夫の弟は昔から私のことが好きだったようで、私への溺愛が止まりません。

海瀬

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結婚式

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朝から慌ただしく周りが働いているというのに私はずっと椅子に座ったまま。



「シャーロット様、とてもお綺麗です……。」



サランが私を見ながらそう言ってくれる。今日だけは誰よりも綺麗でありたいわ。今日は結婚式だもの。



「もうみんな来ているのかしら?」



「はい。皆様お揃いです。」



私が呼んだのはカレンとアオイとユートだけ。私には心の許せる友達が少ない。ノアもあまり招待していないようだった。ノアの両親と職場の方たち。マリアさんは来るのかしら?



「シャル、とっても綺麗ですわね。」



「カレン! カレンにそう言って貰えてとても嬉しいわ。次はあなたの番ね。」



私がそう言うとカレンは顔を真っ赤にした。ユートにに好きだと伝えられているようだがカレンから好きだと伝えたことは1度もないようだ。誰が見ても相思相愛だと言うのに。だから、まだ2人は結婚していないのだ。ユートとアオイは2人で暮らしていて、ユートはよくカレンに会いにいくためいつも二人でいるから周りにはもう結婚していると勘違いされているようだ。ちなみにアオイはユート付き添いでカレンの元へ訪れているのだそうだ。



「でも、シャルが幸せになって良かったわ。あんなクズは自業自得なのよ。だから、気に負わなくていいのよ。」



カレンは私の事何でもお見通しみたい。イアンのことを気にしていないと言ったら嘘になる。確かに愛してはいたのだ。恋愛感情ではなくとも。家族だとは思っていた。まぁ、裏切られてしまったのだが。



「シャル……」



「あら、ノア?  どうかしら、私綺麗に」



「綺麗だ。すごく。シャル、愛してる。」



「っ、わ、私もよ。」



私たちの唇が重なろうとしたその時。



「私まだいるのだけど? はぁ、やだわ、バカップルだなんて。早く出てきなさいよ。みんな待っているのだからね。」



私とノアは目を合わせてクスっと笑いあった。



✼••┈┈┈┈••✼••┈┈┈┈••✼



「誓いのキスを。」



入場の時はノアのお父様がエスコートして下さった。花嫁の父親がエスコートするのはユートたちの住んでいたところでは当たり前らしい。今までだったらキスして終わりだったのだけどケーキを切るという共同作業をするのも新郎新婦の役割らしい。ノアの両親は自分の事のように泣いてくださった。私の実の両親よりも大切にしてくださったのだ。私ももらい泣きしそうになったが化粧のことを思い出して必死に涙をとどめた。



新郎は新婦のベールをあげキスをするらしい。ベールを結婚式の時に使うなんてすごく素敵だと思い採用した。ユートとノアは今までずっと連絡を取り合っていたらしい。まさか、元から私と結婚する気で……? それは考えすぎよね、えぇ。



「……」



「アオイ? どうかした?」



「なんでもない。ユートはずるいよ、好きな人と両思いで。」



「……いや、カレンは他に好きな人がいるかもしれない。」



「何言ってんの、どう考えても……」



「どう考えても?」



「いーや、なんでもなーい!」



アオイってばユートに意地悪しているわ。相思相愛だと気づいているのは本人たち以外みたいね。



「シャル、考え事か? 俺が目の前にいると言うのに。」



「ノア……。私と結婚してくれてありがとう。愛しているわ。」



ノアは返事をするより先に私に口付けた。触れるだけではなくて舌を入れて。



(み、みんな見てると言うのに! ノアは何を考えてっ!)



「……時を止めた。」



「そんなことできるなんて初めて聞いたわ。」



「俺が作った魔法陣だからな。」



そう答えると先程の行為を再開しようとした。私はノアの胸板を叩き辞めさせた。



「今は結婚式中よ。この続きはいつでも……」



私は途中ですごくはしたないことを言っていることに気が付き口を噤んだ。顔が真っ赤になるのは隠せなかったが。



「そうだな、続きはいつでも。」



私、余計なことを……。結婚式は無事に終えることが出来たが心配なのは初夜だ。


✼••┈┈┈┈••✼••┈┈┈┈••✼
皆様お久しぶりです。受験がまだ終わってないというのに投稿している阿呆です((殴
まだ読んでくださっている方いるでしょうか……?
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