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支配者② 自信家
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俊彦に命令されるまま、俺はソファーに座る俊彦を跨ぐように座って、その堂々としたものを、ゆっくりと体内に埋め込んだ。その様子を、射抜くような鋭い視線で凝視している。
深く息をついて、その衝撃、というか熱に堪える。
俊彦は、よくやったとでも言いたげに俺の額に張り付いた前髪を細い綺麗な右手でかきあげ、そのまま手のひらを顔に沿って滑らせて、人差し指で俺の唇をなぞる。
「綺麗な唇だな…」
柔らかな眼差しを湛え、まぶしそうに俺を見る。
俺に埋め込ませたまま、動こうとしない俊彦を睨みつけると、ふふっと笑った。
「久志、動けよ」
自信たっぷりに命令する俊彦に、俺は責める目を投げかけたが、やはり…というか、聞き入れられないようだ。
仕方なく、俺は俊彦の無駄な肉が一切ない腹に手を突いて、ゆるく腰を揺らした。
「ん…」
甘い快感に思わず出る声をかみ殺すと、唇に張り付いていた俊彦の指が俺の唇を割った。
「声出せよ」
一本、二本…指が口内に入れられ、閉じることが出来ない…。
「あっ…ぅ…」
空いていた左手が、俺の太腿をゆるゆると撫でさらに、俺を高めようと動く。
ざわざわと俺の背筋を電撃に似た快感が走る。
左手が、やわらかく俺の屹立を捕らえ、軽く愛撫を加える。
「お前に見下されるのも、たまにはいいな」
口元に余裕の支配者の笑みが浮かび、俊彦が感じ入ったように呟いた。
「はっ…ん…ぁ…」
俊彦の協力がないため、一人で動いて…俺だけが高まっていく…。
「久志、この刺激だけでいけよ」
「なっ…」
あまりの注文に、俺は言葉を失って…睨みつけた。
だが、中途半端に高められた熱は、すでに押さえ込むことも出来ないほど育っている。
覚悟を決めて、俺は深く深く律を刻む。
だが……もどかしい…
足りない熱を得ようと、自分のものに手を出すが、俊彦に防がれる。
「勝手に触るなっていつも言ってるだろ?」
「っ……」
「後ろだけでイけって言っただろ」
「む…り…っ」
「そんなわけあるかよ、久志。いけるよな?」
こういう時だけ、殊更優しく言う。
…俊彦に翻弄される俺。すごく悔しい…。
ぎりりと唇を噛み締めるが、どうしようもなくて…俺は達するために、目を閉じて自らの腰を振りつつ快感を追った。
「ふっ…はっ…」
猥らな自分の姿を、一人冷静な目で見ているのだろう……。
考えるだけでかぁっと身体が熱くなる。
「ひぃぁ…っ…ふっ…は…く……くはっ…」
腰だけの刺激で高められた俺は、最終段階へと向かう。
だけど、一人でイくのは寂しくて……
上半身をかがめて、俊彦にキスを強請る。
「としっひこ……」
俊彦はうっすらと笑って、切羽詰った俺に関係なく、ゆっくりと唇を重ねた。
長く、深く、優しいキスで……
そんなキスを受けながら俺は、果てた。
「…いつもながら…セックス時の俊彦って自分勝手……」
情事が終わり、肩に顔を埋めながら、俺は抗議する。
「それでも俺を好きだろ?」
「…すげ~自信だな」
俺は俊彦の言葉に呆れてしまった。
「自信過剰って俊彦のことを言うんだ。余ってる分、一割でいいから俺にくれよ」
「ふっ、いつでもやるよ」
ため息をついて続けた俺の言葉に、やはり自信たっぷりに笑って、口付けをくれた。
それは……甘い…とても、甘い甘い…口付けだった。
2005/01/17
深く息をついて、その衝撃、というか熱に堪える。
俊彦は、よくやったとでも言いたげに俺の額に張り付いた前髪を細い綺麗な右手でかきあげ、そのまま手のひらを顔に沿って滑らせて、人差し指で俺の唇をなぞる。
「綺麗な唇だな…」
柔らかな眼差しを湛え、まぶしそうに俺を見る。
俺に埋め込ませたまま、動こうとしない俊彦を睨みつけると、ふふっと笑った。
「久志、動けよ」
自信たっぷりに命令する俊彦に、俺は責める目を投げかけたが、やはり…というか、聞き入れられないようだ。
仕方なく、俺は俊彦の無駄な肉が一切ない腹に手を突いて、ゆるく腰を揺らした。
「ん…」
甘い快感に思わず出る声をかみ殺すと、唇に張り付いていた俊彦の指が俺の唇を割った。
「声出せよ」
一本、二本…指が口内に入れられ、閉じることが出来ない…。
「あっ…ぅ…」
空いていた左手が、俺の太腿をゆるゆると撫でさらに、俺を高めようと動く。
ざわざわと俺の背筋を電撃に似た快感が走る。
左手が、やわらかく俺の屹立を捕らえ、軽く愛撫を加える。
「お前に見下されるのも、たまにはいいな」
口元に余裕の支配者の笑みが浮かび、俊彦が感じ入ったように呟いた。
「はっ…ん…ぁ…」
俊彦の協力がないため、一人で動いて…俺だけが高まっていく…。
「久志、この刺激だけでいけよ」
「なっ…」
あまりの注文に、俺は言葉を失って…睨みつけた。
だが、中途半端に高められた熱は、すでに押さえ込むことも出来ないほど育っている。
覚悟を決めて、俺は深く深く律を刻む。
だが……もどかしい…
足りない熱を得ようと、自分のものに手を出すが、俊彦に防がれる。
「勝手に触るなっていつも言ってるだろ?」
「っ……」
「後ろだけでイけって言っただろ」
「む…り…っ」
「そんなわけあるかよ、久志。いけるよな?」
こういう時だけ、殊更優しく言う。
…俊彦に翻弄される俺。すごく悔しい…。
ぎりりと唇を噛み締めるが、どうしようもなくて…俺は達するために、目を閉じて自らの腰を振りつつ快感を追った。
「ふっ…はっ…」
猥らな自分の姿を、一人冷静な目で見ているのだろう……。
考えるだけでかぁっと身体が熱くなる。
「ひぃぁ…っ…ふっ…は…く……くはっ…」
腰だけの刺激で高められた俺は、最終段階へと向かう。
だけど、一人でイくのは寂しくて……
上半身をかがめて、俊彦にキスを強請る。
「としっひこ……」
俊彦はうっすらと笑って、切羽詰った俺に関係なく、ゆっくりと唇を重ねた。
長く、深く、優しいキスで……
そんなキスを受けながら俺は、果てた。
「…いつもながら…セックス時の俊彦って自分勝手……」
情事が終わり、肩に顔を埋めながら、俺は抗議する。
「それでも俺を好きだろ?」
「…すげ~自信だな」
俺は俊彦の言葉に呆れてしまった。
「自信過剰って俊彦のことを言うんだ。余ってる分、一割でいいから俺にくれよ」
「ふっ、いつでもやるよ」
ため息をついて続けた俺の言葉に、やはり自信たっぷりに笑って、口付けをくれた。
それは……甘い…とても、甘い甘い…口付けだった。
2005/01/17
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