ」



アクスがため息をつきながら言ってきて、確かにそれはあるかも!!とおもってしまった。



「確かにそうだね気を付けるよ」



あの子達が巻き込まれるのはいやだべさ!!



「あ!そうだ!ケイン悪いんだけど国旗をまたもらえるかな?二枚ほど」



ガイアとリーンの分のももらわないと!!



「む?ああ確かに増えてるな、判った後で渡そう」



ケインがアニマルズを見てガイアとリーンに視線を向け納得した。



「それならば俺もウォルムの国旗を必要分渡そう、ウォルムに居るときは使えばいい」



ケインの言葉に追随するようにアクスが言ったので、は?と思いアクスに問いただす。



「いいのアクス?国旗って国の顔だよ?それをあたしにくれるなんて」



「いいさレンの従魔達にも国を救ってもらってるのだ、その礼をまだしていないので丁度いい」



アクスがニヤリとしながら言うとエルミアさんも軽く手を挙げてにこやかに『うちの国旗もあげるわ』と言い放って来て、流石に足を止める。



「何でエルミアさんまで?メイシェル王国の国旗だけでも十分なんだけど」



「レンそれは間違ってるわ、その国の国旗があるのであればそっちを使うべきよ、意味合いが全然違ってくるわ」



確かに他国の国旗では『他国が認めた者が自国に来ただけ』だが自国の国旗であるのならば『国が認めた者、手出し無用』となる。



「二人共本当にいいの?」



「「もちろん」」



声をそろえて返事して来た。



「レンもらっておけ、二人共お前に助けてもらい何か礼がしたいのだ、これで二人も納得するだろう」



「分かったよ、ありがとう二人共」



二人に向かい頭を下げてお礼を言った後、移動を再開して【銀狼の寝床】に向かい歩き出す。



「あの店に行くのか?久しぶりで楽しみだな」



ケインはプレオープンの時にカレーが気に入ってたんだよね、あれからモンドが頑張ってメニューを増やしているから期待していて欲しいね。



「どこに向かおうとしているのだ?」



アクスが歩きながら聞いて来るので歩きながら答える。



「あたしの店だよ、あたしの故郷料理を出してるんだ、こっちでは珍しいから楽しみにしていて」



そんな話をしながら【銀狼の寝床】に着き店に入る。



「いらっしゃいませ・・・ってオーナーじゃないですか、今日はお食事ですか?」



顔なじみの従業員に聞かれて頷く。



「うん二階を使うけど誰かいる?」



「今は誰も居ません」



「ならあたし達がいる間は、上にあげないようにして」



流石に王様達と一緒に食事をさせるのは可哀そうだ、なので先にいって上がってこないようにしておいた方がいい。



「わかりました」



あたし達は階段を上りテーブルに着き一息つく。



「さてこれがメニューだよ、聞いたことのない料理だろうけれど全部美味しいから、好きなのを選んで」



常備されているメニューを皆に渡し選んでもらい、料理を頼む。

あたしは猪のステーキ、ケインはグラタン、アクスはカレー、エルミアさんはピザ、プレシアは猪のステーキ、アンヌシアさんはミートソースのパスタを頼み雑談モードに入る。



その中で話題はやはりメイシェル王国とウォルムが預かる奴らの事だ。

エルミアさんがあたしにメイシェル王国に預ける者達の運搬を任せてくれるという事を言った時、メンドクサイと思ったがエルミアさんが『愚か者の末路をキチンと見届けてくれ』と言われたとき素晴らしい!!と思った。

あたしもメイシェル王国とケインが馬鹿にされたのを未だに怒っているのだ、少しくらいはその『愚か者』の末路を見てスッキリしたい、あたしは別にいい人じゃないからね!!



そんな事を話しながら食事をして、王様たちは料理を大絶賛!その後解散となった。



因みに後で三大国の王達が食事をした事を知ったモンドがその場で気絶したそうだ。

頑張ったよモンドは!!

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