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突然の転移
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ノアは今気がついたようにはっ、と目を見開いた。
「マリア、もう俺にあまり近づかないようにしてくれ。名前の呼び方も変えた方がいいのか。……マリア嬢。」
ノアがマリアさんの名前を呼んでいるのを私が気にしていると言うことに気づいてくれたようだ。ということは私がヴィルさんのこと名前で呼ぶのが嫌ってことかしら……? マリアさんは平民らしいから家名がないのは仕方がない。でも、嬢をつけてくれるだけで私はすごく嬉しく思った。
「ヴィル様、家名を教えて頂いても?」
「あ、申し遅れました、ヴィル・キャベンディッシュと申します。」
キャベンディッシュ……?
「ゼインの弟だ。腹違いの。」
「継承権は放棄してますけどね。私の存在を知る人はあまりいないと思いますよ。私の親は娼婦でしたから。」
ゼインに弟がいたなんて知らなかった。まず元々ゼインとはあまり話したことがなかったが。ゼインに会ったのも夜会で挨拶を数回した程度。その時にヴィル様はいらっしゃらなかった。この時から冷遇されてたと言うこと……?
「ゼインはヴィルの存在を知らない。ヴィルがそうしたがったからな。」
「そうですね。今更王位継承権なんぞに巻き込まれてもくそくらえです。皇帝陛下が亡くなった今は。」
ヴィル様、口悪くないかしら……?
「まぁ、そんなことよりお昼を食べましょう。お腹が空いているでしょう? ここのパスタは絶品ですよ。」
言われた通りパスタを頼んでみたがとても美味しかった。今日はノアの仕事が早めに終わったためすぐ帰ることになった。帰ろうと馬車に乗る時マリアさんに睨まれた気もするが私は気の所為ということにした。あんな殺気初めて感じたものだったから。
✼••┈┈┈┈••✼••┈┈┈┈••✼
「マリア嬢を違う所に移動させるか……。」
「の、ノア! 私そんなに気にしないからいいのよ。私のわがままのせいでそんな簡単に環境を変えなくても……。」
「何言ってるんだ。シャルはワガママなんて言わないだろ。だから、シャルの望みは全部叶えたい。」
ノアは私が欲しい言葉をくれる。だけど……
「本当に大丈夫よ。確かに嫉妬してしまったわ。だけど……私はノアを信じているから。」
私がこう伝えた瞬間ノアの腕の中にいた。
「んっ、ノア……?」
「シャルが可愛いことを言うからだ。俺もシャルを信じたい。でも、できるだけ他の男とは話さないでくれ。自分に自信がないんだ。」
ノアの気持ちは初めて聞いた。そんなことを思っていたなんて……。
「ノア、愛してるわ。この世界の誰よりも。ノアが不安にならないように気をつけるわ。」
ノアは驚いた顔をしたと思えば私の唇を塞いだ。ノアに口内を犯される。
(ここまだ玄関よ!?)
執事やサランたちは恥ずかしそうにこちらを見ている。途中で察したのか、姿を消したが。
「ひゃっ」
ノアに横抱きされ連れていかれたのはノアの寝室。そのベッドへ優しく降ろされた。
「シャル、いいか?」
いいか、とは行為をしていいかということだろうか。
「えぇ。きて……?」
ノアは私の服を破り、胸に触れようとしたその時
私は知らない場所にいた。
「へ?」
「僕と続きしよ? 一人でやっても収まらなくてさ? だから、シャーロットに手伝って貰おうと思って。準備出来てるでしょ?」
ほら、濡れてる……と耳元で囁くレオナ様。
「ひぅっ、れ、レオナ様!?」
「ここね、今結界はってるし防音にしてるからノアは入って来れないよ。あいつね、魔法は得意じゃないから。」
そんな……。私どうやって逃げれば……?
「そんな怖がらないでよ。気持ちいいことするだけなんだし。いいでしょ? あ、スライムもあるよ。って言ってもすぐ魔法で出せるだけなんだけど。」
さっき、ノアに服を破られたせいで私は何も身にまとっていない。これは絶体絶命……?
「マリア、もう俺にあまり近づかないようにしてくれ。名前の呼び方も変えた方がいいのか。……マリア嬢。」
ノアがマリアさんの名前を呼んでいるのを私が気にしていると言うことに気づいてくれたようだ。ということは私がヴィルさんのこと名前で呼ぶのが嫌ってことかしら……? マリアさんは平民らしいから家名がないのは仕方がない。でも、嬢をつけてくれるだけで私はすごく嬉しく思った。
「ヴィル様、家名を教えて頂いても?」
「あ、申し遅れました、ヴィル・キャベンディッシュと申します。」
キャベンディッシュ……?
「ゼインの弟だ。腹違いの。」
「継承権は放棄してますけどね。私の存在を知る人はあまりいないと思いますよ。私の親は娼婦でしたから。」
ゼインに弟がいたなんて知らなかった。まず元々ゼインとはあまり話したことがなかったが。ゼインに会ったのも夜会で挨拶を数回した程度。その時にヴィル様はいらっしゃらなかった。この時から冷遇されてたと言うこと……?
「ゼインはヴィルの存在を知らない。ヴィルがそうしたがったからな。」
「そうですね。今更王位継承権なんぞに巻き込まれてもくそくらえです。皇帝陛下が亡くなった今は。」
ヴィル様、口悪くないかしら……?
「まぁ、そんなことよりお昼を食べましょう。お腹が空いているでしょう? ここのパスタは絶品ですよ。」
言われた通りパスタを頼んでみたがとても美味しかった。今日はノアの仕事が早めに終わったためすぐ帰ることになった。帰ろうと馬車に乗る時マリアさんに睨まれた気もするが私は気の所為ということにした。あんな殺気初めて感じたものだったから。
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「マリア嬢を違う所に移動させるか……。」
「の、ノア! 私そんなに気にしないからいいのよ。私のわがままのせいでそんな簡単に環境を変えなくても……。」
「何言ってるんだ。シャルはワガママなんて言わないだろ。だから、シャルの望みは全部叶えたい。」
ノアは私が欲しい言葉をくれる。だけど……
「本当に大丈夫よ。確かに嫉妬してしまったわ。だけど……私はノアを信じているから。」
私がこう伝えた瞬間ノアの腕の中にいた。
「んっ、ノア……?」
「シャルが可愛いことを言うからだ。俺もシャルを信じたい。でも、できるだけ他の男とは話さないでくれ。自分に自信がないんだ。」
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「ノア、愛してるわ。この世界の誰よりも。ノアが不安にならないように気をつけるわ。」
ノアは驚いた顔をしたと思えば私の唇を塞いだ。ノアに口内を犯される。
(ここまだ玄関よ!?)
執事やサランたちは恥ずかしそうにこちらを見ている。途中で察したのか、姿を消したが。
「ひゃっ」
ノアに横抱きされ連れていかれたのはノアの寝室。そのベッドへ優しく降ろされた。
「シャル、いいか?」
いいか、とは行為をしていいかということだろうか。
「えぇ。きて……?」
ノアは私の服を破り、胸に触れようとしたその時
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「へ?」
「僕と続きしよ? 一人でやっても収まらなくてさ? だから、シャーロットに手伝って貰おうと思って。準備出来てるでしょ?」
ほら、濡れてる……と耳元で囁くレオナ様。
「ひぅっ、れ、レオナ様!?」
「ここね、今結界はってるし防音にしてるからノアは入って来れないよ。あいつね、魔法は得意じゃないから。」
そんな……。私どうやって逃げれば……?
「そんな怖がらないでよ。気持ちいいことするだけなんだし。いいでしょ? あ、スライムもあるよ。って言ってもすぐ魔法で出せるだけなんだけど。」
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