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「貴殿ほど丹念な爆死魔術をかけられた者はいなかったので、貴殿にかけられた魔術を解析することで、全ての爆破を阻止する大規模範囲魔法を展開した。爆発は一切起きなかった。その後ハイゼン王国は勝手に内乱が起き、自滅した。……我が国は内乱から逃げる難民を引き受け、内乱終結後に復興を支援した。今は国民による共和制の小国として復興している。我が国が支援国として、支えているよ」
「…………」
「驚いているようだな。……何も、知らされていなかったのだな」

 私は返事ができなかった。宙を見つめて呆然とする。
 理解が追いつかない。

 ――その時。
 突然、がちゃりと扉が開く。
 私が入った両開きの扉ではなく、国王陛下の後ろの壁の中、小さな隠し扉だ。

「あー」

 甲高い可愛い声。手足がまるまるとした幼児だった。
 国王陛下を見て、きゃっきゃと甲高い声を上げる。

「あー! きゃあー!」

 赤毛のまるまるとした幼児は、四つん這いでよちよちとカーペットをかけて、国王陛下の足にきゅっとしがみ付く。
 国王陛下が抱き上げた。きゃっきゃと、笑い声を立てる。
 さっそく髪をかき乱されながら国王陛下が苦笑いする。
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