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閑話 密会2
しおりを挟む「あれ?でもグラスおじ様はリアと会った事ないですよ?」
確かにリッツナー伯爵家が後ろ盾に加わってくれるのは心強いけどリアとおじ様とのつながりは無かったはず。
「アインちゃんが良く話してたらしいわ、それで今回の件を聞いて名乗り出てくれたのよ」
ああ!なるほど!!アインハルトはかなり過保護だからおじ様に頼みこんだのかもしれないわね。
「それとお母様、リアのドレスはどうしましょうか?流石にリリア様のお茶会に普段着で出るというのはどうかと思うのですが」
今からドレスを仕立てたら間に合うわけが無いのでどうすべきかを考えなくてはいけない。
私がそう思いながらお母様にそう言うとお母様が微笑みながら口を開く。
「安心して、しっかりとドレスは用意するわ」
・・・・・・・・・・・・・・どうやって用意するんだろう?2日後にはお茶会なのに。
「私の知り合いにもう頼んであるのよ、ほらリアちゃんと再会した時・・・あの後すぐにドレスを頼みに行ったの」
「は?」
え?あの後すぐに?
「すぐにリリアにリアちゃんを紹介したくて急いで作って貰うように頼んだの!もの凄く可愛いのを頼んだわ!!」
目を輝かせながらそう言うお母様を見てドン引きしそうになるのをグッとこらえて口を開く。
「サイズはどうしたのですか?まさか何となくでオーダーしたのですか?」
私がそう言うとお母様が首を左右に振り口を開く。
「リアちゃんのサイズはもう判ってるわ」
「は?え?何でリアのサイズがわかるんですかお母様?6年前のサイズならともかくあの子だって成長しているのですよ?」
6年前はよくお母様がリアに様々な服をプレゼントしていたからサイズはわかってたはずだけど今は違う。
そう思ってそう言うとお母様が腕を組み胸を張って口を開く。
「再会した時に抱きついたでしょ?あの時にあのこのサイズは大体わかったわ」
怖いですお母様!!まさか『抱きつきながらサイズを測ってた』って色々な意味で怖いです!!
「はっはっはっ!!流石セレーナだ!」
笑い事じゃないと思いますお父様!!
「お母様・・・それは無いです」
「えー!ほら私元情報部でしょ?だから抱きついただけで大体サイズがわかるのよ、職業病って奴ね」
なんですかその職業病は!!絶対にダメな職業病ですよ!!
「って事でお茶会までにはドレスが出来ると思うから安心してね」
お母様がにっこり微笑みながらそう言って来たので私は頷く。
「後はリアの説得ね」
私がそう言うとお母様とお父様が視線を交わしその後頷き、そしてお母様が口を開く。
「シアちゃんに任せるわ」
・・・・・・・・・だと思いました!!まあ頑張って説得しますけど!!と内心思っているとお母様が私を見て微笑みながら口を開く。
「でも優秀な妹を持つシアちゃんも大変ね、追いつくのは本当に苦労するわよ?」
私はお母様の言葉に身を引き締め口を開く。
「わかってるわ、でもそれでこそリアって思ってるの、絶対に追いついて見せる」
前の目標は『部隊長』だったのだけれども今のリアの隣に立つ為には『師団長』位にならないといけないわ。
「頑張りなさい」
「はい」
私を励ますお父様とお母様の視線はとても優しかった。
話し合いを終えて寝室に戻り就寝しようとベッドに入るとお母様が口を開く。
「やっぱりリアちゃんの寝顔は可愛いわねぇ」
リアの寝顔を見てデレデレしているお母様を見てさっきのお母様の優しさと威厳は何処に行ったのだろうと溜息をついた。
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