死ぬ結末しかない推しの悪役令嬢に憑依した私

海瀬

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ヒロインに出会うまで

4 体調が悪いです

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「…保健室ですか?」


「あぁ。」


「っ!?」


返事が来ると思っていなかったのでとても驚いてしまいました。


「シオン様、どうしてここに。」


「俺はあなたの護衛騎士ですから。」


そ、そうですよね。この学園は生徒1人につき1人だけ護衛騎士を連れてくることを許しています。


「ご迷惑をおかけしました。すぐ、授業に戻ります。」


「どうして、病気を隠されていたんですか。」


へ? 病気ですか?  クローディア様って、持病があったんですか!?


「隠していません。私は、病気ではなく健康そのものですよ。」


「っ! では、どうして急に倒れたんですか!」


「疲れていたんだと。すみませんでした。病気では無いので、これ以上迷惑はかけません。」


「急に敬語を使うようになったのはどうしてですか。」


タメ口で話すのは恐れ多いからですっ!  クローディア様を殺す可能性があったとしてもみなさん、ヒロインに出会う前は最低限普通に接してくれていました。悪いのはヒロインです。…そうだと思いたいです。


「そうしたいと思ったからです。では、儒教に向かいます。」


今回は倒れることは無かったです。次倒れたら無理やり家に帰らされそうです。


✼••┈┈┈┈••✼••┈┈┈┈••✼


私は、教室の後ろからこっそり入室します。…殿下の隣しか空いていないのは何故ですか…。


「失礼します。」


とても小さな声で言いました。殿下がこちらを向くことはありません。どんなクローディア様の噂を聞いたらこんなことになるんでしょうか。少しくらい心配してもいいと思うのですが…。一応婚約者ですし。


先生の話が終わるとクローディア様の取り巻きと思われる方たちが寄ってきました。


「クローディア様! 大丈夫でしたか?」


「とても心配いたしました。」


「ご無理なさらないでくださいませ。」


皆さん上辺だけの言葉です。私は知っています。この御三方は私を殿下に売るのです。全ての罪をクローディア様になすり付けるのです。この方たちを信用することは出来ません。


感謝だけ伝えて私は、その場から離れました。今日はこれで学園は終わりです。始業式ですから、授業はないのです。


「クローディア」


「殿下…?  どうしましたか?」


「いや…今日の君はいつもと違う気がして。」


そうですよ?  気づくだけ素晴らしいと思います。私はクローディア様になれませんから。


「気のせいですよ。」
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