死ぬ結末しかない推しの悪役令嬢に憑依した私

海瀬

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ヒロインに出会うまで

2 メイドのサラ

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「ん…あ、私クローディア様になったんでした。」


目を覚ますと豪華なベッドでした。部屋は白を基調としたものです。クローディア様が抱きしめていたと思われるぬいぐるみまで真っ白です。確かクローディア様がお父様から貰ったものですね。小さな時から大切にしてるだなんて…!


「お、おはようございます。入ってもよろしいでしょうか?」


「えぇ、どうぞ。」


あ、あの方はクローディア様を最後まで庇ってくれたメイドのサラさんです!  大したことをしていないのに殺されるなんて変な強制力でもあるのでしょうか?  クローディア様のお父様は公爵様で、そんな簡単に話が進むようなものでもないですし…。


「サラ、今までありがとうございます。」


「お嬢様…?  いえ、私の方こそお嬢様をお世話させて頂けて光栄です!」


サラさん…サラは本当にいい子なんです。私が王太子に刺された時も、もう助かる見込みはないと言うのに必死に止血して助けてくれようとしましたし、魔術師団長に毒を盛られた時も必死に薬草を探しに行ってくれました。どれも間に合わなかったのですけれど…。クローディア様はサラの優しさに気づく前に私を憑依させたんだと思います。だって、サラは私のことを見て怯えていましたから。

そう言えば、クローディア様はどうなったのでしょうか…?


「お嬢様、どうかされましたか? 顔色が…」


「なんでもないです。」


「それに、私に敬語を使うなんて…」


「だめですか?」


「いえ! それより、今日は始業式ですから早く支度しましょう…?」


始業式…? 私は、ヒロインの1つ上だから、ヒロインは私が3年の時に1年生として入学します。


「あの、私って何年生でしたか?  夢と混乱してて…」


「…?  今日から2年生ですよ?  やっぱりどこか体調が…」


「大丈夫です!  …あっ」


勢いよく起き上がると貧血で倒れそうになりました。そこをサラが支えてくれました。


「お嬢様!」


「大丈夫です。制服はどこですか?」


私がそう問うと、サラは驚いた顔をします。私、何か変なことを言いましたか…?


「取ってきます! 少々おまちください!」


あ、そう言えばクローディア様は制服を着ていないんでした…。制服を着るのは平民だけだという認識から伯爵家以上の皆さんは私服で登校するんです。私服と言っても皆さん豪華すぎて邪魔でしたし、今日から制服で行っても構いませんよね。
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