死ぬ結末しかない推しの悪役令嬢に憑依した私

海瀬

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ヒロインに出会うまで

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「では、失礼します。また学園でお会いしましょう…ハナ」


「っ!? どうしてそれをっ!」


「私の正体も知っているようですし…。それもまた次の機会に聞き出すとします。」


そう言うとサラと入れ違いで帰って行った。


「お茶、用意しましたのに…。」


サラ、それは私とシオンが後でいただきますね。


それより…ハナとは私の名前です。佐々木華、それが私の名前です。あの人何者なんでしょうか…いや、魔王様なんですけれど…。


「サラ、せっかく休んだんですから3人でお茶会しませんか?」


「でも、安静にしていないと…」


「先程、治していただいたのでもう元気なんです。ダメですか…?」


私は知っています。サラは上目遣いでお願いされると断れないということを。


「っぐ、かわい…分かりました。でも、私は使用人ですし遠慮して」


「3人で、です。お願いしますね。」


「……………………はい」


間が長かったですけど。まぁ、3人でお茶会だなんて楽しみですね。あ、でもシオンに許可をとっていません…。
チラッとシオンを見ると、戸惑っていたようですが、ニコッと笑顔を見せてくれました。許可がとれたようですね。


✼••┈┈┈┈••✼••┈┈┈┈••✼


「シオン様は甘いものがすきなんですね。」


「…はい。女性みたいだと思われますか?」


「いえ、私も甘いものが好きなので美味しさが共有出来て嬉しいですよ。」


サラは勢いよくケーキを食べていますよ。私たちの話が、耳に入らないくらいに。こんな細いのにどこにその量のケーキが入るのでしょうか。


「クローディア様、ありがとうございます」


「へ?」


「噂…呪いのせいとは言え、クローディア様を見ようとせず初めは護衛さえサボっていました。」


え、サボっていたんですか!?  よく生きていました。クローディア様、公爵令嬢なのでよく狙われるらしいんですよね。幼い頃に誘拐されたこともありますし。


「でも、こんなに良くしていただいて本当に感謝しています。」


クローディア様、呪いなんてなかったら本当はこうやってみんなに好かれてたはずなんです。呪いなんてなかったら…。
それにしてもやっぱりクローディア様の魂がどうなったのかとても気になります。ネイル様なら何か知っているのでしょうか。

明日、学園で聞いてみましょう。
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