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 いつもの護衛騎士と侍女たちと回廊を歩いていたところ、通りすがりの部屋から突如人が飛び出してきたのだ。
 他の護衛騎士と同じ甲冑を纏った男たちだ。

「『ゼーディスの悪魔』の婚約者、俺たちと共に来て貰う!」

 侍女たちが悲鳴を上げて私を庇う。
 護衛騎士たちが私の前に立ち塞がった。
 剣がぶつかり合う音が響く。
 
 私は唖然としたまま、立ち尽くすほか無かった。
 魔術師ならば、ここで魔法が使える。日頃から注意深く生きている貴族令嬢なら、どんな行動をすればいいのか分かるはずだ。私は震えるばかりだった。

 どこかの窓ガラスが割られ、更に私に襲いかかってくる。

「いたぞ! 瑠璃色の髪の女だ!」

 私に襲いかかる。侍女が両手を広げて私を守ってくれる。
 ――死なせてしまう、私のせいで!

 私は反射的に彼女を突き飛ばし、剣に向かって自分の身を躍らせた。
 相手が狼狽するのが見える。
 その時――男の胸が後ろから貫かれる。
 剣の切っ先が私の目の前に飛び出す。次の瞬間、男の体は凍った。

「……傷口は氷で止血している。尋問室へ運べ」

 レイナード殿下が、落ち着き払って部下に命じている。
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