245 / 1,656
閑話 今日も国王は薬を欲す
しおりを挟む
「よく集まってくれた」
今この部屋には国を支える者たちの長が集まっていた。
それとは別にアストレイとエルスもいるが必要な情報もこの会議で話すのでいてもらう事にしたのだ。
「さて会議を始める前に用意してある資料を見てくれ」
昨日レンから報告受けた事を徹夜でクラウが作ってくれたのだ。
暫くは紙をめくる音と、時たま驚きの声が聞こえる時間となり、10分くらいで読み終わったような雰囲気となったので会議を始めることとする。
「読んでもらったように『神の巫女』に関することだ」
話を始めようとして所で一人の男・・・・財務省、部長ハンス・エイガ―が挙手して立ち上がる。
「陛下、会議の前にこの会議に関係ない者が二人います、大事な情報ですので退室願いたい」
ハンスがアストレイとエルスを睨みながら意見する。
「この二人は俺が此処に居ることを許可した、文句はあるか?」
今はこいつの私情にかまっている暇はない。
「・・・・・いえ、ありません」
「よろしい、では始めるクラウ」
「はい、まずは昨日巫女様が帰られたときに、巫女様に神託があり、資料に書いてあることを言われたそうです、この神託により巫女様の命は国の命といっても過言ではなくなりました」
レンから言われた・・・なんて事は此処に居る奴らの半分は信じないから『神からの神託』という事にした。
巫女が殺されればその場所から災害は広がる・・・・・・想像しただけでも胃が痛くなってきた。
その痛みを誤魔化すように力を込めて入れ立ち上がり声張り上げる。
「なのでこれを機に第五師団を設立する!第五師団は巫女の護衛を主とし第一師団から第四師団と共に国を守ってもらう、初代師団長にフォート・ジニスを任命する」
「・・・・・・は?」
いきなり自分の名前が出てくるとは思わなかったのか口をあけたまま固まっている、まあ仕方がないが。
「フォートが第五師団長だ、今回の護衛隊を核として編成する、将来的には他の師団と同人数まで増やす、任せるぞフオート」
「はっ!この命に代えましても陛下の期待に応えて見せます」
「うむ、そして【財務省】【商業省】に来てもらったのは、かかる経費と必要な物品のことを貴殿らに任せる、だが資金に関してはこの前取り潰した三貴族の私財をそのまま使え、これならば国庫を使う必要はない」
「「はっ!」」
「それと第五師団の本部は教会の隣に立てることとなっているのでよろしく頼む、暫くはテントを張って滞在って事になるかもしれんが」
その後細かいことを話し合い会議は三時間くらいで終えた。
皆が部屋を出てフオートが俺の所に来て頭を下げる。
「陛下お願いがあります、第五師団の特別顧問としてある方を登録してはいただけないでしょうか?」
「お前・・いいのか?特別顧問は各師団一人しか認められないのだぞ?」
特別顧問は師団長、副長に何かあった時指揮をする権利を有するのだ、これは戦時の時より受け継がれている習わしなんだが。
「構いません」
迷いなく頷くフオートを見て頷く。
「良かろう、登録せよ」
「ありがとうございます」
部屋を出ていったフオートを見送って部屋に残ったアストレイとエルスとクラウを見て頷く。
「さてと・・・悪かったな二人共退屈な話を聞かせ続けて」
「いいや、お前が必要と思ったのだろう?ならば構わぬさ」
「そうですわ、お気になさらず」
頷くアストレイとエルスを見たのちクラウに一つ頼み事をする。
「クラウ・・・・・胃薬をくれ」
会議の途中からまた胃が痛み始めたんだよ。
今この部屋には国を支える者たちの長が集まっていた。
それとは別にアストレイとエルスもいるが必要な情報もこの会議で話すのでいてもらう事にしたのだ。
「さて会議を始める前に用意してある資料を見てくれ」
昨日レンから報告受けた事を徹夜でクラウが作ってくれたのだ。
暫くは紙をめくる音と、時たま驚きの声が聞こえる時間となり、10分くらいで読み終わったような雰囲気となったので会議を始めることとする。
「読んでもらったように『神の巫女』に関することだ」
話を始めようとして所で一人の男・・・・財務省、部長ハンス・エイガ―が挙手して立ち上がる。
「陛下、会議の前にこの会議に関係ない者が二人います、大事な情報ですので退室願いたい」
ハンスがアストレイとエルスを睨みながら意見する。
「この二人は俺が此処に居ることを許可した、文句はあるか?」
今はこいつの私情にかまっている暇はない。
「・・・・・いえ、ありません」
「よろしい、では始めるクラウ」
「はい、まずは昨日巫女様が帰られたときに、巫女様に神託があり、資料に書いてあることを言われたそうです、この神託により巫女様の命は国の命といっても過言ではなくなりました」
レンから言われた・・・なんて事は此処に居る奴らの半分は信じないから『神からの神託』という事にした。
巫女が殺されればその場所から災害は広がる・・・・・・想像しただけでも胃が痛くなってきた。
その痛みを誤魔化すように力を込めて入れ立ち上がり声張り上げる。
「なのでこれを機に第五師団を設立する!第五師団は巫女の護衛を主とし第一師団から第四師団と共に国を守ってもらう、初代師団長にフォート・ジニスを任命する」
「・・・・・・は?」
いきなり自分の名前が出てくるとは思わなかったのか口をあけたまま固まっている、まあ仕方がないが。
「フォートが第五師団長だ、今回の護衛隊を核として編成する、将来的には他の師団と同人数まで増やす、任せるぞフオート」
「はっ!この命に代えましても陛下の期待に応えて見せます」
「うむ、そして【財務省】【商業省】に来てもらったのは、かかる経費と必要な物品のことを貴殿らに任せる、だが資金に関してはこの前取り潰した三貴族の私財をそのまま使え、これならば国庫を使う必要はない」
「「はっ!」」
「それと第五師団の本部は教会の隣に立てることとなっているのでよろしく頼む、暫くはテントを張って滞在って事になるかもしれんが」
その後細かいことを話し合い会議は三時間くらいで終えた。
皆が部屋を出てフオートが俺の所に来て頭を下げる。
「陛下お願いがあります、第五師団の特別顧問としてある方を登録してはいただけないでしょうか?」
「お前・・いいのか?特別顧問は各師団一人しか認められないのだぞ?」
特別顧問は師団長、副長に何かあった時指揮をする権利を有するのだ、これは戦時の時より受け継がれている習わしなんだが。
「構いません」
迷いなく頷くフオートを見て頷く。
「良かろう、登録せよ」
「ありがとうございます」
部屋を出ていったフオートを見送って部屋に残ったアストレイとエルスとクラウを見て頷く。
「さてと・・・悪かったな二人共退屈な話を聞かせ続けて」
「いいや、お前が必要と思ったのだろう?ならば構わぬさ」
「そうですわ、お気になさらず」
頷くアストレイとエルスを見たのちクラウに一つ頼み事をする。
「クラウ・・・・・胃薬をくれ」
会議の途中からまた胃が痛み始めたんだよ。
152
お気に入りに追加
1,279
あなたにおすすめの小説

魔法が使えない令嬢は住んでいた小屋が燃えたので家出します
怠惰るウェイブ
ファンタジー
グレイの世界は狭く暗く何よりも灰色だった。
本来なら領主令嬢となるはずの彼女は領主邸で住むことを許されず、ボロ小屋で暮らしていた。
彼女はある日、棚から落ちてきた一冊の本によって人生が変わることになる。
世界が色づき始めた頃、ある事件をきっかけに少女は旅をすることにした。
喋ることのできないグレイは旅を通して自身の世界を色付けていく。

劣悪だと言われたハズレ加護の『空間魔法』を、便利だと思っているのは僕だけなのだろうか?
はらくろ
ファンタジー
海と交易で栄えた国を支える貴族家のひとつに、
強くて聡明な父と、優しくて活動的な母の間に生まれ育った少年がいた。
母親似に育った賢く可愛らしい少年は優秀で、将来が楽しみだと言われていたが、
その少年に、突然の困難が立ちはだかる。
理由は、貴族の跡取りとしては公言できないほどの、劣悪な加護を洗礼で授かってしまったから。
一生外へ出られないかもしれない幽閉のような生活を続けるよりも、少年は屋敷を出て行く選択をする。
それでも持ち前の強く非常識なほどの魔力の多さと、負けず嫌いな性格でその困難を乗り越えていく。
そんな少年の物語。

異世界リナトリオン〜平凡な田舎娘だと思った私、実は転生者でした?!〜
青山喜太
ファンタジー
ある日、母が死んだ
孤独に暮らす少女、エイダは今日も1人分の食器を片付ける、1人で食べる朝食も慣れたものだ。
そしてそれは母が死んでからいつもと変わらない日常だった、ドアがノックされるその時までは。
これは1人の少女が世界を巻き込む巨大な秘密に立ち向かうお話。
小説家になろう様からの転載です!

「宮廷魔術師の娘の癖に無能すぎる」と婚約破棄され親には出来損ないと言われたが、厄介払いと嫁に出された家はいいところだった
今川幸乃
ファンタジー
魔術の名門オールストン公爵家に生まれたレイラは、武門の名門と呼ばれたオーガスト公爵家の跡取りブランドと婚約させられた。
しかしレイラは魔法をうまく使うことも出来ず、ブランドに一方的に婚約破棄されてしまう。
それを聞いた宮廷魔術師の父はブランドではなくレイラに「出来損ないめ」と激怒し、まるで厄介払いのようにレイノルズ侯爵家という微妙な家に嫁に出されてしまう。夫のロルスは魔術には何の興味もなく、最初は仲も微妙だった。
一方ブランドはベラという魔法がうまい令嬢と婚約し、やはり婚約破棄して良かったと思うのだった。
しかしレイラが魔法を全然使えないのはオールストン家で毎日飲まされていた魔力増加薬が体質に合わず、魔力が暴走してしまうせいだった。
加えて毎日毎晩ずっと勉強や訓練をさせられて常に体調が悪かったことも原因だった。
レイノルズ家でのんびり過ごしていたレイラはやがて自分の真の力に気づいていく。

異世界でのんびり暮らしてみることにしました
松石 愛弓
ファンタジー
アラサーの社畜OL 湊 瑠香(みなと るか)は、過労で倒れている時に、露店で買った怪しげな花に導かれ異世界に。忙しく辛かった過去を忘れ、異世界でのんびり楽しく暮らしてみることに。優しい人々や可愛い生物との出会い、不思議な植物、コメディ風に突っ込んだり突っ込まれたり。徐々にコメディ路線になっていく予定です。お話の展開など納得のいかないところがあるかもしれませんが、書くことが未熟者の作者ゆえ見逃していただけると助かります。他サイトにも投稿しています。

婚約破棄された上に国外追放された聖女はチート級冒険者として生きていきます~私を追放した王国が大変なことになっている?へぇ、そうですか~
夏芽空
ファンタジー
無茶な仕事量を押し付けられる日々に、聖女マリアはすっかり嫌気が指していた。
「聖女なんてやってられないわよ!」
勢いで聖女の杖を叩きつけるが、跳ね返ってきた杖の先端がマリアの顎にクリーンヒット。
そのまま意識を失う。
意識を失ったマリアは、暗闇の中で前世の記憶を思い出した。
そのことがきっかけで、マリアは強い相手との戦いを望むようになる。
そしてさらには、チート級の力を手に入れる。
目を覚ましたマリアは、婚約者である第一王子から婚約破棄&国外追放を命じられた。
その言葉に、マリアは大歓喜。
(国外追放されれば、聖女という辛いだけの役目から解放されるわ!)
そんな訳で、大はしゃぎで国を出ていくのだった。
外の世界で冒険者という存在を知ったマリアは、『強い相手と戦いたい』という前世の自分の願いを叶えるべく自らも冒険者となり、チート級の力を使って、順調にのし上がっていく。
一方、マリアを追放した王国は、その軽率な行いのせいで異常事態が発生していた……。

フリーター転生。公爵家に転生したけど継承権が低い件。精霊の加護(チート)を得たので、努力と知識と根性で公爵家当主へと成り上がる
SOU 5月17日10作同時連載開始❗❗
ファンタジー
400倍の魔力ってマジ!?魔力が多すぎて範囲攻撃魔法だけとか縛りでしょ
25歳子供部屋在住。彼女なし=年齢のフリーター・バンドマンはある日理不尽にも、バンドリーダでボーカルからクビを宣告され、反論を述べる間もなくガッチャ切りされそんな失意のか、理不尽に言い渡された残業中に急死してしまう。
目が覚めると俺は広大な領地を有するノーフォーク公爵家の長男の息子ユーサー・フォン・ハワードに転生していた。
ユーサーは一度目の人生の漠然とした目標であった『有名になりたい』他人から好かれ、知られる何者かになりたかった。と言う目標を再認識し、二度目の生を悔いの無いように、全力で生きる事を誓うのであった。
しかし、俺が公爵になるためには父の兄弟である次男、三男の息子。つまり従妹達と争う事になってしまい。
ユーサーは富国強兵を掲げ、先ずは小さな事から始めるのであった。
そんな主人公のゆったり成長期!!
悪役令嬢になるのも面倒なので、冒険にでかけます
綾月百花
ファンタジー
リリーには幼い頃に決められた王子の婚約者がいたが、その婚約者の誕生日パーティーで婚約者はミーネと入場し挨拶して歩きファーストダンスまで踊る始末。国王と王妃に謝られ、贈り物も準備されていると宥められるが、その贈り物のドレスまでミーネが着ていた。リリーは怒ってワインボトルを持ち、美しいドレスをワイン色に染め上げるが、ミーネもリリーのドレスの裾を踏みつけ、ワインボトルからボトボトと頭から濡らされた。相手は子爵令嬢、リリーは伯爵令嬢、位の違いに国王も黙ってはいられない。婚約者はそれでも、リリーの肩を持たず、リリーは国王に婚約破棄をして欲しいと直訴する。それ受け入れられ、リリーは清々した。婚約破棄が完全に決まった後、リリーは深夜に家を飛び出し笛を吹く。会いたかったビエントに会えた。過ごすうちもっと好きになる。必死で練習した飛行魔法とささやかな攻撃魔法を身につけ、リリーは今度は自分からビエントに会いに行こうと家出をして旅を始めた。旅の途中の魔物の森で魔物に襲われ、リリーは自分の未熟さに気付き、国営の騎士団に入り、魔物狩りを始めた。最終目的はダンジョンの攻略。悪役令嬢と魔物退治、ダンジョン攻略等を混ぜてみました。メインはリリーが王妃になるまでのシンデレラストーリーです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる