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「ええ。あなたがいなければ、きっとあの子は破滅していたわ」
王妃様は幼い頃から国王陛下の許嫁だった。
だからレイナード殿下の事は幼い頃から知っていたのだ。
「元々の立場が妾腹で、その上愛情をほとんど与えられずに過ごしていた子だった。暗い顔ばかりをしていた子だったのに、なぜか誘拐から戻ってきてからは強い意志を持った子になったの。聞けば『いつかお嫁さんにしたい人がいる』と言うじゃない」
「あんな小さな頃から……ですか」
私は困惑していた。
私が彼を匿ったのは10歳の頃。つまり、彼はまだ6歳くらいの幼さだったのではないか。
王妃様は笑う。
「幼い子どもにとって、数歳年上の女の子はとても大人びて見えるものよ。……あなたの純粋な優しさは、彼にとっての目標になったのよ」
「そんな私が……あんな事件を起こす女で……。しかも、その後も国内外にご迷惑を……」
「ハイゼン王国はあなたがいてもいなくても、結局同じ運命をたどっていたわ。冷たいことを言うようだけれど、手駒として利用されていた一介の令嬢でしかないあなたが責任を負うことではない」
それよりも、と王妃様は続ける。
王妃様は幼い頃から国王陛下の許嫁だった。
だからレイナード殿下の事は幼い頃から知っていたのだ。
「元々の立場が妾腹で、その上愛情をほとんど与えられずに過ごしていた子だった。暗い顔ばかりをしていた子だったのに、なぜか誘拐から戻ってきてからは強い意志を持った子になったの。聞けば『いつかお嫁さんにしたい人がいる』と言うじゃない」
「あんな小さな頃から……ですか」
私は困惑していた。
私が彼を匿ったのは10歳の頃。つまり、彼はまだ6歳くらいの幼さだったのではないか。
王妃様は笑う。
「幼い子どもにとって、数歳年上の女の子はとても大人びて見えるものよ。……あなたの純粋な優しさは、彼にとっての目標になったのよ」
「そんな私が……あんな事件を起こす女で……。しかも、その後も国内外にご迷惑を……」
「ハイゼン王国はあなたがいてもいなくても、結局同じ運命をたどっていたわ。冷たいことを言うようだけれど、手駒として利用されていた一介の令嬢でしかないあなたが責任を負うことではない」
それよりも、と王妃様は続ける。
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