フリー朗読台本

生きている意味を探して。

過去を振り返ったとき。
真っ先に思い浮かんだものは、あの時の、勝手に流れてきた涙でした。
その涙のわけを、知っているのは私だけであって。
むしろ世間は、私がこうして泣いていることすら知らなくて。
1人、世間の批判と戦ったあの日の夜。

「明日なんて、来なければいいのに」

そう願っても、明日は待ってはくれないから
すべてを忘れてしまおうと、無理矢理布団に入り、目を閉じてはみるけれど。
なかなか眠りにつけなくて。
疲れているはずの体と、眠れない夜を共にした。
暗くなってしまった部屋には、世間の批判がこだまする。
それから逃れるために、布団の中に隠れるけれど。
闇はどこまでも続いていて。
私の逃げ場は、どこにもなかった。

「世間の声を、この世から消してしまいたい。」
「人なんて、いなくなればいいのに。」

この嘆きを、明日が聞いてくれたことなんて、1度もなかった。
だから、私は今日を死にながら生きていた。

自分の存在意義もわからぬまま。
どうしてこの世間にいるのかと。
生きる希望すら失って。
こんな世間では、自分に自信を持てるはずもなく。
私は毎日を、下を向きながら歩いていた。
そんな中で、私に話しかけてくる人々は、皆みなどこかで私を批判している人々だった。
それでも私は媚を売って笑っていた。
だって、自分の居場所はここにしかないと思ってたから。

けど、そんな私が今を生きていて良かったと思えるのは。
過去の私が、今の私へと繋げてくれたから。
あの時に感じた心の痛みや、世間への恐れは、私の成長へと変わっていきました。
その成長が、今の私にこう教えてくれたのです。


過去をなかったことにするのではなく、過去を受け入れてあげることが大切なのだと。


だから、私は過去の自分が泣かないように。
今を、上を向きながら歩いていきたいと思います。

これが、私の生きる意味です。