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那波と輝を繋ぐ悲憤
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翌日の文化祭も、朝から学生たちは準備に追われ、下駄箱から教室、校舎前まで騒然としていた。
そんな中、俺は迷わず2ーAへと向かった。
結局昨日、あれから那波と話をすることはできなかった。
芽依を見舞った後、彼女は芽依と共にすぐ帰宅してしまったからだ。
「あ、凪くん、おはよう」
ちょうど教室の前まで来た時、大きなダンボール箱を抱えた弥生と出くわした。
弥生は教室の中が気になっている俺に気づき、すぐに言う。
「今日芽依が休みだから、もう大変。みんな芽依に任せっきりだからこうなるんだよね。しばらくバタバタだよ、うちのクラス」
「芽依、休み?」
「微熱だって。本人は来るって言ったらしいけど、ご両親が大反対して家でおとなしくしてるって」
「その話は飛流さんから聞いた?」
辺りを見回すが、那波の姿はない。
「もちろん。飛流さん、いつの間にかどっか行っちゃって今はいないけど」
「そうなんだ。大変だけどがんばって」
「がんばってるって。凪くんもね」
弥生が教室の中へ入っていくのを見送った俺は、迷わず心理学研究部の部室へと向かった。
文化祭に参加する気がないなら、那波の居場所は部室しかない。その上、芽依が欠席とあればなおさらのことだ。
必ず彼女はそこにいるだろう。確信を持って部室に駆け込むと、案の定、那波はいた。ティーカップをテーブルに用意しているところだった。
「あら、おはよう、木梨くん。文化祭の手伝いは済んだの?」
那波は首を傾げた。いつもの那波だ。ホッと安堵する。同時に嬉しい気持ちが生まれて、俺は髪をくしゃりとつかんではにかんだ。
「今日はもしかしたら飛流さんも休みかなと思ってたから、良かった」
「意味もなく学校を休んだりしないわ。そんなことしたら、父が行きたくないなら行かなくていいって言うもの」
「飛流さんは学校に来るの好きなんだ?」
「そうね……。本当は、どちらも一人でいることに変わりはないの。でも、こうして木梨くんと話ができたりすることもあるのだから、学校に来ている方がいいのかもしれないわ」
那波は家にいても孤独なのだ。
大きな屋敷の、廊下の突き当たりの一番奥の部屋。家族からもっとも離れた場所で、彼女はいつもひとりなのだろう。
「そうだよ。誰かと話すのはやっぱりいいことだと思うよ」
「それで、私の質問には応えてくれるのかしら?」
「えっと、なんだっけ?」
「文化祭の手伝いは済んだの?」
「あ、文化祭。今日の手伝いは何もないんだ。一日中ひましてる」
「そう。紅茶、いれるわね」
那波がポットに触れようとする。まだ紅茶は淹れてないようだ。
俺は間髪入れずに声をかけた。
「飛流さん、紅茶はいらないよ。いろんなチケット持ってるから、良かったらどうかな」
那波はぴたりと動きをとめて、俺をじっと見つめる。
こんな時、彼女は頭の中で様々なことを思い巡らせているのだろう。
俺が精一杯の勇気を出して、文化祭を一緒に楽しもうと誘った気持ちまでは察しないとは思うが。
すると那波は、長い沈黙の後、ポットのコンセントを抜いた。
「私、わたがしって食べたことないの。とても興味があるわ」
校舎前に張られたいくつかのテントの前にはすでに行列が出来ていた。
テント内は三年生の出し物である露店がほとんどで、客として並んでいるのは生徒の家族である一般来訪者が多い。
だいたいの店のチケットは前売り券を購入して持っている俺だが、あいにく綿菓子のチケットは持っていない。
まさか、綿菓子を食べることになるとは思っていなかったからだ。
「綿菓子はあんまり並んでないみたいだ。チケットあるか聞いてくるよ。飛流さんはここで待ってて」
すぐに聞きに行こうとすると、那波はポケットから小さな手帳を取り出した。
「木梨くん、チケットならあるわ」
「え、ある?」
「芽依が用意してくれたの。私、こういうことにはうとくて、どうしたらいいのかわからないのだけど」
どうやら小さな手帳はスケジュール帳らしい。
那波はカバーを開くと、挟まれていたチケットを取り出す。
「こういうことにはうといっていうか、うといことの方が多そうだよね」
思わず口元がゆるむ。こんな風に那波をからかうのはなんだか久しぶりな気がする。
すると、那波は無表情で言う。肩透かしをくらわせるのは得意なのだ。
「認めるわ。これからは一人でもいろんなことが出来るような知識を蓄えていこうと思うの。芽依に頼ってばかりはいけないって気づいたわ」
「飛流さん、そんなに難しく考えることはないんじゃないかな。誰だって一人でなんて生きてないんだ。出来ることがあるなら俺も協力するからさ、なんでも聞いてくれたらいいよ」
真面目に考えている那波に対し、社交辞令のようにしか言えなくて反省する。
那波は欠落していることが多いが、それが彼女の魅力でもある。変わらないでいて欲しいと思うのが本心だが、変わりたいと願う彼女の足を引っ張りたくもない。
そんな俺の申し出に、那波は素直だった。
「木梨くん、私知りたいことがあるわ。あなたのこと知りたいの。誰も知らない木梨くんを教えて欲しいと思うの。あなたの考えてること知りたいから」
「え、な、なんかさ……、そういう言い方は誤解を生みそうだ」
ドキッとする。
たとえば密室で、二人寄り添って、那波にそう囁やかれたら、俺は自分を抑えていられなくなるかもしれない。
だが、ここはお天道様の下で、やましい気持ちなどこれっぽっちも出せないぐらい人の目がある中だ。それを幸運というべきか。
「誤解? 言い方が悪かったかしら」
「あ、それは飛流さんの問題じゃなくて、男の都合っていうか、誤解したい男にとっては好都合に考えることもあるっていうか……。まあ、これは一般論としてって話で……」
「つまり、どういうことかしら」
那波は容赦ない。やはり無知は罪だ。
「飛流さんはそんなこと知らなくていいって話だよ」
恥ずかしさから早口でつっけんどんに答えてしまう。
「……そう」
「あ……、違う」
勝手な妄想を膨らませたのは俺なのに、那波を悲しませてしまったようだ。
彼女は純粋に友人として俺との距離を縮めたかっただけなのに。
「いいの、無理は言わないわ。それより行きましょう。わたがしのチケットはこれよね。これをどうしたらいいのかしら」
那波は話題を戻すと、チケットを持ち上げてきょろきょろと辺りを見回した。その姿がなんとも愛らしくて、俺はふっと笑うとそのチケットを取り上げた。
「一緒に並ぼう。せっかくだからさ、綿菓子以外も食べよう」
「お腹いっぱいになるわね」
そう言って、那波は苦心しながら口元をあげた。ふいうちだ。
俺は思わず彼女の笑顔のようなものに見惚れてしまうが、目を合わせたら逃げ出したくなる。
そして、気持ちに忠実に、彼女に背を向けて足早に綿菓子を販売するテントへと向かった。
翌日の文化祭も、朝から学生たちは準備に追われ、下駄箱から教室、校舎前まで騒然としていた。
そんな中、俺は迷わず2ーAへと向かった。
結局昨日、あれから那波と話をすることはできなかった。
芽依を見舞った後、彼女は芽依と共にすぐ帰宅してしまったからだ。
「あ、凪くん、おはよう」
ちょうど教室の前まで来た時、大きなダンボール箱を抱えた弥生と出くわした。
弥生は教室の中が気になっている俺に気づき、すぐに言う。
「今日芽依が休みだから、もう大変。みんな芽依に任せっきりだからこうなるんだよね。しばらくバタバタだよ、うちのクラス」
「芽依、休み?」
「微熱だって。本人は来るって言ったらしいけど、ご両親が大反対して家でおとなしくしてるって」
「その話は飛流さんから聞いた?」
辺りを見回すが、那波の姿はない。
「もちろん。飛流さん、いつの間にかどっか行っちゃって今はいないけど」
「そうなんだ。大変だけどがんばって」
「がんばってるって。凪くんもね」
弥生が教室の中へ入っていくのを見送った俺は、迷わず心理学研究部の部室へと向かった。
文化祭に参加する気がないなら、那波の居場所は部室しかない。その上、芽依が欠席とあればなおさらのことだ。
必ず彼女はそこにいるだろう。確信を持って部室に駆け込むと、案の定、那波はいた。ティーカップをテーブルに用意しているところだった。
「あら、おはよう、木梨くん。文化祭の手伝いは済んだの?」
那波は首を傾げた。いつもの那波だ。ホッと安堵する。同時に嬉しい気持ちが生まれて、俺は髪をくしゃりとつかんではにかんだ。
「今日はもしかしたら飛流さんも休みかなと思ってたから、良かった」
「意味もなく学校を休んだりしないわ。そんなことしたら、父が行きたくないなら行かなくていいって言うもの」
「飛流さんは学校に来るの好きなんだ?」
「そうね……。本当は、どちらも一人でいることに変わりはないの。でも、こうして木梨くんと話ができたりすることもあるのだから、学校に来ている方がいいのかもしれないわ」
那波は家にいても孤独なのだ。
大きな屋敷の、廊下の突き当たりの一番奥の部屋。家族からもっとも離れた場所で、彼女はいつもひとりなのだろう。
「そうだよ。誰かと話すのはやっぱりいいことだと思うよ」
「それで、私の質問には応えてくれるのかしら?」
「えっと、なんだっけ?」
「文化祭の手伝いは済んだの?」
「あ、文化祭。今日の手伝いは何もないんだ。一日中ひましてる」
「そう。紅茶、いれるわね」
那波がポットに触れようとする。まだ紅茶は淹れてないようだ。
俺は間髪入れずに声をかけた。
「飛流さん、紅茶はいらないよ。いろんなチケット持ってるから、良かったらどうかな」
那波はぴたりと動きをとめて、俺をじっと見つめる。
こんな時、彼女は頭の中で様々なことを思い巡らせているのだろう。
俺が精一杯の勇気を出して、文化祭を一緒に楽しもうと誘った気持ちまでは察しないとは思うが。
すると那波は、長い沈黙の後、ポットのコンセントを抜いた。
「私、わたがしって食べたことないの。とても興味があるわ」
校舎前に張られたいくつかのテントの前にはすでに行列が出来ていた。
テント内は三年生の出し物である露店がほとんどで、客として並んでいるのは生徒の家族である一般来訪者が多い。
だいたいの店のチケットは前売り券を購入して持っている俺だが、あいにく綿菓子のチケットは持っていない。
まさか、綿菓子を食べることになるとは思っていなかったからだ。
「綿菓子はあんまり並んでないみたいだ。チケットあるか聞いてくるよ。飛流さんはここで待ってて」
すぐに聞きに行こうとすると、那波はポケットから小さな手帳を取り出した。
「木梨くん、チケットならあるわ」
「え、ある?」
「芽依が用意してくれたの。私、こういうことにはうとくて、どうしたらいいのかわからないのだけど」
どうやら小さな手帳はスケジュール帳らしい。
那波はカバーを開くと、挟まれていたチケットを取り出す。
「こういうことにはうといっていうか、うといことの方が多そうだよね」
思わず口元がゆるむ。こんな風に那波をからかうのはなんだか久しぶりな気がする。
すると、那波は無表情で言う。肩透かしをくらわせるのは得意なのだ。
「認めるわ。これからは一人でもいろんなことが出来るような知識を蓄えていこうと思うの。芽依に頼ってばかりはいけないって気づいたわ」
「飛流さん、そんなに難しく考えることはないんじゃないかな。誰だって一人でなんて生きてないんだ。出来ることがあるなら俺も協力するからさ、なんでも聞いてくれたらいいよ」
真面目に考えている那波に対し、社交辞令のようにしか言えなくて反省する。
那波は欠落していることが多いが、それが彼女の魅力でもある。変わらないでいて欲しいと思うのが本心だが、変わりたいと願う彼女の足を引っ張りたくもない。
そんな俺の申し出に、那波は素直だった。
「木梨くん、私知りたいことがあるわ。あなたのこと知りたいの。誰も知らない木梨くんを教えて欲しいと思うの。あなたの考えてること知りたいから」
「え、な、なんかさ……、そういう言い方は誤解を生みそうだ」
ドキッとする。
たとえば密室で、二人寄り添って、那波にそう囁やかれたら、俺は自分を抑えていられなくなるかもしれない。
だが、ここはお天道様の下で、やましい気持ちなどこれっぽっちも出せないぐらい人の目がある中だ。それを幸運というべきか。
「誤解? 言い方が悪かったかしら」
「あ、それは飛流さんの問題じゃなくて、男の都合っていうか、誤解したい男にとっては好都合に考えることもあるっていうか……。まあ、これは一般論としてって話で……」
「つまり、どういうことかしら」
那波は容赦ない。やはり無知は罪だ。
「飛流さんはそんなこと知らなくていいって話だよ」
恥ずかしさから早口でつっけんどんに答えてしまう。
「……そう」
「あ……、違う」
勝手な妄想を膨らませたのは俺なのに、那波を悲しませてしまったようだ。
彼女は純粋に友人として俺との距離を縮めたかっただけなのに。
「いいの、無理は言わないわ。それより行きましょう。わたがしのチケットはこれよね。これをどうしたらいいのかしら」
那波は話題を戻すと、チケットを持ち上げてきょろきょろと辺りを見回した。その姿がなんとも愛らしくて、俺はふっと笑うとそのチケットを取り上げた。
「一緒に並ぼう。せっかくだからさ、綿菓子以外も食べよう」
「お腹いっぱいになるわね」
そう言って、那波は苦心しながら口元をあげた。ふいうちだ。
俺は思わず彼女の笑顔のようなものに見惚れてしまうが、目を合わせたら逃げ出したくなる。
そして、気持ちに忠実に、彼女に背を向けて足早に綿菓子を販売するテントへと向かった。
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