ひとりぼっちな私の大冒険

rikafuuta

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人魚姫となった私

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 ここは、人魚たちが住む海底王国アトランティカだ。私は三原未来(ミハラミク)。自由を愛する人魚の美女だ。私は同じく人魚の父を憎んでいてあの男に二度と近づきたくないために秘密の隠れ家で閉じこもりながらも平気で暮らしている。海の底には多くの秘密が隠されていた。海底にある壮麗な珊瑚の宮殿もそのひとつ。ここには強力な海の王が住んでいて、海底の世界を支配していた。しかし、この物語は彼ではなくその末娘の人魚姫のお話なのだ。


私は地上に出たことがなかったのだが、憎き父を倒して毎日地上を想像して夢見ていた。時々上から不思議な物が落ちてくるのだが、彼女はそれを大事に隠していた。彼女のお気に入りは、2人の人物が踊っている置物なのだ。私は怒りに任せて言い始めた。
「すべてパパが悪いのよ。私だけのとても大切な自由を奪おうとしたんだから。いつか私があの意地悪デブ男を復讐してやるんだから!」
私は隠れ家の宝物の一つ、危険な器具フォークとナイフを手に持って人魚の懐に誰にも見つからないように隠し、そして、沢山の人間の宝物が溢れ、私は構わずに本を読んだり、オルゴールで聴いてみたり、絵を見たり自由な日々をたくさん送ろうと考えている。
「海の世界のパパがいるだけで私は吐き気がするし、ストレス溜まってしまうのよ。まあ思い出しても嫌んなっちゃうわ。だって分からず屋で自己中だし器量がとっても悪いのよ。それに私より綺麗じゃないしひどいそばかすだらけだわ。うーんそうね。そうだわ!海の世界で家出して陸の世界に引っ越せば良いんだわ、それなら、あの男とは永遠に会えなくて済むし、そして赤の他人ですって言ってこのフォークとナイフで刺せば良いのよ。それなら私自身だけのストレス発散するものね」
私はクスクス笑いながら、宝物に癒されていた。そして私は隠れ家から出て海の上まで泳いで行った。

待ちに待った成人の日がやってきて、私は初めて海面に上がることを許された。そこからついに海の向こうの世界を見ることができてほっとしていた。その時遠くに本物の船が見え、そこから不思議なメロディーが聞こえてきたのだ。
 その上まで泳いで、岩の上に乗ると楽しい音楽が流れて来た。奥にとても大きな船が流れていたので、私は船を見つめた。
「ここが海の上、陸の世界なのね。夢みたいにとても綺麗なお空にカッコいい船だわ!私海の世界により陸の世界が大好きになりそうね。海の世界にいても働けるところ無いし、泳ぐだけじゃ体痛くなっちゃうし、私一回転出来ないわよね。おへそを見て回転するなんて恥ずかしいだけだわ!陸の世界なら、恥ずかしい姿見なくて済むのよね」
自由奔放な私は好奇心旺盛な美少女のように踊り出した。

 一方、陸の世界にある海賊船に乗っているのは、イケメンな王子様がいる。
王子様「あーあ、どこかに僕の愛する女の子はいないかな?」
王子様はおかっぱの茶髪の持ち主でかなり優しいお兄さんのような人だったのだ。王子様だけでなくたくさんの恋人や愛人や夫や妻などがドレスを着て踊っていた。
 泳いで近づくと、人魚姫は船の上で踊っているカップルを見つけた!彼女のお気に入りの置物とまったく同じだ。
そして、寂しげに海を見つめる一人の青年に目を奪われた。その姿は、彼女の知らなかった温かい感情を呼び起こすのだった。


突然、強い嵐が発生した。私はその若者を死から救うことを決意し、岸に引き上げた。幸いにも王子は無事だったが、帰路につくと、私は突然、彼の美しい瞳をもう見ることができないことに狂おしいほどの悲しみを覚えたのだ。
「あら、どうしたのかしら?私恋なんかしないはずなのにどうして?」
 
恋する事を覚えた私は、二人の結婚が不可能であることを知っていて、海の魔法使いに救いを求めた。
「魔法使いさんお願いします。私は嫌な父の躾のせいで私の自由奔放が台無しにされそうなのです。」
「あらどうして?お父さんはあなたを愛しているから怒ってくれてるのに?」
「いいえ!私は辛い躾を最後まで聞いたら吐き気がしてストレス溜まっちゃう癖があるんです!」
魔法使いは人魚を人間に変える薬を与えたが、見返りに彼女の美しい髪を要求した。
「もう分かったわよ。これは人間に変えてくれる飲み薬なの。美味しい匂いが漂って来るでしょう。ただし、条件があるわ」
「何でしょうか?もしかして私の声を奪おうと⁉︎」
「いやーね。あなたの声なんて奪うわけないじゃない!」
「では?」
「それはあなたの美しい髪の毛が欲しいのよ」
「私の髪ですか?私の髪ならあなたにあげます!私長い髪長すぎて重くて飽き飽きしてましてショートカットに憧れていたんですよ!私からも条件をあげますわ。私の憎き父、海の王を復讐してください!」
「あらあなたとんでもない事おっしゃるのね?」
「いえ、そんな事ありませんよ!私はあなたのような美人な女性がすごく好きなんですし、あなたはとても強そうなイメージありますわよ!」
「強そうだなんて、私を褒めてくれてありがとう。褒めてくれたお礼としてこの飲み薬をプレゼントするわ。私にあなたの髪をプレゼントしていい?」
「はいもちろん!」
海の魔法使いの女性は私の優しさに触れて私と仲良しになり、私の髪を切るナイフを懐から出すと海の魔法使いは眉をしかめた。
「このナイフはだめよ!これは何かの武器に使う物だわ。私が取って来るから大丈夫よ」
海の魔法使いは髪を切るハサミを取ってきて私の長い髪をおかっぱのような短さで切った。
「魔法使いさんありがとうございます!ヘアカットしてくださったおかげで体と髪の重さもなくなり軽くなりました!では、陸に上がってから人間に変身できる飲み薬飲みたいと思いますのでさようならー!」
私がテンション上がったような明るさで泳ぎ去っていき、海の魔法使いは笑みを浮かべて見送った。
「あの子、明るくてとても良い美人な子だったわね。あの子を信じる力を取り戻せたわね」
海の魔法使いは私の愛していない父を復讐する準備をした。
 一方私は人間になる薬を手に持ち、海の世界から陸の世界まで登って行くのだった。

王子を助けた私は、自分がペンダントをなくしたことに気がつきなかった。目を覚ました王子はそれを見つけ、豊かな巻毛の美しい私を思い出した。彼は心が震えるような思いでいっぱいになった。そして毎日、彼女に再び会うことを願いながら海岸を訪れたのだから。
「あの愛らしい彼女が忘れられないよ。すごく慌てていたようだが」

勇気と愛で満たされた私未来は、その薬を飲み干した。目を覚ますと、尻尾の代わりに人間の脚がついていた。
「私人間になれたわね。これで嫌な父親と縁を切れるし私を二度と探さないで諦めてくれるでしょう。でも問題は私が成人の日に初めて見たあのイケメンな人よね。私、恋する事は良くないって自分自身で信じてたのよ。陸の世界に来たら子供を妊娠しなきゃいけないなんて!どうしてかしら?」
子供を妊娠するのが嫌であり長い巻き毛の私は、控えめな短髪の少女に変わりほっとしていた。そして青年はもはや自分が誰かわかってくれないだろうという恐ろしい思いに打ちのめされていた。
すると、あのイケメンな王子が愛馬に乗ってやって来ると遠くで落ち込んでいる私を見つめて、愛馬と共に私に近づいた。肩を叩いて、私が顔を上げると王子はある事を思い出した。
「君はあの時の!」
王子は人間になった私を馬に乗せてお城に連れて行った。
そして召使いに初めて貴族のような新しいドレスに着替えられ、ホールに迎えられた。
 
「君、この首から下げているペンダントチェーンは失くしてませんか?」
「あ、本当ですね。これは私のお気に入りですの」
首から下げているペンダントチェーンを見て、王子はすぐに彼女を自分の救い主だと認識しました。
「僕を嵐の時に助けてくれた女の子じゃないか!」
「あー!あなたこそあの時死にかけた人!」
私もあのイケメンの男の人を見て思い出したのだ。
そして、髪の毛のことなどまったく気にしていなかった。彼のまなざしはもう寂しげではなくなった。そして、もはや海の彼方ではなく、人魚姫の青い瞳の奥底を見つめていた。
「ありがとうございます。ペンダント拾ってくださるなんて」
「いえ良いんですよ。あなたの名前は?」
「私は未来といいます」
「未来ですか。とても愛らしい名前ですね」
「ありがとうございます」
私と王子は見つめ合い、舞踏会が開かれながら2人は踊り始めた。
 一方、海の世界では父は私が帰ってこない心配からストレスが溜まっていた。
「未来、どうして帰ってこないんだ?」
海の魔法使いがやってきた。
「あら、あなたの娘さん、未来さんはもう二度とあなたに会いたくないみたいですわ。きっとあなたの厳しい言いつけ事躾に耐えきれなくなったから絶縁をしたそうよ」
「ぜ、絶縁?」
「もちろん。優しい魔法使いの私があなたの代わりの母になってあげる事にしました」
「何だと?未来は俺のことを好きではなかったと言うのか?」
「ええ。あなたにもう二度と虐待されたくないためにあの子の自由を活かしたいと望んでいたわ。私も水晶の中に何度も見て来たから分かっていたのよ!」
海の魔法使いは父の体に何かを刺した!
「何を、した?」
「人間になることを選んだあなたの娘さんに頼まれたのよ。あなたはこの世にいらないってね!」
「み、未来、そんなに躾がとても恐れていたのか・・・」
そして父が倒れると、海の世界は大きく変わり始めたのだ!父が亡くなり泡になった後、海の世界は以前より綺麗になり始めたのだ!


私の憎き悪魔怪物の父親を海の魔法使いの活躍で倒した後、私と王子は結婚式を挙げ、どんな嵐や不安な運命が待ち受けていても、2度と離れることはなかったのだ。この世に存在する多くの奇跡の中で、最も重要なものは、愛に満ちた心であり、その幸福への道のりの中でどんな困難も乗り越える覚悟があることなのだ。
「未来さん」
「あら海の魔法使いさん」
「あなたの言う通り、海の世界が変わってしまってたのは、あなたのお父さんのせいだったみたいよ」
「やっぱり!そうでしたか!」
「私、あなたのお父さん、討てたわ」
「はあー!良かった!私を束縛された躾から解き放ってくださりありがとうございます」
「いいのよ。私、あなたのお母さん、私がなる事にしたの!イケメンな王子様私の娘をしっかり支え合って幸せにしてあげなさい!この子は父に虐待された悲嘆な自由な乙女ですからね」
「は、はい!僕こそあなたの娘さんを幸せにしてみせます!」
「お母様、ありがとう!」
海の魔法使いは私の良き理解者の新しい母となり、私と王子に魔法を見せてあげると、私たちは拍手をした。わがままな父を討つ事に大成功を収めた私は、何不自由なく暮らせる事を望むようになり、王子と結婚のキスをした。船上の紳士と淑女たちは、私と王子の結婚を喜び私は他の淑女たちと大の仲良しな友達となったのだった。

        完。



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