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ヒロインに出会うまで
8 病弱?
しおりを挟むおじいちゃん先生は私と騎士のシオンにイヤリングを渡した。
「これは…?」
「呪いを弱めるものじゃ。なぜか、騎士に魅了がかけられていたから次からかけられないようにするためにお主も持っておれ。」
「…ありがとうございます。」
魅了だなんてヒロインみたいですね。でも、まだシオンはヒロインに会ってないようですし、ヒロインは関係ない…はずです。
おじいちゃん先生の大好物であるショートケーキを渡し、お礼を言うと凄く喜んでくださいました。おじいちゃん先生の大好物は公式ファンブックに載ってるんです。おじいちゃん先生のことも私がキャラデザしましたよ。
「あ、そういえば殿下も魅了にかけられておった。渡してもらえるかのぉ?」
「…わかりました。明日渡しておきます。」
おじいちゃん先生、有能すぎませんか。
それより、私よ呪いを解ける人が1人しかいないという話をもっと詳しく聞いておけばよかったと私は、明日とても後悔することになります。本当に。
✼••┈┈┈┈••✼••┈┈┈┈••✼
「体調が悪いと聞いたが?」
「問題ありません。お兄様にはご迷惑はかけませんから。」
クローディア様の兄のリカルド様です。この人はツンデレ枠なんですが、実は攻略対象ではありません。凄く美形なのに攻略対象にならないと知った時はファンの方々にとても批判されましたね。懐かしい思い出です。
「っ! 無事ならいい。孤児たちに暴力を振るうお前を気にかけた俺が間違いだった。」
「…そうですね?」
この人も呪いに惑わされているようですね。クローディア様とずっと一緒にいたはずですのに。少し面倒な呪いですね。私が良い事をしてクローディア様の印象を良くしようと思っていたのですが、それさえ意味が無くなるとは…。明日早く解いてもらわなければなりません。学園に誰かを、よこしてもらえるということでいいのでしょうか? 出来れば私から伺うようにしたかったのですが。
「なぜいつものように反論しないのだ。」
「私が言っても信じないからです。私はいつも孤児院の子たちと遊んでいるだけなんですが。あっ…」
つい、腹が立って言い返そうとしましたが、ふらっと倒れそうになりました。クローディア様ってもしかして身体が弱かったりしますか? 呪いは身体にどれほど影響を与えるのでしょうか…。
私の意識はそこで途絶えました。
✼••┈┈┈┈••✼••┈┈┈┈••✼
次話は9:00に予約投稿済みです。
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