355 / 1,656
あたしは仲間に恵まれてるんだよね!!
しおりを挟む「プレシア、もう仲間は探さなくていいよ?あたし達で十分だ」
「は?」
仲間云々の話で落ち込んだプレシアの肩を叩き笑いかける。
「あたし達は少数でダンジョンを制覇出来るくらいだから、数の不利なんて問題ないよ」
「本当に?」
疑いの眼差しであたしを見ているプレシアにエルスさんが答える。
「本当ですよ、ダンジョン制覇をしてウォルム王と拝謁なさりました」
エルスさんの答えにプレシアが固まった。
「ん?どうしたのプレシア?」
「貴女ってすごい人だったのね」
まじまじと見られた後にそう言ってため息をつくプレシア。
「仲間が皆凄いんだよ、あたしは助けられてばかりだ」
スタンピードの時も皆が居なければ三ヶ所同時攻略なんてできなかったし、大災害だって皆が居たから早々に収束することが出来たんだし、あたしは仲間に恵まれてるんだよね!!
「だから【軍】は心配しなくていいよ、プレシアは【知】と【武】に専念して・・・・そう言えばアンタ武器は何使うのさ?」
「・・・・・・無手よ」
「無手・・・武闘家って事だよね・・・【バイダスターナ】はいつから始まるの?」
「二週間後よ」
ミズキ帰って来るかな?仕方ないからあたしが少し手ほどきをするしかないかなぁ・・・・【荒川流】の技は教える事は無いけど基本的な事なら教えてもいいかな?
「良し決まり!プレシア!まず明日ギルドであたし達に依頼を出す、その後ここに戻ってあたしと手合わせだ、基本を教えてあげる」
「教える?何を?」
「あたしも無手の流派をかじってるんだよ、だからそれを教えてあんたの能力の底上げをする」
「私結構強いわよ?」
「なら風呂あがったら手合わせだ、それが手っ取り早い」
「分かった」
そして風呂上がりのリビングで大の字で倒れているプレシアを見下ろすあたし。
「何なの貴女・・・汗一つ・・・呼吸すら乱れていないなんて」
息を切らせながら寝転がるプリシアを見下ろしニヤリとする。
「鍛え方が違うのさ、でもこれで分かったべ?明日から鍛えてあげるよ」
あたしを見上げ、少し間を置いた後真剣な目で『お願いします』と言ったので頷く。
「アンタが少しでも強くなれるようにするよ」
少しでも危険を回避する力を付けてもらわないとね!
「プレシア温泉にもう一回入っておいでよ、汗だくだからね、カナデついて行ってあげて」
「畏まりました」
プリシアとカナデを見送った後あたしはエルスさんに気になる事があったので相談することにする。
「ねえエルスさん、プリシアの一族と他の二家に関する情報、それと・・・・王城での派閥のパワーバランスとかが気になるんだけど、どうすれば知ることが出来るかな?」
プリシアの話を聞く限りプリシアの一族はかなり後手に回り立場で言うと三王家の中で一番下っぽいんだよね。
「でしたら街にいる情報屋に依頼すればいいと思います」
「あ!そういう人っているんだ」
なんかドラマっぽいね!!
「どこの街にもいると思いますよでも今回は運が良かったですね、もう情報屋とは顔見知りと言うか会ってますよ」
「え?誰?」
「テレスの昔馴染みですよ、テレスが持ってきた【バイダスターナ】の情報は彼女から聞いたそうです」
あの綺麗なお姉さんか!!明日ギルドに行ってついでに探してみようかな?
そんな話をしていたらプレシア達が戻って来たので今日は寝る事にした。
「お休みなさい」
さあ明日から少し忙しくなるぞ!!
141
お気に入りに追加
1,279
あなたにおすすめの小説

魔法が使えない令嬢は住んでいた小屋が燃えたので家出します
怠惰るウェイブ
ファンタジー
グレイの世界は狭く暗く何よりも灰色だった。
本来なら領主令嬢となるはずの彼女は領主邸で住むことを許されず、ボロ小屋で暮らしていた。
彼女はある日、棚から落ちてきた一冊の本によって人生が変わることになる。
世界が色づき始めた頃、ある事件をきっかけに少女は旅をすることにした。
喋ることのできないグレイは旅を通して自身の世界を色付けていく。

異世界リナトリオン〜平凡な田舎娘だと思った私、実は転生者でした?!〜
青山喜太
ファンタジー
ある日、母が死んだ
孤独に暮らす少女、エイダは今日も1人分の食器を片付ける、1人で食べる朝食も慣れたものだ。
そしてそれは母が死んでからいつもと変わらない日常だった、ドアがノックされるその時までは。
これは1人の少女が世界を巻き込む巨大な秘密に立ち向かうお話。
小説家になろう様からの転載です!

婚約破棄された上に国外追放された聖女はチート級冒険者として生きていきます~私を追放した王国が大変なことになっている?へぇ、そうですか~
夏芽空
ファンタジー
無茶な仕事量を押し付けられる日々に、聖女マリアはすっかり嫌気が指していた。
「聖女なんてやってられないわよ!」
勢いで聖女の杖を叩きつけるが、跳ね返ってきた杖の先端がマリアの顎にクリーンヒット。
そのまま意識を失う。
意識を失ったマリアは、暗闇の中で前世の記憶を思い出した。
そのことがきっかけで、マリアは強い相手との戦いを望むようになる。
そしてさらには、チート級の力を手に入れる。
目を覚ましたマリアは、婚約者である第一王子から婚約破棄&国外追放を命じられた。
その言葉に、マリアは大歓喜。
(国外追放されれば、聖女という辛いだけの役目から解放されるわ!)
そんな訳で、大はしゃぎで国を出ていくのだった。
外の世界で冒険者という存在を知ったマリアは、『強い相手と戦いたい』という前世の自分の願いを叶えるべく自らも冒険者となり、チート級の力を使って、順調にのし上がっていく。
一方、マリアを追放した王国は、その軽率な行いのせいで異常事態が発生していた……。

迷い人と当たり人〜伝説の国の魔道具で気ままに快適冒険者ライフを目指します〜
青空ばらみ
ファンタジー
一歳で両親を亡くし母方の伯父マークがいる辺境伯領に連れて来られたパール。 伯父と一緒に暮らすお許しを辺境伯様に乞うため訪れていた辺境伯邸で、たまたま出くわした侯爵令嬢の無知な善意により 六歳で見習い冒険者になることが決定してしまった! 運良く? 『前世の記憶』を思い出し『スマッホ』のチェリーちゃんにも協力してもらいながら 立派な冒険者になるために 前世使えなかった魔法も喜んで覚え、なんだか百年に一人現れるかどうかの伝説の国に迷いこんだ『迷い人』にもなってしまって、その恩恵を受けようとする『当たり人』と呼ばれる人たちに貢がれたり…… ぜんぜん理想の田舎でまったりスローライフは送れないけど、しょうがないから伝説の国の魔道具を駆使して 気ままに快適冒険者を目指しながら 周りのみんなを無自覚でハッピーライフに巻き込んで? 楽しく生きていこうかな! ゆる〜いスローペースのご都合ファンタジーです。
小説家になろう様でも投稿をしております。

フリーター転生。公爵家に転生したけど継承権が低い件。精霊の加護(チート)を得たので、努力と知識と根性で公爵家当主へと成り上がる
SOU 5月17日10作同時連載開始❗❗
ファンタジー
400倍の魔力ってマジ!?魔力が多すぎて範囲攻撃魔法だけとか縛りでしょ
25歳子供部屋在住。彼女なし=年齢のフリーター・バンドマンはある日理不尽にも、バンドリーダでボーカルからクビを宣告され、反論を述べる間もなくガッチャ切りされそんな失意のか、理不尽に言い渡された残業中に急死してしまう。
目が覚めると俺は広大な領地を有するノーフォーク公爵家の長男の息子ユーサー・フォン・ハワードに転生していた。
ユーサーは一度目の人生の漠然とした目標であった『有名になりたい』他人から好かれ、知られる何者かになりたかった。と言う目標を再認識し、二度目の生を悔いの無いように、全力で生きる事を誓うのであった。
しかし、俺が公爵になるためには父の兄弟である次男、三男の息子。つまり従妹達と争う事になってしまい。
ユーサーは富国強兵を掲げ、先ずは小さな事から始めるのであった。
そんな主人公のゆったり成長期!!

転生貴族のスローライフ
マツユキ
ファンタジー
現代の日本で、病気により若くして死んでしまった主人公。気づいたら異世界で貴族の三男として転生していた
しかし、生まれた家は力主義を掲げる辺境伯家。自分の力を上手く使えない主人公は、追放されてしまう事に。しかも、追放先は誰も足を踏み入れようとはしない場所だった
これは、転生者である主人公が最凶の地で、国よりも最強の街を起こす物語である
*基本は1日空けて更新したいと思っています。連日更新をする場合もありますので、よろしくお願いします

子爵家の長男ですが魔法適性が皆無だったので孤児院に預けられました。変化魔法があれば魔法適性なんて無くても無問題!
八神
ファンタジー
主人公『リデック・ゼルハイト』は子爵家の長男として産まれたが、検査によって『魔法適性が一切無い』と判明したため父親である当主の判断で孤児院に預けられた。
『魔法適性』とは読んで字のごとく魔法を扱う適性である。
魔力を持つ人間には差はあれど基本的にみんな生まれつき様々な属性の魔法適性が備わっている。
しかし例外というのはどの世界にも存在し、魔力を持つ人間の中にもごく稀に魔法適性が全くない状態で産まれてくる人も…
そんな主人公、リデックが5歳になったある日…ふと前世の記憶を思い出し、魔法適性に関係の無い変化魔法に目をつける。
しかしその魔法は『魔物に変身する』というもので人々からはあまり好意的に思われていない魔法だった。
…はたして主人公の運命やいかに…

出来損ないと呼ばれた伯爵令嬢は出来損ないを望む
家具屋ふふみに
ファンタジー
この世界には魔法が存在する。
そして生まれ持つ適性がある属性しか使えない。
その属性は主に6つ。
火・水・風・土・雷・そして……無。
クーリアは伯爵令嬢として生まれた。
貴族は生まれながらに魔力、そして属性の適性が多いとされている。
そんな中で、クーリアは無属性の適性しかなかった。
無属性しか扱えない者は『白』と呼ばれる。
その呼び名は貴族にとって屈辱でしかない。
だからクーリアは出来損ないと呼ばれた。
そして彼女はその通りの出来損ない……ではなかった。
これは彼女の本気を引き出したい彼女の周りの人達と、絶対に本気を出したくない彼女との攻防を描いた、そんな物語。
そしてクーリアは、自身に隠された秘密を知る……そんなお話。
設定揺らぎまくりで安定しないかもしれませんが、そういうものだと納得してくださいm(_ _)m
※←このマークがある話は大体一人称。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる